住宅市場好調の陰でリッチモンド連銀製造業景気指数は急減速
更新日:2016年05月25日(水)
5月のリッチモンド連銀製造業指数は市場予想の8.0を大きく下回る-1.0へと急減速。4月の14.0から急降下で3カ月ぶりのマイナス圏となり、3-4月の高水準が一時的だったのか、5月の急落が一時的なのかは次月以降の動向で見極める必要も。6カ月移動平均では3カ月連続上昇で1年3カ月ぶりの高水準。
内訳では、出荷、受注残が3カ月ぶりのマイナス圏へと落ち込み、新規受注、週間労働時間も含めて直近3カ月で最低水準、稼働率は7カ月ぶりの水準、雇用者数も6カ月ぶりの水準へと後退。また、6カ月後の見通しでは新規受注が2014年2月以来2年3カ月ぶりの低水準となる20ポイントへと低下、雇用者数は2013年4月以来3年1カ月ぶりの低水準となる2ポイントとなっており、今年後半にかけての見通しも芳しくない状況。
これで5月の製造業に関する指標は、NY連銀、
フィラデルフィア連銀、
マークイットPMIに続き、急減速を示す結果が続出。
その一方で、同時刻に米商務省が発表した4月新築住宅販売件数は前月比+16.6%の61.9万件となり、市場予想52.3万件を上回り2008年1月以降8年ぶりの高水準に。3月分も51.1万件から53.1万件へ上方修正。先週発表された
中古住宅販売件数とともに住宅市場の好調ぶりを示した形。その割合こそ小さいものの、先行指標となる新築住宅販売の好調により、今後の住宅市場の見通しの明るさも示す形となり、第2四半期以降の米景気回復の勢いを象徴する指標結果に。
住宅市場の強さが製造業の弱さをカバーする形で米国の景気を下支え、雇用のさらなる改善と物価上昇への動向が当面の焦点となる状況は続きます。
24日のNY金相場は1.78%の大幅安となり、半年ぶりの5日続落で4月14日以来1カ月半ぶりの水準へ。前日までの小幅続落が底堅過ぎたことを示すように東京市場からNY市場までコンスタントに売りが継続、米4月の新築住宅販売件数急増などの売り材料もあったものの、この日の下げへの影響は小。これまでの下げ渋り状態を買い支えてきたSPDRゴールド・シェアの金ETF残高も1カ月ぶりの小幅減となり、868.66トンヘ。6月利上げの可能性に向けての織り込みが進行した形でFedウォッチの6月利上げ確率も30%から37.5%へと上昇。1260ドルを割れた時点で想定された
下値目標水準1230ドル前後にようやく到達。多少の行き過ぎも想定され、水準的には今年の上昇幅に対する38.2%戻しライン1206.5ドル前後が次の下値警戒レベルに。
NYプラチナ相場は0.88%の続落。金の下げ幅拡大に連れて1010-20ドルの小幅保ち合いを下抜けたことで下値トライの流れ再加速の兆し。今朝時点で既に1000ドルの大台付近の攻防状態となり、金が下げ止まった場合でも990ドル台までの下落は見込まれそうな状況。行き過ぎの展開となった場合にはN計算値から970ドル付近まで水準を切り下げる可能性も。水準的には今年の上げ幅の38.2%戻しライン985ドル付近も適度な調整目安に。
ドル円は0.7%の反発で再び110円付近へ。109円付近では底堅く、下値目安108円台後半トライを諦める形で欧州市場からの原油高・株高の流れに同調してドル高円安へと反転。改めて109円台前半から110円台前半の保ち合いレンジ形成の様相となり、上抜けなら4月後半高値111円台後半が意識され、下抜けなら108円台前半以下の水準が再度意識される展開へ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場5/24終値とチャート
25日の国内金価格は1.1%の大幅安で5カ月ぶりの5日続落、4月19日以来5週間ぶりの安値水準に。節目水準4700円を大きく割り込み、下落余地をもう少し残す状況。当面の目安としては4月安値水準4610円台辺りまで。
プラチナ価格は0.31%の小幅続落。NY市場の下げ基調加速に対して円安サポート力の弱さから国内価格の軟調推移は継続、目先は3780円前後まで若干の下落余地を残す状況。
※参考:
金プラチナ国内価格5/25とチャート
2016年05月25日(水)時点の相場
国内金:4,654 円 5/25(水)
▼52(
1.10%)
国内プラチナ:3,799 円 5/25(水)
▼12(
0.31%)
NY金:1,229.2 ドル 5/24(火)
▼22.3(
1.78%)
NYプラチナ:1,004.2 ドル 5/24(火)
▼8.9(
0.88%)
ドル円:109.99 円 5/24(火)
▲0.76(
0.70%)
5/24(火)のその他主要マーケット指標
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