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★金プラチナ短期相場観★

賃金上昇率伸び悩みで強まらないインフレ圧力
更新日:2017年04月20日(木)
賃金上昇トラッカーと平均時給 2017年3月アトランタ連銀が今週発表した3月の賃金上昇トラッカーは前年比+3.4%となり、1月と2月の3.2%からは小幅に上昇。7年11カ月ぶり高水準となった昨年10月と11月の3.9%から年明けにかけて急低下した状態からは、わずかな反発にとどまっています。
雇用統計・平均時給の上昇率が足下では前年比+2.7%前後で揉み合い状態となり、これを牽引する形で上昇してきた賃金上昇トラッカー(個人時給の中央値前年比の3カ月移動平均)も3.5%をはさんでの揉み合いの様相となってきました。

今朝のベージュブックで指摘されたとおり「賃金は緩やかに上昇」傾向を維持してはいますが、やや失速気味。賃金上昇トラッカーは4%手前、平均時給は3%手前、賃金上昇率は回復目安となる水準を前に伸び悩む状況となっています。

賃金インフレの伸び悩みにより、物価のインフレ圧力も強まらない状況となっています。
コアCPI・PPI・PCE 2017年3月FRBのインフレ目標基準となる個人消費支出物価指数(PCE)は、2月に前年比+2%を超えましたが、コアPCEは1.8%での足踏み状態が続いています。
類似の物価指標である、消費者物価指数(CPI)は12月に2%を超え、コアCPIは2015年11月に2%に到達し、以降2%超の水準を維持してきましたが、3月には2.0%ちょうどまで低下してきました。
同じく生産者物価指数(PPI)では、2月に前年比+2%を超え、3月には2.3%へと上昇していますが、コアPPIは3月時点でも+1.6%。コアPCEを下回る水準での推移が続いています。

CPIがPCEに先行して上昇し、PPIが下から押し上げる構図の物価指数も、やはりベージュブックどおり「価格はゆるやかに上昇」してはいますが、かなり「ゆるやか」で、CPIは失速の兆しも見られる状況です。
3月のコアPCEもそれほど上昇は見込めず、目標水準2%到達は4月以降の動向を見極めることになりそうです。

そして、4月の物価インフレ動向に影響を及ぼすのが4月雇用統計の平均時給。ベージュブックでも指摘された「多くの企業は労働力確保に苦心」するなかでも、なかなか加速しない賃金上昇率に、再加速の兆しが見られるかどうかがポイントになりそうです。

NY金・日足チャート 2017/3/15 - 4/1919日のNY金相場は6日ぶりの反落で0.83%安。1300ドルの大台到達にこそ至らなかったものの、1300ドル近辺の目標水準にほぼ到達したことによる調整局面入り。金利反発、ドル高傾向もこれを後押しし、一時1270ドル半ばまで下落。NY市場では米ガソリン在庫の9週間ぶり増を受けてNY原油が3%超の急落となり、米株の下落とともに流れが反転、金も1280ドル台へと値を戻した状態。目先はもう一段の調整も意識されつつ高値保ち合い傾向に。調整拡大の場合の目安としては昨年12月安値から4月高値までの23.6%戻し(1256.5)、4月初旬までの保ち合い上限と200日移動平均線の1260ドル近辺まで。

NYプラチナ・日足チャート 2017/3/15 - 4/19NYプラチナ相場は0.85%の続落で1週間ぶりの水準となる970ドル近辺。4月上旬までの保ち合い上限へと下落、1000ドルの大台トライへの流れは完全に巻き戻されてしまった状態に。目先は990ドルを上限とした保ち合いへ、現状水準を下限として維持できなければ以前の保ち合い下限、940ドルも意識される状況に。ゆるやかに上昇し始める90日移動平均線(968.7)に支えられて990ドル台へと反発できれば1000ドルの大台再トライの流れ再開へ。

ドル円・日足チャート 2017/3/16 - 4/19ドル円は0.41%のドル高円安で反発。30日間の相関係数では過去5年程度で最大となっている米10年債利回り上昇に連れての反発。ただし、地政学リスクなどへの警戒感一服を背景とした円高一服、という状態で、再びリスク警戒感が高まれば再度円高圧力が高まることに。52週移動平均線(108.28)に支えられて200日移動平均線(108.79)をわずかに超えた状態となり、108円台後半での揉み合い形成の様相に。109円台へとしっかり上昇できれば110円台前半も視野に、107円台までの円高警戒感も継続。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/19終値とチャート

20日の国内金価格は0.37%の反落。NY金の大幅調整に伴い、9日移動平均線を割り込み、ゆるやかな上昇基調を支えてきたパーフェクトオーダーも崩れ、失速懸念も強まる状況に。既に失速傾向にある21日移動平均線も下抜け、4770円台を割り込むようだと短期トレンド巻き戻しの展開となり、1月末の保ち合い水準4700円前後も意識される。4830円超へと反発できれば今年高値圏再トライの展開も。

プラチナ価格は0.27%の続落。90日までの移動平均線と価格ラインが上から降順に並ぶ逆パーフェクトオーダーを形成する軟調状態に。ただし、下落圧力が強まる状況でもなく、3600円台から3690円までの広めのレンジ内での保ち合い推移。上限突破なら3700円台後半、下限割れなら3500円台前半へと大きく動き出す可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格4/20とチャート

2017年04月20日(木)時点の相場
国内金:4,800 円 4/20(木) ▼18(0.37%)
国内プラチナ:3,635 円 4/20(木) ▼10(0.27%)
NY金:1,283.4 ドル 4/19(水) ▼10.7(0.83%)
NYプラチナ:970.3 ドル 4/19(水) ▼8.3(0.85%)
ドル円:108.86 円 4/19(水) ▲0.44(0.41%)
→4/19(水)のその他主要マーケット指標

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