地政学リスク睨みで年末にかけての円安株高期待へ望みをつなぐ
更新日:2014年08月11日(月)
先週のリスク回避の流れからの急反発でドル円は102円近辺、日経平均は15,000円近辺に戻した状態で小康状態となっています。この時点で
ドル円は年初から3%安、日経平均は8%安。年末までには円安株高の流れ再開へ、との期待も相変わらず根強く残るものの、年初来プラス圏回復へのハードルは日に日に上がって行きます。
台風11号が日本列島を駆け抜けたこの週末、ウクライナ東部では親ロシア派の一時停戦提案に対してウクライナ政府軍は拒否、停戦したければ降伏しろ、とあくまで強気の構え。ライフラインの一部がストップし、病院も機能停止状態に陥り、人道的な危機状態に瀕するこのエリアに対してロシアは緊急援助の必要性を主張。
パレスチナ自治区ガザでは、イスラエルもハマス側も日本時間11日午前6時からの72時間停戦に合意。エジプトの仲介により事態好転への可能性につなげた形。
イラクの過激派武装組織「イスラム国」への米軍による空爆は、オバマ大統領も長期戦を示唆し、イラクの治安と政権強化を図る必要性を主張。しかし共和党議員のなかには「この程度の空爆では効果がない」、「シリア国内のイスラム国を攻撃しなければ意味がない」など、オバマ大統領の弱腰を避難する声も上がっており、さらには米国本土へのテロの脅威への警戒感も高まっている様子。
ウクライナ、ガザでは事態急転の可能性も高まるものの、今後の動向次第、イラクは長期化の様相。しばらくは地政学リスク動向に左右されつつ、ドル円や日経平均は上値の重い展開が、金相場は比較的サポートされやすい状況が継続しそうです。
日本ではお盆休みとなる14日午前6時、まずはガザの停戦期限切れ後の動向に、警戒が必要です。
11日の国内金価格は0.11%の小幅安となり4営業日ぶりの反落。日々刻々と変化していく中東界隈の地政学リスクへの警戒感から値動きもやや限定的となりがちな状況に。短期的には上昇基調へと移行しつつあり、4,680円近辺までトレンド継続の可能性。下方向の節目は4,540円。少し長めのスパンでは4,550付近に位置する90日移動平均線の100円ほど下、4,453円に200日移動平均線がいずれもゆるやかに右肩上がりに推移し、上昇トレンド継続中。
プラチナも0.21%の小幅反落。短期的にはゆるやかな下落トレンドが継続中。下値メド5,100円近辺まで続く可能性は残り、上方向への節目5,220円までの間でレンジ形成への動きとなる可能性も。中期スパンでは90日移動平均5,104円から160円ほど下、4,942円に200日移動平均線。いずれも金よりも右上がりの角度は大きく、中長期的な上昇トレンドの強さも継続。
※参考:
金プラチナ国内価格8/11とチャート
2014年08月11日(月)時点の相場
国内金:4,600 円 8/11(月)
▼5(
0.11%)
国内プラチナ:5,166 円 8/11(月)
▼11(
0.21%)
NY金:1,311.0 ドル 8/8(金)
▼1.5(
0.11%)
NYプラチナ:1,478.3 ドル 8/8(金)
▼3.2(
0.22%)
ドル円:102.08 円 8/8(金)
▼0.01(
0.01%)
8/8(金)のその他主要マーケット指標
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