ドイツ製造業PMI、1月速報で遂に節目の50割れ
更新日:2019年01月25日(金)
ドイツ製造業PMIは2019年に入っても減速基調はとまらず、遂に好不況の節目50割れ。1月速報値は49.9となり、12月の51.5からは急低下、6カ月続落となって2014年11月(49.5)以来、4年2カ月ぶりの低水準。
フランスが2年3カ月ぶりに節目割れとなった12月の49.7から1月には51.2へと反発したことで、ユーロ圏は51.4から50.5(これも4年2カ月ぶり低水準)までの低下にとどまって節目割れを回避。逆にドイツの急低下が際立つ形になりました。
なお、米国の製造業PMIは12月の53.8から1月は54.9へと上昇し、日本は52.6から50.0へと節目割れ寸前。中国が12月時点で49.7へと節目割れとなったこともあり、米国一強状態がより鮮明となってきました。
ドイツでは、業界全体のビジネス状況が、ごくわずかながら悪化したことを示します。製造業の生産指数は50.2となり、節目割れ回避も5年9カ月ぶり低水準。
12月からの急低下には生産高と新規受注の減少傾向だけでなく、サプライチェーン圧力の大幅減速を反映しているようです。
なお、入力価格のインフレ率は1年5カ月ぶり低水準となり、コスト圧力もさらに緩和。
ドイツとしてはサービス業PMIの反発もあり、総合PMIでは5年半ぶり低水準となった12月からはわずかに上昇。ただし、製造業の低迷がサービス業に波及する可能性が高いとの見方もあるようです。
ドイツ製造業PMIの低迷により、ユーロ圏としての総合PMIも1月速報値では50.7となって5年半ぶりの低水準。
この日、ドラギECB総裁はユーロ圏の経済成長リスクが下向きに移行していることに言及し、「リスクが長期化した場合、勢いは長期にわたり弱まる」と警戒感を示しました。ただ、「リセッションに陥る可能性は非常に低い」とし、「ドイツの自動車セクターは持ち直している」との指摘も。さらに「中国の減速は長く続かないだろう」との楽観見通しも示しています。
しかし、年央にかけてV字回復でもしない限り、ECBの秋以降の利上げ見通しは先送り濃厚となりそうな状況です。
24日のNY金相場は-4.2ドル、0.33%安となって3日ぶりの反落。欧州時間にはドル高の流れで軟調推移、ドイツとユーロ圏PMIが低調となってユーロ安ドル高進行とともに1280ドルの節目割れ。ECB理事会後にはドラギ総裁の弱気発言を受けて約1カ月ぶり安値となる1275ドルまで下落。しかし、ロス米商務長官の「米中貿易問題は解決に程遠い」発言を受けてドル売りユーロ買いへと流れが逆転、金も1280ドル台前半へと買い戻し。その一方でクドロー米NEC委員長は「トランプ米大統領は中国との貿易協議に楽観」発言を受けて流れは再逆転、金も再び1280ドル割れ。NY引け後には1280ドルをはさんでの小動きに。高値保ち合い下限のサポートがほぼ外された状態ともなり、さらなる調整局面進行の可能性は高まり、昨年8月安値から年初の高値までの38.2%戻しとなる1250ドル近辺までが当面の下値目安に。
NYプラチナ相場は+8.6ドル、1.08%の大幅続伸。NY市場での金の反発局面に追随する形で800ドル台を回復すると一時800ドル台後半まで一段高。ただし20日移動平均線(807.5)に上値を押さえられる形に。これを上抜けて直近高値810ドル台も超えることができれば反発基調が強まる可能性もあり、830ドル台までが次の上値目標にも。790ドルのサポートを割り込んだ場合には昨年最安値近辺となる760ドル近辺までを試すような流れとなる可能性も。
ドル円は前日からほぼ変わらず109円60銭台でわずかに小幅続伸。欧州時間にはユーロドルの軟調推移によるドル高の流れで109円80銭近辺まで堅調推移も、NY時間にかけてはドラギECB総裁発言やロス米商務長官、クドロー米NEC委員長発言などに振り回されての乱高下状態。米中協議や政府機関閉鎖解消への動向など不透明感も続き、米株の反発基調一服とともにドル円の方向感も喪失気味。主要テーマは次週FOMCでのパウエルFRB議長会見待ちの様相にも。ハト派色優勢の状況でもあり、これを警戒して109円方向に動き出せば108円台前半までが下値目安にも。逆の見方が強まるようなら110円台後半までが上値目安にも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場1/24終値とチャート
25日の国内金価格は-1円、0.02%の小幅安で3日ぶりの反落。NY金の下振れ警戒感が若干高まる状況となり、保ち合い推移の国内価格にもやや下押し圧力も。ドル高円安の流れである程度相殺されることになれば4790円台の下値サポートラインは維持できる可能性も。そうならなければ大幅下落の展開で4700円割れも視野に。その一方でFOMCを控えてドル安の流れが強まる可能性もあり、上値トライへと向かえば4900円が目標水準にも。
週間ベースでは-19円(0.39%)で反落。
プラチナ価格は+34円、1.13%の大幅続伸。これまで
短期トレンドの転換点となってきた21日移動平均線(3040)に到達。ここを完全に上抜けることができれば抵抗線からサポートラインへと切り替わる可能性も高まり、上昇トレンド形成へ。そうなれば、まずは3130円台辺りまでが上値目標に。
週間ベースでは-7円(0.23%)で続落。
※参考:
金プラチナ国内価格1/25とチャート
2019年01月25日(金)時点の相場
国内金:4,836 円 1/25(金)
▼1(
0.02%)
国内プラチナ:3,040 円 1/25(金)
▲34(
1.13%)
NY金:1,279.8 ドル 1/24(木)
▼4.2(
0.33%)
NYプラチナ:805.0 ドル 1/24(木)
▲8.6(
1.08%)
ドル円:109.63 円 1/24(木)
▲0.03(
0.03%)
1/24(木)のその他主要マーケット指標
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