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ドル高修正が今後も金価格をサポート?
更新日:2019年07月27日(土)
実質実効為替レートとNY金 2019年6月26日に発表された米4-6月期GDP速報値が市場予想ほど減速しなかったことも好感されてドル高の流れが強まり、ドルインデックスは5月末以来2カ月ぶり高水準となるなど、このところドル高の勢いが強まりつつあります。
利下げ観測が強まりドル安となった6月の流れが反転し、7月にはいると各国中銀での利下げも相次ぎ、今週はECBも利下げを示唆。月末のFOMCでは0.25%利下げが確実視されるなかでも、相対的にドルが押し上げられる状態が続きます。

国際決済銀行(BIS:Bank for International Settlements)が発表する実質実効為替レート(インフレ調整済み)では、米ドルは6月平均で117.22(2010年平均を100とした指数)。ユーロ(94.68)や日本円(77.67)と比較するとその差は歴然、米ドルの10年平均(105.33)と比較しても11.3%の割高状態となっています。
ユーロの10年平均乖離率は-1.6%と小幅割安、日本円の10年平均乖離率は-7.9%と大幅割安状態です。

IMFが先週公表した年次報告書によれば、米ドルは短期ファンダメンタルズに基づいて6-12%過大評価されていると指摘されていました。なお、ユーロや日本円、人民元についてはファンダメンタルズ的には妥当な水準との見解も。

また、米財務省が5月末に公表した為替報告書では、日本円は実質実効ベースで過去5年にわたって歴史的安値圏で推移している、と指摘していました。

時折「強いドルを」誇る発言をするトランプ米大統領は、事あるごとに中国の為替操作を非難し、ドル高を誘発するFRBの利上げを非難し続け、最近では利下げをしないことへのトーンを強め、先月にはドラギECB総裁の追加利下げ示唆発言に対して「不当な通貨安誘導」と横やりを入れる始末。
過去には「強いドルは米国に不利」と、あからさまな口先介入によるドル安誘導に出ることもありました。

客観的なデータからは、多少のドル高修正が入ってもおかしくない状況ながら、現実には他通貨との相対的な関係などから簡単にそうはならない状況に、トランプ大統領の苛立ちも募る状況かもしれません。

月末のイベントを経て今後の見通し動向なども踏まえ、ドル高修正が入るか、もしくは口先介入などにより、足下では上昇一服の金価格もサポートされる状態が続く可能性もありそうです。

NY金・日足チャート 2019/6/21 - 7/2626日のNY金相場は+4.6ドル、0.33%の反発。米4-6月期GDP速報値は前期比年率+1.8%予想に対して+2.1%となり、市場予想ほど減速しなかったことで米10年債利回りが上昇し、ドル高の流れが強まったことで1420ドル付近まで反発していたNY金は1410ドル台前半まで急落の反応。しかしFOMC前でもあり、1410ドル台前半で横ばい推移が続く20日移動平均線(1413.7)にもサポートされて買い戻し、一時1420ドル台半ばまで反発する場面も。小幅に乱高下の展開も値動きは限定的となり、1400ドル台から1430ドルまでの高値保ち合いレンジ中程で方向感を模索する状態で次週へ。
週間ベースでは-7.4ドル、0.52%安で3週ぶりの反落。

NYプラチナ・日足チャート 2019/6/21 - 7/26NYプラチナは-6.2ドル、0.71%の続落。11連騰後の急反落の流れを受けて870ドル台から860ドル台へと水準を切り下げる展開に。しかし、下げ幅も値動きも限定的にとどまり、860ドル台では下げ渋る動きにも。5月安値から7月高値までの23.6%戻し(866.1)の水準は、過去の抵抗水準やサポート水準にもなってきた水準でもあり、この近辺から38.2%戻し(851.5)辺りまでを下限として保ち合い形成となる可能性も。
週間では+15.7ドル、1.84%高となって3週続伸。

ドル円・日足チャート 2019/6/24 - 7/26ドル円は108円60銭台でほぼ横ばい推移。米GDP速報値上振れを好感して買われた場面では108円80銭台まで上昇。109円ちょうどまで上昇した7月10日高値以来、半月ぶりの高値水準がこの日の高値となり、下値も108円50銭台までと限定的。変動値幅は27銭、今年の平均55銭程度のちょうど半分。流れとしては上昇トレンドがスタートしている可能性もあり、最初の抵抗水準109円ちょうど付近も意識されて足踏み状態に。ハト派色が強まり過ぎない状態でFOMCを通過することになれば、109円を上抜けて一段高へと向かう流れが加速する可能性もあり、ダブルボトムからの上昇で見込まれる上値最大水準は111円台前半まで。ハト派色が強まるか、109円を超えられない状態が長期するようなら流れは巻き戻されて円高リスク再燃にも。
週間では+0.96円、0.89%高となって3週ぶりの反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/26終値とチャート

2019年07月27日(土)時点の相場
国内金:5,291 円 7/26(金) ▼7(0.13%)
国内プラチナ:3,243 円 7/26(金) ▼18(0.55%)
NY金:1,419.3 ドル 7/26(金) ▲4.6(0.33%)
NYプラチナ:867.8 ドル 7/26(金) ▼6.2(0.71%)
ドル円:108.67 円 7/26(金) ▲0.02(0.02%)
→7/26(金)のその他主要マーケット指標

←金価格5000円超は31営業日連続、近年最長タイ 07/29(月)
→ドイツIFO景況感期待指数は10年ぶり低水準、も景気後退リスク小 07/26(金)
→ドイツ製造業PMIは再び急低下、7月速報は7年ぶり低水準 07/25(木)
→急低下のリッチモンド連銀製造業指数とリセッションとの関係 07/24(水)

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