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米3月PCE、シンメトリックなインフレ目標2%に到達
更新日:2018年05月01日(火)
個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)2018年3月米商務省が発表した3月の個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は前年比+2.0%。下方修正された2月の+1.7%から急上昇し、13カ月ぶりに2%到達。食品とエネルギーを除くコアPCEも前年比+1.9%となり、2月の+1.6%から加速して13カ月ぶりの高水準。
いずれも3月FOMCでの2018年末予想中央値1.9%を早くもクリアし、FRBの「symmetric inflation goal(シンメトリック(対称的)なインフレ目標)」にほぼ到達した形です。

内訳では商品価格が2月の+0.1%から3月は+0.3%へと上昇し、サービス価格は2月の+2.5%から3月は+2.8%へと加速。携帯電話サービス価格値下げの影響が剥落したことによる上昇となり、インフレ低迷は一時的要因によるものでいずれ2%近辺へと上昇する、としたイエレン前FRB議長の推測どおりの結果となりつつあります。

CMEのフェドウォッチでは年内あと3回以上の利上げ予想は5割弱でそれほど高まってはいませんが、今後コアPCEも2%到達となれば、徐々に年内合計4回の利上げ観測が強まることも予想されそうです。

ただし2%に到達したからといって即、利上げペースが加速するとは限らず、シンメトリックな状態で2%前後の水準を安定的に推移することが本来の目標でもあり、多少の2%超を許容して緩和的な、スローペースの利上げが今後まだしばらくは続くものと思われます。

NY金・日足チャート 2018/3/26 - 4/3030日のNY金相場は0.32%の反落。米3月のPCEインフレ2%の目標到達に対してEU基準のドイツ消費者物価指数(HICP)が4月速報値で予想を下回る1.4%に低迷したことが象徴するようにドル高ユーロ安の流れが続き、NY金も軟調な展開となってNY朝には3月21日(1309.5)以来6週間ぶり安値となる1310ドルまで下落。朝鮮半島情勢や米中貿易問題についてはリスク緩和方向への動きも進行中ながら、中東ではイランの核疑惑などへの警戒感も。今年何度も下値を支えられてきた1310ドル前後の水準に今回もサポートされた形となって反発も、短期的な流れは依然下方向優勢の状況にあり、1310ドルを維持できなくなれば1300ドル前後までは下値を切り下げる可能性。反発方向へは引き続き1330ドル台が抵抗水準に。
月間ベースでは-8.1ドル(0.61%)の小幅反落。

NYプラチナ・日足チャート 2018/3/26 - 4/30NYプラチナ相場は1.31%の大幅反落。金とともに軟調推移となった時間外に節目の910ドルを割り込むとNY市場での反発も限定的となり、4カ月半ぶりの安値水準に。心理的節目となる900ドルの大台ラインにいったんは支えられた格好ながら、目先の下落余地としては890ドル前後まで。切り返すと920ドルが反発方向への節目となり、超えることができれば940ドル近辺までの反発余地拡大も。
月間ベースでは-28.2ドル(3.02%)となって3カ月続落。

ドル円・日足チャート 2018/3/27 - 4/30ドル円は0.21%のドル高円安となって3日ぶりの小反発。東京市場休場の朝、ドル売り円買いでも109円を割れなかったことで反発基調となり、欧州・NY市場にかけてはドル買い円売り。米3月PCEデフレーターの2%到達は市場予想どおりでサプライズとはならなかったものの、これを好感する形で109円40銭台まで上昇。しかし、4日連続で109円半ばを突破できず、戻り売り圧力も強まると109円00銭台まで急反落。下値は109円ラインでしっかりサポートされ、上値は109円50銭が超えられない状態が続き、3月後半から1カ月以上続いた反発基調も失速状態に。ISM製造業景況指数やFOMCをきっかけに109円台後半へと抜け出すことができればドル高の流れ再開で110円台半ばまでが次に上値目安に。4月に低調となった各地区連銀の製造業景況指数も目に付き、ISM製造業景況指数が予想以上に低調な結果となれば109円割れへと調整局面入りの展開にも。
月間では3.0円の大幅高となり、4カ月ぶりの反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/30終値とチャート

1日の国内金価格は0.06%の小幅安となって3日続落。4月13日の4945円、23日の4946円にほぼ並び、水平状態の90日移動平均線と揉み合う形で下げ渋る状態に。NY金の下落基調がもう一段進行するか、もしくは上値を押さえられ続けるドル円の調整も想定され、どちらかの下げ幅が拡大するようなら保ち合い下放れとなって大幅安の展開にも。下値トライとなれば目標水準は最大で4850円台辺りまで。反発方向へは4990円が当面の抵抗水準。

プラチナ価格も0.12%の小幅安で3日続落。4月9日(3402)以来の安値水準で下げ渋る状態となり、NYプラチナの下落余地もそれほど大きくはならない可能性もあり、保ち合い下抜けに伴う今回の下落幅も限定的にとどまる可能性も。ただし想定外の展開でドル円の大幅調整などをきっかけに今年安値3370円を下回るようだと下落基調加速となり、最大では3300円を割り込むような下げ幅となる可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格5/1とチャート

2018年05月01日(火)時点の相場
国内金:4,948 円 5/1(火) ▼3(0.06%)
国内プラチナ:3,410 円 5/1(火) ▼4(0.12%)
NY金:1,319.2 ドル 4/30(月) ▼4.2(0.32%)
NYプラチナ:904.4 ドル 4/30(月) ▼12.0(1.31%)
ドル円:109.28 円 4/30(月) ▲0.23(0.21%)
→4/30(月)のその他主要マーケット指標

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