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トランプにらみのイエレンはタカに転身!?も3月利上げはなし
更新日:2017年02月15日(水)
CMEフェドウォッチ 利上げ織り込み度 2017年2月14日イエレンFRB議長は議会証言で、「金融緩和の解除まで時間をかけ過ぎるのは賢明ではない」と早期利上げを想定した発言。年内利上げ回数や時期についての明言は当然避けたものの「毎回の会合がライブ」と3月利上げも否定しないタカ派発言。
トランプ大統領の金融規制改革法(ドッド・フランク法)の見直しに懸念を抱き、財政政策による過熱を警戒し、経済政策変更などが景気見通しに影響を及ぼす不透明感もあるなかでも、バランスシート縮小についての協議も今後数カ月のうちに始めることも明言しました。

一方のトランプ大統領としては、財政出動による高圧経済を志向しているものと思われ、予算審議を通過して具体化するまでは金融政策の変更も望まないのではないかとも推測されます。
タルーロ理事が辞任を表明したことでFRB理事の空席が3名となり、新任理事3名をトランプ大統領が指名し、2018年1月末で任期切れとなるイエレン議長を再任しないことは既に表明しており、やはり2018年に任期切れとなるフィッシャー副議長の再任もしない可能性もあり、FRBをトランプ色に染まったメンバーへと一新するのでは?との警戒感も高まるなかで、イエレン議長はハトからタカへと転身した可能性もありそうです。

CMEフェドウォッチ 利上げ予想の変化 2017年2月14日市場予想としては、3月の利上げは12月のFOMC直後の25.3%から年初の19.4%、そして昨日のイエレン発言後でも13.3%へと低下中。3月利上げは全く想定されていない状況です。
6月に今年1回目の追加利上げ、との想定は70%を維持し、堅いところ。12月に2回め以上の利上げを想定する割合は現時点で74.2%とほぼ確実視。年内に3回以上の利上げを想定する割合は12月FOMC直後の51%からは低下し、40%にも満たない状況です。

なお、バランスシート縮小に向けた議論が市場でも盛り上がり始めると、2013年5月にテーパリングを示唆したバーナンキショックのようなリスク回避局面が警戒されることにもなりそうです。年2回の追加利上げが確実視されるなかでも金価格が底堅く推移している理由の一つとなっています。

NY金・日足チャート 2017/1/13 - 2/1414日のNY金相場はわずかに0.4ドル、0.03%安で4日続落。13日の安値1220ドルからの反発の流れはマイケル・フリン米大統領補佐官辞任報道なども材料にNY市場14日朝まで続き、1230ドル台半ばを回復。その後、3月利上げも否定しない、タカ派寄りとなったイエレンFRB議長の議会証言を受けて1222ドルまで急落。しかし、不確実性も高まるトランプ政権への懸念やアトランタ連銀ロックハート総裁の「3月利上げを支持する強い理由は見当たらない」発言などもあり、一時1230ドル台前半まで反発。上昇トレンドの勢いはほぼ枯渇状態も、調整局面拡大から下落トレンドへと向う様子も今のところは感じられない状況。強弱材料乱立状態にもあり、多少の乱高下をはさみながら、しばらくはトレンドレス気味の推移継続か。当面の抵抗水準1240ドルを突破した場合には1260ドル付近まで上値を伸ばす展開も。

NYプラチナ・日足チャート 2017/1/13 - 2/14NYプラチナ相場は0.19%の小幅高となり、3日ぶりの反発。流れは軟調方向へと傾斜しつつある状況のなか、3日連続で安値では1000ドル割れ、高値では1010ドル台と1000ドルの大台ラインをはさんでの乱高下状態で耐える展開。耐え切れず大台割れなら980ドル付近までは下げやすく、いったんはサポート水準にも。耐えて反発の場合でも1020ドル台を超えて高値更新へと向うには時間か大きな材料が必要。上下の節目を突破するとそれぞれ30-40ドル程度の大幅変動も。

ドル円・日足チャート 2017/1/16 - 2/14ドル円は0.46%のドル高円安で続伸。東京市場ではフリン辞任に東芝ショックによる日本株安の影響を受けての軟調推移、それでも113円20銭台では底堅く、NY市場でのイエレン発言を機に114円台半ばまで急騰。1月27日(115.08)以来、半月ぶりのドル高円安水準を回復し、年初の高値118円60銭台から2月7日安値111円50銭台までの38.2%戻し(114.27)の水準にちょうど到達。戻り局面のピークにもなりやすい水準で戻り売りに押されるようなら、安値トライ再開へ。現状水準以上を維持できれば次の上値目安は半値戻し(115.10)、61.8%(115.93)辺りまでがターゲットに。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/14終値とチャート

15日の国内金価格は0.65%の反発で前日下落分をカバー、7月25日(4829)以来、6カ月半ぶりの高値水準。短期的な上値目安到達と、近年の主要レンジ上限となる重要水準4800円到達に伴う失速の兆しから、上値トライ再開へと加速し始めた可能性。当面の目標は昨年後半高値、7月20日の4856円超え。ただし4790円を割れると21日移動平均線の4730円台辺りまでの調整も。

プラチナ価格も0.64%の反発。パワー不足の状態での高値保ち合いから力尽きての急反落の流れがスタートしたかに思われたところをイエレン発言に救われた形。しかし、パワー不足は変わらず、下値警戒感のほうが勝る状態。3880円を割れると年初の水準3760円台辺りまでの大幅下落も想定される。形成逆転で高値更新へと上昇するような展開となれば、流れも好転方向となる可能性もあり、昨年7月の高値圏4040円近辺が次の上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格2/15とチャート

2017年02月15日(水)時点の相場
国内金:4,821 円 2/15(水) ▲31(0.65%)
国内プラチナ:3,910 円 2/15(水) ▲25(0.64%)
NY金:1,225.4 ドル 2/14(火) ▼0.4(0.03%)
NYプラチナ:1,002.2 ドル 2/14(火) ▲1.9(0.19%)
ドル円:114.26 円 2/14(火) ▲0.53(0.46%)
→2/14(火)のその他主要マーケット指標

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