年内利上げもスローペースとの予想を織り込み途中のマーケット
更新日:2015年03月30日(月)
先週末のFRBイエレン議長講演では、市場への影響はそれほどなかったようですが、着実にFRBの金融政策が正常化に向かっていることを改めて印象づける内容となっていました。先日のフィッシャー副議長の発言内容とも一致し、年内利上げの可能性が高いこと、初回利上げ以降はかなりのスローペースも予想されることを強調しています。
さらにイエレン議長は、金融状況や経済全体にとって重要なのは利上げ開始時期ではなく、その後の短期金利動向であるとしています。
現時点での主な市場の価格と90日移動平均線、9日移動平均線との関係を見ると、以下のようになっています。
NY金:90日(-1.0%)>3/27:1,199.8>(+1.5%)9日移動平均
NYプラチナ:90日(-4.8%)>3/27:1,143.6>(+1.1%)9日
NY原油:90日(-9.1%)>3/27:48.87>(+4.2%)9日
NYダウ:9日(-1.1%)>90日(-0.4%)>3/27:17,712.66
独DAX:9日(-0.5%)>3/27:11,868.33>(+12.1%)90日
日経平均:9日(-1.4%)>3/27:19,285.63>(+7.5%)90日
ドル円:9日(-0.7%)>3/27:119.17>(+0.0%)90日
ユーロドル:90日(-6.3%)>3/27:1.0887>(+0.4%)9日
90日移動平均線よりも9日移動平均線が下回り、中長期トレンドの下落を示すのは金や原油などのコモディティ。短期的には価格が9日移動平均線を上抜けて上昇トレンドに。しかし90日移動平均線よりも下。利上げを織り込んだ下落トレンドが、利上げ先送り観測により緩和され、持ち直したものの、それほど反発力も強くはなさそうな様子。
逆に9日移動平均線が90日移動平均線を上回り、中長期トレンドが上昇を示す株価。短期的には価格が9日移動平均線を下回り、失速気味。好調な景気や業績、通貨安などを支えに堅調推移は続くなか、米国の利上げが最もマイナス材料となるNYダウは90日移動平均線まで下抜ける状態。
為替も中長期トレンドはドル高円安、ドル高ユーロ安。短期的には9日移動平均線をドル安方向へ抜ける、ドル高調整局面。
いずれの市場でも中長期トレンドが反転気味とはなっているものの、反対方向への流れもそれほど強くもなく、足元ではやや方向感喪失気味。
2006年6月以来、9年ぶりとなる米国の利上げに向けて、その影響と反応をイメージし切れない市場は、FRBの見通しを織り込もうとしています。
しかし、年内利上げは織り込みつつあるものの、スローペースの部分がいまいち消化しきれていない状況のようにも見えます。
30日の国内金価格は前週末比24円安となり、8営業日ぶりの反落。さすがに8連騰で90日移動平均付近まで一気に値を戻すほどの勢いはなく、調整入り。4,890-4,900円に位置する9-21日移動平均線には下値をサポートされやすく、この水準までで調整局面を終えれば、4,950円台の上値目標を目指す流れ再開へ。
プラチナは前週末比70円安。3営業日ぶりに1.48%の大幅反落となり、4,690円台の重要なサポートラインを大きく下抜け、4,686円の9日移動平均線も下抜けたことで再び下方リスクが高まる展開に。先週末時点の上昇サインは行き過ぎによるダマシに終わり、当面の下値目標水準としては4,620円近辺。上方向には4,740円の抵抗線が重みを増した形。
※参考:
金プラチナ国内価格3/30とチャート
2015年03月30日(月)時点の相場
国内金:4,913 円 3/30(月)
▼24(
0.49%)
国内プラチナ:4,665 円 3/30(月)
▼70(
1.48%)
NY金:1,199.8 ドル 3/27(金)
▼5.0(
0.42%)
NYプラチナ:1,143.6 ドル 3/27(金)
▼10.4(
0.90%)
ドル円:119.17 円 3/27(金)
▼0.01(
0.01%)
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