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ムーディーズに続きフィッチも財政難の日本を格下げ、S&Pは
更新日:2015年04月28日(火)
日本時間27日夕刻、主要格付け会社トップ3の一角、フィッチ・レーティングスが日本国債の格付けを「A+」から「A」へと一段階引き下げることを発表しました。
ある程度予想されていたこともあり、これに伴う円売りも30銭程度と限定的な範囲にとどまりました。
消費税の追加増税先送り決定を受けて昨年12月1日、ムーディーズが日本を格下げした後、フィッチも公式見解として「ウォッチ・ネガティブ」指定とすることを発表していました。新年度予算を確認し、新たな財政計画などが見られなければ格下げすることを警告しており、そのとおりの結果となっています。

財政赤字が拡大し続ける日本の国債は、そのほとんどを日銀と国内銀行が保有しているためそれほど問題ではない、とする見方もありますが、これでフィッチの格付けでは上から6番目のランクに相当し、上から4番目のランクとなる「AA-」の韓国と比べると2ランク下となり、中国やエストニア、チェコ、スロバキアよりも1ランク下の水準となりました。
フィッチの説明によれば、今後日本国債の格付け引き上げに向けて必要なことは「公的債務比率の安定化と名目GDP成長率の加速を含む持続的かつ広範囲の景気回復」ということです。「成長戦略としての構造改革も限定的」と指摘されている状況ではそれも難しく、日本の格付けは当面現状維持が想定されます。

甘利経済再生相は「民間格付け会社の格下げ報道にいちいち言及するつもりはない」、「市場と国際的な信頼を得るため財政再建計画を夏までに発表」すると述べています。

残る主要格付け会社S&Pの格付けでは、現在日本は「AA-」。ムーディーズよりも1ランク上、今回のフィッチよりも2ランク上の状態。
また、S&Pの韓国への「A+」よりも1ランク上に格付けされており、フィッチとは逆。しかし見通しは韓国の「ポジティブ」に対して日本は「ネガティブ」。
S&Pからの公式見解は出てはいないようですが、昨年12月時点で、担当者レベルの発言として「財政状況に改善が見られなければ、格下げを検討せざるを得ない」と伝えられていました。

夏頃には、S&Pによる日本国債の格付けも引き下げられる可能性があります。

NY金・日足チャート 2015/3/26 - 4/2727日のNY金相場は2.4%の大幅反発。下値トライ継続の為にはやや材料不足だったこともあり、ダラス連銀製造業活動指数などの指標低迷をきっかけとしたドル売りに伴い、急速なショートカバーが進行。上昇率としては1月15日の2.45%以来3カ月ぶりの大幅上昇に。再び1200ドル近辺のレンジ水準に戻ってきたものの、不安定な状態で迎えるFOMCなどのイベントによって、上下に振られる展開も予想される状況に。上方向には1220ドル近辺まで上昇余地を拡大し、1170ドルが当面の下値サポートラインに。

NYプラチナ・日足チャート 2015/3/26 - 4/27プラチナ相場も2.85%の大幅反発。さらなる下値トライよりも1110ドル台まで下げたことによる達成感のほうが勝ったことにより、急落フェーズのきっかけとなった1150ドル割れ直前の水準を回復。上げ幅としては2013年9月以来、1年7カ月ぶりとなる大幅上昇。しかし、4月半ばまでのレンジ下限1150ドル台に戻した後、今朝にかけて再び1140ドル台へと水準切り下げており、反発基調継続の兆しも見られない状況。当面の上値余地は1160ドル程度まで、1120ドルがサポートラインに。

ドル円・日足チャート 2015/3/27 - 4/27ドル円相場は0.09%の小幅反発。日本国債の格下げを受けて119円40銭台まで円売り進行後は、米4月のダラス連銀製造業活動指数とマークイットの4月サービス業PMI速報値がいずれも予想を下回ったことなどをきっかけに元の水準へと反落。格下げによる円売りも限定的となり、相変わらず低調な米経済指標へのドル売りも限定的。118円90銭のサポートラインの強さも継続中。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/27終値とチャート

28日の国内金価格は1.74%の大幅反発で前日急落分の全値戻し。下方向へと大きく行って来いとなって元のレンジ水準に回帰。NY金の不安定な状態によるゴールデンウィーク直前の乱高下によって、今後の展開への不透明感が拡大。ドル円の膠着状態に変化が見られるようなら新たな展開も。荒れ模様への警戒感も高まる状況に。

プラチナも1.72%の大幅高となり、4営業日ぶりの反発。長期サポート水準となっている4,600円をわずかに下抜けたこともあり、ようやく下げ止まった形。地合いが大きく改善したわけではなく、反発基調継続とともに下値警戒感も残る状況か。
※参考:金プラチナ国内価格4/28とチャート

2015年04月28日(火)時点の相場
国内金:4,919 円 4/28(火) ▲84(1.74%)
国内プラチナ:4,675 円 4/28(火) ▲79(1.72%)
NY金:1,203.2 ドル 4/27(月) ▲28.2(2.40%)
NYプラチナ:1,153.4 ドル 4/27(月) ▲32.0(2.85%)
ドル円:119.03 円 4/27(月) ▲0.10(0.09%)
→4/27(月)のその他主要マーケット指標

←米国経済は4月に回復傾向どころか悪化傾向? 04/29(水)
→ゴールデンウィーク前後の金価格は小幅高or大幅安 04/27(月)
→米景気回復の足かせ、ドル高継続か反落か 04/25(土)
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