第2四半期に入っても回復傾向が見られない米小売売上高
更新日:2015年05月14日(木)
![米小売売上高(前月比)推移 2015年4月](https://lets-gold.net/image/monthly-retail-sales-201504.gif)
米商務省が発表した4月の米小売売上高は、事前予想の前月比+0.2%を下まわり、前月から変わらずの状態となりました。3月分が+0.9%から+1.1%へと上方修正されたことも影響したものとは思われますが、第2四半期となる4月分以降の経済指標の回復傾向を期待するFRBにとっては、やや厳しい状況となっています。
足元での原油相場の反発傾向が早くもガソリン価格などに影響したとは考えにくく、むしろガソリン安でも消費が進まない状況を示し、今後さらに原油相場の反発傾向が続くようなら、ガソリン価格も上昇し始め、今以上に消費の回復傾向に影響を与えることにもなりかねません。
3カ月連続前月比マイナスとなった2月までの状況からの反発は3月だけの単発で終わり、6カ月移動平均では2009年5月以来となるマイナス圏に落ち込んだ今年1月から4カ月連続でのマイナス圏となっています。回復傾向が続かない状態となり、リセッション時期以来の低迷状態です。
2月までの低迷は、冬場の寒波や西海岸の港湾ストの影響など一時的要因によるものだったとする見方にも疑問符が残るような状況となり、結果的に残る低迷要因のひとつ、ドル高解消を催促するような指標に、一斉にドル売りが進むことになりました。
第2四半期に入ってもパッとしない経済指標が続いていることで、アトランタ連銀による第2四半期GDP見通し「GDPNow」は、1週間前の0.8%からこの日、0.7%へと引き下げられています。
![NY金・日足チャート 2015/4/14 - 5/13](https://chart.apis.google.com/chart?chof=gif&chs=260x160&cht=lc&chtt=NY-GOLD+日足+2015/4/14 - 5/13&chts=0000c2,13&chf=c,s,ffff0060&chg=0,8.3333&chds=1160,1220&chd=t0:-1,1183.5,1188.3,1194.3,1197,1190.8,1192.5,1185,1183.6,1174.1,1177.6,1198.6,1200.7,1176,1168.4,1176.6,1184.9,1187.4,1177.9,1180.5,1178,1179.7,1190.4,-1|-1,1198.8,1192.2,1201.8,1198.6,1204.4,1195.8,1202.2,1186.9,1193,1179.3,1201.6,1211.4,1204.5,1183.7,1176.6,1187.5,1192.5,1191.3,1183.7,1189,1182.5,1192.5,-1|-1,1192.6,1201.3,1198,1203.1,1193.7,1203.1,1186.9,1194.3,1175,1203.2,1213.9,1210,1182.4,1174.5,1186.8,1193.2,1190.3,1182.2,1188.9,1183,1192.4,1218.2,-1|-1,1201.3,1204.4,1208.8,1207.8,1209,1203.7,1204.4,1197.4,1195.4,1206.7,1214.9,1213.5,1207.4,1184.4,1192.1,1199.3,1196.9,1192,1193,1190.9,1196.3,1218.5,-1&chm=F,3F3F3F,0,-1,8&chxt=x,y&chxl=0:||4/14|||4/17|||4/22|||4/27|||4/30|||5/5|||5/8|||5/13||1:|1,160|1,165|1,170|1,175|1,180|1,185|1,190|1,195|1,200|1,205|1,210|1,215|1,220)
13日のNY金相場は2.16%の大幅続伸。予想外に低調となった米4月小売売上高に反応して1190ドル台後半から1220ドル手前まで急騰。前日の買いサインにファンダメンタルなサポートが加わり、今年3番めの上げ幅に。ただし広めに見たレンジ1170-1210ドル台の上限でいったん上値を押さえられた形となり、今朝も1210ドル台前半に。現状水準を突破できれば目標水準1230ドル台へ。
![NYプラチナ・日足チャート 2015/4/14 - 5/13](https://chart.apis.google.com/chart?chof=gif&chs=260x160&cht=lc&chtt=NY-PLATINUM+日足+2015/4/14 - 5/13&chts=9933a3,13&chf=c,s,d333a360&chg=0,14.2857&chds=1110,1180&chd=t0:-1,1141.2,1147,1153.4,1159.8,1143.4,1145.4,1128.6,1126.4,1118.3,1117.6,1140.7,1151.1,1131,1126.3,1128.3,1141.5,1136.4,1130.3,1130.5,1122.6,1125.3,1130.1,-1|-1,1154,1152.7,1162.5,1160.8,1170.5,1148.8,1149.6,1129.5,1137.8,1126,1146.1,1156.6,1155.2,1145,1128.6,1148.2,1146.7,1146.3,1132.4,1141,1126,1133.5,-1|-1,1153.7,1156.6,1159.2,1167.5,1148.8,1152.5,1129.7,1136.7,1121.4,1153.4,1158.6,1161.5,1140.4,1129.7,1150.9,1148.8,1142.8,1131.4,1143.5,1127.3,1133,1150.8,-1|-1,1160.9,1165,1175.6,1172.8,1174.3,1159.8,1152.1,1139.9,1138.3,1154.8,1161,1164,1156,1145.5,1154.3,1158,1150.6,1147.1,1145.7,1143.5,1141.7,1154.1,-1&chm=F,3F3F3F,0,-1,8&chxt=x,y&chxl=0:||4/14|||4/17|||4/22|||4/27|||4/30|||5/5|||5/8|||5/13||1:|1,110|1,120|1,130|1,140|1,150|1,160|1,170|1,180)
プラチナ相場も1.57%の大幅続伸。金に連れ高となって下値トライへの流れも完全に払拭、逆に1140ドル台の上値抵抗線をわずかに超えたことで反発基調が進む可能性が拡大。現状の1150-60ドル近辺も上値を押さえられやすい水準、ここを超えると目標水準は3月高値圏の1180ドル台。
![ドル円・日足チャート 2015/4/14 - 5/13](https://chart.apis.google.com/chart?chof=gif&chs=260x160&cht=lc&chtt=USDJPY+日足+2015/4/14 - 5/13&chts=0000c2,13&chf=c,s,00a0ff60&chg=0,16.6667&chds=118,121&chd=t0:-1,119.07,118.784,118.793,118.573,118.529,119.142,119.341,119.423,118.832,118.771,118.774,118.607,118.504,119.382,119.988,119.725,119.201,119.054,119.595,119.714,119.783,119.032,-1|-1,120.115,119.387,119.135,118.969,118.926,119.142,119.651,119.899,119.595,118.868,119.033,118.861,119.025,119.379,120.229,120.114,119.844,119.439,119.749,119.762,120.09,119.857,-1|-1,119.389,119.134,118.995,118.895,119.15,119.651,119.901,119.574,118.924,119.027,118.859,119.013,119.379,120.139,120.113,119.854,119.44,119.735,119.78,120.073,119.858,119.136,-1|-1,120.174,119.744,119.468,119.262,119.432,119.829,119.955,120.091,119.658,119.432,119.191,119.358,119.892,120.286,120.271,120.502,120.04,119.859,120.232,120.149,120.275,120.003,-1&chm=F,3F3F3F,0,-1,8&chxt=x,y&chxl=0:||4/14|||4/17|||4/22|||4/27|||4/30|||5/5|||5/8|||5/13||1:|118.0|118.5|119.0|119.5|120.0|120.5|121.0)
ドル円は0.6%の続落。前日の上値トライ失敗の流れが米小売売上高の下振れにより加速すると、119円台後半から119円割れ寸前まで急落。それでも米長期金利上昇の流れに下支えされるように119円台を維持、サポートライン118円80銭までの水準の底堅さは健在。もし、この水準を維持できない場合にはドル安円高の流れが加速し、116円付近まで水準を切り下げる可能性も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場5/13終値とチャート
14日の国内金価格は1.12%の大幅続伸。懸念されていたサポート力不足は予想外の米経済指標下振れによって解消され、上値目標4980円台に急接近。困難と思われた短期目標達成も、ほぼ到達となる水準に。ここからはNY金の上値が重く、ドル円の下値は堅くなり、落ち着き安い水準。しかし、予想以上に弱い4月の米経済指標の結果が今後も続くようなら、予想外の展開もさらに継続か。
プラチナも0.94%の続伸で、下方リスクに晒された状況から脱出。抵抗水準4710-20円もわずかに上抜け、流れ好転の兆しも見られ始めたことで上値を伸ばす展開も。当面の目標水準は4800円近辺。引き続き4670円は重要なサポート水準。
※参考:
金プラチナ国内価格5/14とチャート
2015年05月14日(木)時点の相場
国内金:4,977 円 5/14(木)
▲55(
1.12%)
国内プラチナ:4,724 円 5/14(木)
▲44(
0.94%)
NY金:1,218.2 ドル 5/13(水)
▲25.8(
2.16%)
NYプラチナ:1,150.8 ドル 5/13(水)
▲17.8(
1.57%)
ドル円:119.14 円 5/13(水)
▼0.72(
0.60%)
5/13(水)のその他主要マーケット指標
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