90日移動平均線で反発した金ETF残高とNY金相場
更新日:2016年09月20日(火)
世界最大手SPDRゴールド・シェアの金ETF残高は今月15日時点では932.22トンまで減少し、6月23日(915.9)以来およそ3カ月ぶりの水準となり、今年ピークとなった7月5日の982.72トンからは50.5トン、5.14%の減少となっていました。
この時の金ETF残高の90日移動平均は930.0トン。
そして、翌16日の金ETF残高は942.61トンへと10.39トン、1.11%の増加となり、19日時点でもこれを維持する状況です。
金ETF残高は、今年1月末に660トン台だった90日移動平均線を上抜け、それ以降は90日移動平均線を常に上回る、増加トレンドが続きました。
7月以降はゆるやかに減少傾向となり、今月15日には、ゆるやかながらも上昇を続ける90日移動平均線に支えられて反発した状態となっています。
NY金相場は、終値ベースでは8月2日に今年高値1372.6ドルを記録後、低下傾向が続きます。9月16日時点では1310.2ドルまで低下し、6月23日(1263.1)以来ほぼ3カ月ぶりの安値水準となり、今年高値からは62.4ドル、4.55%の下落となっていました。
この時点でのNY金相場の90日移動平均は1310.7ドル。
そして、翌営業日、19日には1317.8ドルへと反発しました。
NY金相場も、今年1月末に1100ドル台だった90日移動平均線を上抜けると、それ以降は5月末から6月初旬の1週間を除く全ての期間で90日移動平均線を上回る、上昇トレンドが続きました。
8月以降は下落基調が進行し、今月16日には、ゆるやかながらも上昇を続ける90日移動平均線に支えられて反発した状態です。
今年、NY金相場の調整局面でも金ETF残高はそれほど減少せず、逆に買い場となってNY金相場を買い支えるような形で再び増加へ、そして金相場も反発へ、という動きが繰り返されてきました。減少・下落トレンドに移行し始めた夏場以降でもその傾向は見られます。
しかし、中長期的な節目となる90日移動平均線を割り込んでしまうと、そのパターンも崩れ始める可能性も高まることにもなりそうです。
日米の重要イベントを控え、NY金相場とともに、これを下支えする金ETF残高も重要局面を迎えているようです。
19日のNY金相場は3営業日ぶりの反発で0.58%高。祝日の東京時間からロンドン時間にかけてのドル売りに伴い、一時1320ドル台まで反発。NY時間にかけては1310ドル台半ばでの揉み合い、イベント前の様子見状態に終始。上下の値幅9.2ドルは年間平均19.8ドルの半分以下で今年最小レベルの小動き。90日移動平均線(1311.2)にも支えられて反発した形となり、1310ドルラインのサポート力を再確認。イベント後に売り圧力が強まり、1310ドルラインで支えきれない場合には1280ドル付近までの下値トライも。
NYプラチナ相場も0.6%高となり、3営業日ぶりの反発。しかし一時的に1030ドル台前半まで反発した後には1020ドル台前半へと押し込まれ、長めの上ヒゲを残す陽線。8月上旬から続く下落トレンドはそろそろ終盤に差し掛かって来た様子も見受けられるものの、上値の重さも残る状態。今後はイベントドリブンの展開で、下値トライ再開となれば1000ドルの大台付近までは下げやすく、大台ラインで下げ止まれるかどうか。流れを変える為には21-90日移動平均線のある1060ドル台超えの反発が必要。
ドル円は0.35%のドル安円高となってNY終値ベースでは1週間ぶりの102円割れ。敬老の日で東京市場休場で円買い優勢の展開、欧州市場スタートとともに102円を割り込んで101円70銭まで急落、NY市場では一時101円50銭台まで下げて米9月NAHB住宅市場指数の好結果をきっかけに反発へ。102円をはさんでの小幅保ち合い継続もジリジリと上値を切り下げる展開で下値警戒感が徐々に強まる状況となってきた様子。日米ともに現状維持なら100円前後までの急落は必至か。日銀追加緩和とFRBの年末利上げ見通し上昇なら上方ブレイクで上値目安は104円台後半へ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場9/19終値とチャート
3連休明けとなった20日の国内金価格は0.3%の続落。日米重要イベントを前に休日の円高を反映しての小幅安で下落基調継続へ。90日移動平均線の下落基調が目立ち始め、9日移動平均線は角度を強めて21日移動平均線のデッドクロスをうかがう様相に。このままデッドクロスなら金価格を当面の下値目安4570円付近まで押し下げる展開へ。反発への可能性としては、適度な円安ドル高への急反発にNY金の下げ渋り、もしくは円高急進も100円手前で耐えてNY金急騰。その為には、日銀追加緩和で円安主導のドル円上昇、もしくはFOMC現状維持で年内利上げ見通しも強まらずドル安で金急反発、といった展開が必要に。
プラチナ価格は1.12%の大幅続落。イベント前の円高で下落基調が加速、下げ過ぎ状態での
次の警戒水準3600円付近までいきなり到達。典型的な下落トレンドを示す移動平均線のパーフェクトオーダーが鮮明となり、売られ過ぎ状態も進行、通常ならいったん反発への可能性はより高まる状況。さらなる下値トライの場合には1月安値と6月安値を結ぶサポートライン、3500円近辺が意識されることに。上方向には3700円台後半が強めの抵抗水準。
※参考:
金プラチナ国内価格9/20とチャート
2016年09月20日(火)時点の相場
国内金:4,614 円 9/20(火)
▼14(
0.30%)
国内プラチナ:3,606 円 9/20(火)
▼41(
1.12%)
NY金:1,317.8 ドル 9/19(月)
▲7.6(
0.58%)
NYプラチナ:1,023.7 ドル 9/19(月)
▲6.1(
0.60%)
ドル円:101.91 円 9/19(月)
▼0.36(
0.35%)
9/19(月)のその他主要マーケット指標
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