日米金利差縮小傾向止まるか?8月後半に向けての注目ポイント
更新日:2016年08月15日(月)
日米の金利差(10年債利回りの差)は縮小傾向が続いています。と同時に日米金利差とドル円の連動性も非常に強まってきました。
日米金利差とドル円の90日間の相関係数は0.9192まで上昇し、非常に強い連動性を示す状態となっています。90日間、厳密には4月11日から8月12日までの4カ月間、両者の推移が非常に似通った動きをしているということになります。相関係数は徐々に上昇してきているので、実際には4月以前から徐々に連動性が高まっていたことにはなります。
過去に相関係数が0.9192以上となっていたのは、2013年2月26日から4月8日までの期間。90日遡ると、2012年11月から2013年4月までの半年間は、現在と同様に非常に連動性が強かった時期。3年ぶりに日米金利差とドル円は連動相場の時期を迎えています。
3年前は米10年債利回りは上昇傾向からやや反落した時期、日本10年債利回りは横ばい推移からやや低下した時期。今回はいずれも低下傾向が強まる時期となっています。
7月初旬には日米ともに過去最低水準まで低下して現在は少し反発した状態にあり、金利差は7月初旬に昨年4月以来1年3カ月ぶりの低水準となる1.61%付近まで縮小し、いったん拡大した後、再び1.61%付近まで縮小した状態。
米国の利上げ観測後退に伴い低下傾向が続いてきた米10年債利回りと、日銀のマイナス金利導入以降、下落基調が加速した日本の10年債利回り。いずれも足下では下げ渋りの様子も見られ、今後米国の利上げ観測が少しづつでも高まるようなら、上昇傾向が強まることも予想されます。
そして、日銀の金融政策への不透明感が払拭されれば、日本の債券市場の不安定化による金利の反発も押さえられ、日米金利差も2番底をつけて拡大方向へ、という展開も予想されます。
そうなれば、ドル円相場も下げ止まり、反発局面へと流れが変わりやすくなります。8月後半に、そんな局面が訪れるかどうかが注目されます。
15日の国内金価格は0.6%安となって3営業日続落。失速の兆しが見られ始めるNY金の軟調推移に週末の米指標悪化に伴うドル売り円買いが加わり、90日移動平均線を割れて6月30日(4644)以来、1カ月半ぶりの安値水準に。節目の4680円台を割り込んだことで短期下落トレンド継続の流となり、次の下値目標水準は4650円前後。流れが変わる為の節目は4710円台、一本調子で下落する9日移動平均線を上抜けることができれば4700円台後半、21日移動平均線近辺までの反発も。
プラチナ価格は2.54%の大幅続落。週末のNYプラチナ急落の流れを受けて、耐え続けていた高値保ち合いからの急落。保ち合い状態が長期化していたことにより、下落の勢いも強まり、
下値目安3940円台辺りをオーバーラン。7月26日(3909円)以来3週間ぶりの安値水準に到達し、いったんは下げ止まりやすいところ。
※参考:
金プラチナ国内価格8/15とチャート
2016年08月15日(月)時点の相場
国内金:4,675 円 8/15(月)
▼28(
0.60%)
国内プラチナ:3,912 円 8/15(月)
▼102(
2.54%)
NY金:1,343.2 ドル 8/12(金)
▼6.8(
0.50%)
NYプラチナ:1,129.3 ドル 8/12(金)
▼27.4(
2.37%)
ドル円:101.25 円 8/12(金)
▼0.69(
0.68%)
8/12(金)のその他主要マーケット指標
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