主要先進国と新興国の政策金利の推移
更新日:2014年06月12日(木)
本日早朝、ニュージーランドの中央銀行(RBNZ)は政策金利を3.25%へと引き上げました。RBNZは、景気拡大に伴うインフレ圧力拡大を警戒しています。NZは2011年3月に2.50%へと利下げして以降3年間、この水準を維持してきましたが、今年3月に2.75%へと引き上げ、先進国のなかではいち早く利上げフェーズへと移行し、今回で今年3回めの利上げとなりました。
これに伴い、NZドルは年初の1NZドル=0.8200米ドル台から現在0.8600ドル台へと上昇(NZドル高)しています。
一方、ユーロ圏では先週0.25%から0.15%へと引き下げられました。一時的にユーロは買い戻されましたが、その後は売り傾向が強まり、先週の1ユーロ=1.36ドル台から今週は1.3530ドル近辺まで下げています。ECBの今後の追加緩和策と、近い将来の米国の利上げフェーズへの思惑から、ユーロ安傾向が続きます。
同じ理由で米ドルと日本円の関係も、円安傾向が進みましたが、このところは逆に米国の利上げフエーズ先送り観測も台頭し、円安の流れが止まっています。
NZに続いて利上げを開始すると思われる先進国は、今のところは米国よりも英国のほうが有力となっています。
現時点での主要先進国の政策金利は、
日本:0-0.1%、米国:0-0.25%、英国:0.50%、ユーロ圏:0.15%、豪州:2.50%、NZ:3.25%。
主な新興国の政策金利は、
南アフリカ:5.50%、ブラジル:11.00%、インド:8.00%、インドネシア:7.50%、トルコ:9.50%。
常にインフレ懸念がつきまとい、時には今年1月のトルコや南アフリカのように、自国通貨安の防衛策として利上げされることもある新興国の政策金利は総じて高く設定されます。
ゼロ金利の米国が緩和策を終了させる、という噂だけでも売られてしまう新興国通貨は、実際に米国が利上げフェーズに移行した場合、自国通貨との金利差がわずかに縮まるだけにもかかわらず、再び大きく売り込まれる可能性が懸念されます。
同時に、常にゼロ金利の金も、売り込まれる可能性が高まります。
11日のNY市場、株高一服の流れを受けて金相場は0.09%の小幅高となり、3日続伸。上下7ドルほどの小動きながら、徐々に流れは上方向へ。結局、
1,230ドル近辺を目指した5月末の下落トレンドは6月3日安値1,240.2ドルを底値に反転し、新たな展開へ。その1,240ドルが当面のサポートライン、上方向へは1,290ドル台と1,310ドルがレジスタンスライン。5月半ばまでのサポートライン1,280ドル近辺も流れが止まり易い水準。
プラチナ相場は前日の大幅上昇の反動で0.07%の小反落。下落は6営業日ぶり。今年の高値1,490ドル台に迫る1,488.4ドルまで上昇する場面もあり、高値更新トライへの勢いを感じさせる動き。高値更新なら1,520ドル程度まで一気に上昇する可能性も。南アの好物資源相はスト長期化による人員削減などへの危機感を示し、事態も混迷。南アランドは対ドルで1ドル=10.75ランドへ、対円でも1ランド=9.47円と通貨安が進行中。
ドル円は0.27%の小幅安で3日続落。欧州時間に入って102円割れへと急落して以降、102円の攻防が継続。103円手前には大きな壁がある様子で上値を目指す勢いは大きく後退。逆に下方向、101円70銭台を割れるようなら101円割れへのリスクも高まることに。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場6/11終値とチャート
国内金価格は0.16%の小反落。懸念された為替の円高により上値の重い展開が継続。流れ好転も、その勢いは限定的。ゆっくりと上昇基調が続いた場合の抵抗線は4,500円、4,550円。サポートラインは4,380円台。
プラチナも0.1%の小幅安。
上値メド5,150円に到達したことによる小動き状態。中期的な上昇トレンド継続中も今年高値5,183円付近はレジスタンスライン。為替の足枷もあり、このまますんなりと上抜ける可能性はやや低めか。この近辺で若干の押し目形成を含めた時間稼ぎで上昇パワーを溜め込む必要も。
※参考:
金プラチナ国内価格6/12とチャート
2014年06月12日(木)時点の相場
国内金:4,434 円 6/12(木)
▼7(
0.16%)
国内プラチナ:5,157 円 6/12(木)
▼5(
0.10%)
NY金:1,261.2 ドル 6/11(水)
▲1.1(
0.09%)
NYプラチナ:1,481.1 ドル 6/11(水)
▼1.1(
0.07%)
ドル円:102.07 円 6/11(水)
▼0.28(
0.27%)
6/11(水)のその他主要マーケット指標
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