解散風に吹かれて7年ぶりの日本株高・円安水準へ
更新日:2014年11月12日(水)
11日、日経平均は大引けで前日比343.58円高となる1万7,124円11銭まで上昇し、2007年10月18日以来7年1カ月ぶりに1万7,000円台を回復。その約4時間後、為替もドル円が一時2007年10月18日以来7年1カ月ぶりのドル高円安水準となる1ドル=116円10銭まで上昇。
にわかに風速を増した永田町の解散風と消費増税先送り観測によって日本株買いと円安の流れが急加速した様子です。
内閣府が発表した10月景気ウオッチャー調査の現状判断DIは44.0となり、前月比-3.4ポイント。今年4月の消費増税時の41.6に次ぐ低い水準で、節目の50割れは3カ月連続。国内の消費低迷、景気減速感は相変わらずの状況で、17日発表予定の7-9月期GDP速報値を待たずして消費税の追加増税延期の可能性も急速に高まってきたようです。
日銀の追加緩和とGPIF買いによって上昇してきた日本株にとっては、景気腰折れ回避の可能性がさらなる追い風となり、今朝も1万7,300円台から400円台をうかがう堅調推移が続きます。
ちなみに米株も好調でNYダウは5日連続で史上最高値更新となっているものの、その勢いには明らかな減速感が見られます。
日本株に牽引されるように円安傾向が強まるドル円相場は、今朝の菅官房長官の「消費再増税見送り(報道に関して)はありえない」発言を受けて115円台半ばから前半へと急落、若干の調整局面入りの兆しも。
しかし、
ドル円と日経平均の連動性は
30日相関係数で0.94621と急速に高まりつつあり、短期的な相関関係が再び強まってきています。
しばらくは、日本株主導に加え、増税先送り濃厚となるに連れてリスクオン傾向が強まることによる円安傾向優勢の状況が続きそうです。
11日のNY金相場は0.28%の小反発。円安主導による相対的なドル買いのため、金への売り圧力は限定的となり、レンジ下限の1,140ドル台では底堅さも見せる展開に。ただし上値も1,180ドルのレンジ上限手前、1,170ドル台どまりと反発基調への転換にも至らない状況。しばらくはレンジ相場継続優勢か。上方向に動き出した場合には長期サポートラインとなっていた1,190ドル付近が抵抗線になりやすい存在。レンジ継続で売られ過ぎ過熱感解消で再び下押し圧力が強まる可能性にも警戒。その場合の目標水準は1,000ドル台半ば。
プラチナ相場は0.02%安でほぼ横ばい推移。下値警戒リスクを抱えつつ、短期下落トレンド終盤の可能性も。1,190-1,220ドルの小幅レンジでの揉み合い状態継続。上抜けならまずは1,240ドル付近まで。下抜けなら1,100ドル台半ば付近がターゲットに。
ドル円相場は0.8%の続伸。円安圧力の強まりと利食いの交錯で不安定な状況で上下の振れ幅が大きくなる状況も基本的には強めのドル高円安トレンドが継続中。近いうちに117円台を試す可能性も高く、120円付近を目指す流れ。しかし、大幅調整をはさむ可能性も徐々に高まり、114円60銭に切り上げたサポートライン割れなら少なくとも113円台前半程度までの調整も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場11/11終値とチャート
12日の国内金価格は1.2%の大幅反発。円安にサポートされて上昇基調を強める展開に。サポートラインをレンジ上限だった4,570円まで切り上げて4,670円近辺の上値目標水準へと向かう流れ。なお、サポートライン割れなら直前のレンジ下限4,510円付近まで反落の可能性。
プラチナ価格も0.78%の反発。非常にゆっくりとした流れで上昇基調が継続。4,730円の浅めのサポートラインと上昇基調の9日移動平均線に支えられ、4,780円台の目標水準に再接近、上値余地をさらに拡大した可能性も。次の目標水準は4,830円近辺。
※参考:
金プラチナ国内価格11/12とチャート
2014年11月12日(水)時点の相場
国内金:4,625 円 11/12(水)
▲55(
1.20%)
国内プラチナ:4,770 円 11/12(水)
▲37(
0.78%)
NY金:1,163.0 ドル 11/11(火)
▲3.2(
0.28%)
NYプラチナ:1,206.7 ドル 11/11(火)
▼0.2(
0.02%)
ドル円:115.77 円 11/11(火)
▲0.91(
0.80%)
11/11(火)のその他主要マーケット指標
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