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★金プラチナ短期相場観★

セミ・ファイナルでドラギマジック失敗、ドル安で金の底値上昇?
更新日:2015年12月04日(金)
年末に向けてのセミ・ファイナル級のイベントとなるECB理事会を経て若干のドル高、同じくセミ・ファイナルの米雇用統計でさらにドル高進行、そしてファイナルのFOMCで高値更新、金はセリング・クライマックスへ。そんなシナリオが出だしでつまづきました。
マーケットを煽りまくったドラギマジックは最後の詰めに失敗、観衆の大きな失望を誘ってしまったようです。

政策金利発表前の事前リークでいきなりユーロドルの買い戻しが進行したところがケチのつき始め(the first sign of bad luck)。
政策金利を0.05%に据え置き、中銀預金金利を-0.20%から-0.30%へ引き下げることを発表し、「さらなる措置を発表」とのドラギ総裁会見へのつなぎにもマーケットの不満と不安は収まりきらず乱高下。
量的緩和の期間延長や資産買い入れ対象に地方債も含めることなどの「さらなる措置」のなかには、既に織り込まれていた現行600億ユーロの買い入れ規模の拡大が含まれず、市場の期待を裏切る結果となりました。

納得のいかないマーケットは怒りに満ちたような、怒涛のユーロ買い戻しでブーイング。
わずか1時間ほどの間に1ユーロ=1.05ドル台前半から1.09ドル付近まで400ポイントもの急騰。その後もジリ高で1.0980ドルまで上昇し、11月の下落幅430ポイントを数時間で全て取り戻すほどの急騰ぶり。ユーロドルの終値は前日比3.07%の上昇となり、金融危機時の2009年3月以来、6年9カ月ぶりの大幅上昇に。

凄まじいユーロ買い戻し劇にドイツDAXの下落率も3.58%に達し、中国ショックの頃の大幅下落に相当する水準。欧米株安の流れとなって市場のムードもリスクオフへと一変したかのような状況です。さすがに、この影響を免れることはできないドル円も下落、で金は小幅に上昇。

年末に向けてのシナリオ第一幕はドラギマジックの失敗で大きく乱れましたが、この後のシナリオの大きな流れに狂いはまだ生じていないものと見ます。
強いて言えば、これから試しに行くものと想定される、金の底値が若干上方向に押し上げられた可能性はあるかもしれません。

NY金・日足チャート 2015/11/3 - 12/33日のNY金相場は0.7%の反発。アジア時間には1040ドル台半ばまで下落し、5年10カ月ぶりの安値をさらに更新。ECB金融政策への失望感からのユーロ買い戻しに伴うドル安の流れで反発、米11月のISM非製造業景況指数の下振れを受けてさらに上昇。しかし上値は1060ドル台半ばまでと限定的。1070ドルの節目が重くのしかかる抵抗水準。戻り高値をつけた可能性もあり、米雇用統計の結果次第で売り圧力が再び強まることも。1030ドル台付近までの下落は見込まれそう。

NYプラチナ・日足チャート 2015/11/3 - 12/3NYプラチナ相場は1.81%の大幅反発。7年ぶり安値を825ドルまで更新した後、ユーロの影響を受けやすいプラチナも大きく買い戻されて10月末以来の9日移動平均線超え。しかし、大きな流れが変わる為の節目水準となる860ドルトライにも至らないのはこのタイミングでは致し方ないところ。830ドルラインが下方向への節目となり、ここを割り込んだ場合には810ドル辺りが次の下値目安に。

ドル円・日足チャート 2015/11/4 - 12/3ドル円相場は0.52%のドル安円高。ユーロ急騰の流れに連れ安(円高)で123円を割り込むもいったんは反発、しかし11月ISM非製造業景況指数の予想外の下振れを受けて再びドル安円高の流れが加速。ただし、安値でつけた122円30銭付近は最近の安値圏、終値でも122円50銭台を回復し、現状のレンジ下限を維持した形。ここを割り込む為には第2幕のネガテイブ・サプライズが必要か。格好の押し目を形成した可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/3終値とチャート

4日の国内金価格は0.54%の反発。安値揉み合い状態からの下抜けの兆しから一転、急反発も限定的。上方向への節目4530円にはまだ距離を残し、流れとしては下方向がまだ少し優勢の状況。米雇用統計通過後に下値目標4420円台程度までの下落は十分に想定可能。まさかの急反発で抵抗線超えなら4600円付近を目指す急反発の流れとなる可能性もあり得なくはないか。
週間ベースでは-40円(0.88%)となり、7週続落。

国内プラチナ価格は2.1%の大幅反発。安値圏でのミニ三角保ち合いを上抜ける形で急騰。平常時なら十分に流れが変わるきっかけとなりそうなところ。しかし、現状ではその可能性はまだ低いと見るべきか。3630円付近までの上値余地を残す状況ながら、急反落のイベントリスクを抱え、3530円を割り込んだ場合には急落再開で3450円台辺りを目指す流れとなる可能性も。
週間では-19円(0.52%)の小幅安で6週続落。
※参考:金プラチナ国内価格12/4とチャート

2015年12月04日(金)時点の相場
国内金:4,495 円 12/4(金) ▲24(0.54%)
国内プラチナ:3,604 円 12/4(金) ▲74(2.10%)
NY金:1,061.2 ドル 12/3(木) ▲7.4(0.70%)
NYプラチナ:847.5 ドル 12/3(木) ▲15.1(1.81%)
ドル円:122.61 円 12/3(木) ▼0.64(0.52%)
→12/3(木)のその他主要マーケット指標

←好結果の雇用統計にもドル高は限定的、ドラギショックの影響も? 12/05(土)
→雇用統計における季節性=夏場低迷、年末にかけては好調 12/03(木)
→ISM製造業景況指数悪化でFRB金融政策正常化に向けての正念場へ 12/02(水)
→2015年12月利上げ直前の米中製造業景況感 12/01(火)

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