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米中貿易摩擦リスクは後退、米PPI上振れでインフレ加速の兆し
更新日:2018年04月11日(水)
生産者物価指数(PPI)2018年3月米労働省が発表した3月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比+3.0%。市場予想の+2.9%、2月の+2.8%も上回り、3カ月連続の上昇で11月(+3.0%)と並び、2012年1月(+3.1%)以来5年10カ月ぶりの高水準。
食品とエネルギーを除いたコア指数(コアPPI)は前年同月比+2.7%となり、これも市場予想の+2.6%、2月の+2.5%を上回って2カ月連続上昇。2011年11月以来の高水準に。
また、食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア指数(コアPPI2)では前年同月比+2.9%。2月の+2.7%から0.2%の上昇で3カ月連続上昇。2014年8月以降のデータでは最高水準を更新。

PPI全般が予想を上回る加速基調を示したことで、消費者物価指数(CPI)でもインフレ加速の兆しを示す可能性が高まる状況となってきました。
ただし、CPIの結果を確認するまでは、との思惑もありこの日の市場反応は極めて限定的に。

折しもこの日は習近平中国国家主席の大人の対応で米中貿易摩擦懸念が大きく後退。
習近平主席は証券や保険、自動車などへの外資の過半出資を容認する市場解放の方針を示し、自動車の関税引き下げなどにも言及。関税引き上げで自国第一主義を突き進むトランプ米大統領とは逆の政策で「貿易黒字を追求しない」方針も示しました。
「開放は進歩をもたらし、閉鎖は立ち遅れを招く」とのトランプ批判も織り交ぜながらも、米中摩擦緩和に向けて前向きな姿勢を見せ、金融市場のリスク緩和にも一役買った形です。

今年ここまで最大のリスク要因が緩和の兆しとなったことで、リスク回避の巻き戻しとなって400ドル超の大幅高となったこの日のNYダウ、今後はインフレ加速懸念がリスク要因となってまたも逆方向へと、荒い値動きが続くことにもなりそうです。

NY金・日足チャート 2018/3/6 - 4/1010日のNY金相場は0.43%高となって3日続伸。時間外、東京時間には習近平中国国家主席の自動車輸入関税引き下げ発言を受けて1340ドル台から1330ドル半ばへと下落。欧州時間にはノボトニー・オーストリア中銀総裁の「ECBは今年資産購入を終了するだろう」などタカ派発言を受けてユーロが急騰、ドル安の流れが強まったことでNY市場にかけては1340ドル半ばへと上昇。4月2日(1346.9)以来の高値水準となり、今朝の時間外でもこの水準を維持。米中貿易摩擦懸念が大きく後退してもシリアを巡る地政学リスクへの警戒感もあって高止まりの状態。1320ドル台から1350ドルのレンジ上限トライは続き、抜け出せば高値更新トライも、この日の米3月PPI上振れでインフレ加速の兆しもあり、CPIでも同様ならいったん頭打ちの可能性も。

NYプラチナ・日足チャート 2018/3/6 - 4/10NYプラチナ相場は0.67%安となって3日ぶりの反落。前日の大幅高の反動安、時間外には940ドルを何度もトライして超えられず、NY市場にかけては金の上昇にも追随出来ず、米中貿易摩擦懸念後退でも一時930ドル割れへと反落。3月以降きれいに上値を押さえられ続ける20日移動平均線(942.3)に今回も跳ね返された形に。ただし流れは好転し始め、今朝の時間外でも930ドル半ばへと反発の兆しも。20日線を上抜けできれば960ドル台まで一段高の展開にも。

ドル円・日足チャート 2018/3/7 - 4/10ドル円は0.43%のドル高円安となって3日ぶりの反発。東京市場では習近平発言を受けてのリスク緩和で日経平均急騰とともに円安の流れで107円20銭台まで上昇。しかし、その後はユーロ買いが強まったこともあり、ドル安円安の流れでドル円の動意は低下。3月PPI上振れにも反応は限定的となり、米株急騰を受けての上昇局面でも107円40銭近辺まで。結果的に上方向への節目107円半ばの水準を超えられず、しかし下値は着実に切り上げる形となって下値サポートは106円台後半。米3月CPIでもインフレ加速の兆しが確認できれば107円半ばを上抜けて次の目標水準108円台半ばを目指す展開にも。ネガティブサプライズとなって106円台後半の節目を割れた場合には105円台半ばまでが下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/10終値とチャート

11日の国内金価格は0.69%の続伸。ドル安金高、ドル安よりも円安となったことでゆるやかな上昇トレンドは一時的に加速。年初来下落幅の38.2%戻し(4920)を超えたことで勢いも強まり、2月7日以来2カ月ぶりに90日移動平均線(4947)も上抜け。短期的には50%戻し(4960)近辺まで若干の上昇余地も。

プラチナ価格は0.17%の小幅高で4日続伸。3月29日(3452)以来2週間ぶりの水準を回復し、反発基調加速に向けた節目水準に到達。NYプラチナの反発基調に翳りも見られるものの、底堅く推移できればインフレ加速を背景にドル高円安が進行し、為替に下支えされる可能性も。3450円台を超えるともう一段の反発局面進行で年初来下落幅の38.2%戻し(3551)近辺を目指す展開へ。
※参考:金プラチナ国内価格4/11とチャート

2018年04月11日(水)時点の相場
国内金:4,948 円 4/11(水) ▲34(0.69%)
国内プラチナ:3,447 円 4/11(水) ▲6(0.17%)
NY金:1,345.9 ドル 4/10(火) ▲5.8(0.43%)
NYプラチナ:933.1 ドル 4/10(火) ▼6.3(0.67%)
ドル円:107.19 円 4/10(火) ▲0.46(0.43%)
→4/10(火)のその他主要マーケット指標

←米3月CPIは1年ぶり高水準もシリア情勢緊迫化で金と原油が急騰 04/12(木)
→貿易問題に悲観と楽観、2018年はボラティリティ急拡大の米株主導 04/10(火)
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