下落トレンドを抜け出した国内金価格、抜け切れないプラチナ
更新日:2016年02月29日(月)
国内で高まる金投資ブームに乗って、金価格のトレンドも大きく変わり始めた様子です。国内金価格は2015年1月23日の5298円から、今年1月15日の4385円まで、1年間で913円、17.2%下落した時点で当面の底を打ち、1年間続いた下落トレンドを抜け出した形となっています。
昨年から続く右肩下がりの上値抵抗線を2月に入ってブレイクし、足下では揉み合い状態が続く状況とはなっていますが、以前の抵抗線が今度はサポート水準となって下値を支える状態が続きます。また、1年間の下落幅に対する38.2%戻しとなる4734円もサポートラインとなりつつある状況です。
トレンド継続中の調整の範囲内か、それともトレンド転換かの分岐点となりやすい38.2%ラインを超えたことで、後者と判断できます。
ただし、50%戻しとなる4842円手前では上値も重いのが現状。「半値戻しは全値戻し」と言えるほどの堅調な状態にはまだ達していない状況。この水準を超えることが出来れば、61.8%ラインの4949円付近も現実的な水準となりそうです。当面は、38.2%から50%の範囲を中心に保ち合い状態継続か、どちらかへ抜け出すか、というところが重要なポイントとなってきそうです。
長めの下落トレンドを抜け出したからといって、今度は長めの上昇トレンドが始まるとは限りませんが、少なくとも1年間で資産価値が17.2%も低下するような状態ではなくなった状況です。
プラチナ価格は、昨年来続く急落トレンドからは抜け切れない状況です。昨年1月の5193円から今年1月の3334円まで1859円、35.8%、金の2倍のペースで急落し、いったんは反発してはいるものの、上値抵抗線を突破できず、1月安値が底値との判断がつきかねる状態が続いています。
トレンドが変わらないのであれば、年内にも3000円の大台ラインが意識されるような時期が訪れることになってしまいそうです。
しかし、トレンドが変わり始めた金に引っ張られて、プラチナの下落ペースが鈍化するということも想定可能です。3500円近辺まで下げたとしても、そのペースさえ遅ければ上値抵抗線を抜け出す可能性も高まります。当面は、1年間の下落幅に対する23.6%戻しとなる3773円付近がトレンド転換へと向かう為の目安水準に。そして、1月安値3334円を下回らないことが注目ポイントとなります。
1年間で35.8%も資産価値が目減りするような状況は異常であり、少なくともそのペースは鈍化する可能性は高いものと思われます・・・が。
29日の国内金価格は0.5%の反落。今年高値圏での揉み合いが続くなか、高値更新トライへの兆しもやや勢いに欠ける状態。短期的には4850円前後までの上振れの可能性を残しながらも減速感も否めない状況に。上値トライに失敗した場合には、保ち合い長期化に伴う大幅下落リスクも徐々に高まることも想定される。重要なサポート水準となる4730円を割り込んだ場合には、その懸念が現実となり、反落基調スタートで最大4600円付近を目指すような流れとなる可能性も。
月間ベースでは+227円(4.98%)、2年ぶりの大幅高となって続伸。
国内プラチナ価格は0.64%安、3日続落で3週間ぶり安値水準。先週安値で節目となる3600円ラインを下抜けてしまったことにより、ゆるやかな下落基調がもう一段進行する可能性が高まる状況へ。9日移動平均線が21日移動平均線をデッドクロスし、上から90-21-9日移動平均線、その下に価格ラインという下向きのパーフェクトオーダーが完成したこともこれを支援。目先の下値目標水準は3530円台辺りまで、当面の抵抗水準は3640円台。
月間ベースでは+42円(1.18%)の小幅反発。
※参考:
金プラチナ国内価格2/29とチャート
2016年02月29日(月)時点の相場
国内金:4,782 円 2/29(月)
▼24(
0.50%)
国内プラチナ:3,589 円 2/29(月)
▼23(
0.64%)
NY金:1,220.4 ドル 2/26(金)
▼18.4(
1.49%)
NYプラチナ:915.1 ドル 2/26(金)
▼11.9(
1.28%)
ドル円:113.98 円 2/26(金)
▲0.98(
0.87%)
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