IFOドイツ企業景況感の期待指数も10年ぶり低水準
更新日:2019年09月25日(水)
IFOが発表した9月のドイツ企業景況感指数は94.6となって6年9カ月ぶり低水準となった8月の94.3からは0.3ポイントの反発。前月比で上昇するのは半年ぶり。現況指数が4年9カ月ぶり低水準となった8月の97.4から9月は98.5へと1.1ポイントの上昇となったことが景況感指数を押し上げました。
これに対して期待指数は6カ月連続の低下で90.8となり、8月の91.3からは0.5ポイントの低下。2009年6月以来、10年3カ月ぶりの低水準となっています。
景況感指数が反発したことに対して、IFOは「流れが変わったわけではなく、減速が一服しただけ」と見ており、ドイツ経済は第2四半期に続いて第3四半期もマイナス成長となってリセッション入りとなる可能性が高いとの見方も示しています。
セクター別では、製造業が-6.4となって2009年12月(-7.9)以来、9年9カ月ぶり低水準。貿易は-3.7で2013年7月(-3.7)以来、6年2カ月ぶり低水準となり、全体の足を引っ張る状態が続きます。これ以外では、小売りも7カ月ぶり低水準となる2.2と、低水準での推移が続き、卸売は8.5となって2015年2月(8.2)以来4年7カ月ぶり低水準へと急低下。
サービス業は9年3カ月ぶり低水準となった8月の13.0から9月は16.6へと反発し、建設業の小幅反発とともに総合指数の反発に貢献しました。
なお、サービス業では半年先の見通しも改善したのに対し、貿易では今後数カ月でさらなる事業の悪化を予想しているようです。
前日のドイツ製造業PMIの9月速報値が41.4で10年3カ月ぶり低水準となったのに続き、9月のドイツ企業景況感の製造業も10年弱ぶりの低水準、期待指数も10年3カ月ぶり低水準となりましたが、世界金融危機の時期以来の低水準となったのはこれだけではありません。
この日発表された米9月のリッチモンド連銀製造業指数の期待指数も15.0となり、2009年2月(5.0)以来、10年7カ月ぶりの低水準となっています。
今後の見通しレベルが10年ぶり低水準へと落ち込み、先行き不透明感が深まる状態はドイツから、米国の一部にも波及し始めている可能性もありそうです。
24日のNY金相場は+8.7ドル、0.57%高となって3日続伸。短期上値目標1530ドル台到達に伴う一服感から時間外には1520ドル台後半へと値を下げて小康状態、NY朝には米7月住宅価格指数が前月比+0.4%と市場予想を上回る好結果となったこともあり、一時1520ドル台前半へと下押し。しかし、その後発表された米9月消費者信頼感指数が133.0の予想に対して125.1と大幅下振れ、9月リッチモンド連銀製造業指数も+1.0予想に対して-9.0と大幅に下振れたことで切り返し。さらにトランプ大統領が国連総会での演説で中国の通商慣行を批判するなどしてあらためて米中協議進展期待が後退。また、ペロシ米下院議長がウクライナ疑惑を巡ってトランプ大統領の弾劾調査開始を発表したことなども影響し、リスク回避の流れでNY午後にかけては1540ドルへと急騰。20日移動平均線(1523.9)で下値を支えられて9月4日(1560.4)以来、20日ぶり高値水準での一段高となり、短期的な流れも好転へ。ただし、今年高値圏再トライに向けては若干の調整も必要か。
NYプラチナは+1.5ドル、0.16%の小幅高で4日続伸。確率的には低めながらも980ドル台の今年高値再トライへと向かう可能性もある状態となり、上昇基調が続く20日移動平均線(941.9)にもしっかりサポートされる形でわずかながらも水準を切り上げ。しかし、時間外に前日高値と同水準、964ドルまで上昇したのがこの日の高値となって上値を押さえられ、欧州・NY時間は950ドル台での保ち合い推移、NY朝には一時950ドル割れる場面も。960ドル台には上ヒゲが並び、強めの抵抗水準となっていることを示し、小幅保ち合い上限をわずかに超えた水準で十字線に近い足型を残して反落への可能性も示唆。960ドル台の攻防が目先のポイントに。
ドル円は40銭強のドル安円高となって4日続落。前日高値107円70銭台がこの日も高値となり、107円半ばまでの小幅レンジでの揉み合い状態でNY市場へ。米経済の牽引役となっているはずの個人消費に不安がよぎる、消費者信頼感指数の大幅下振れをきっかけに株安と米10年債利回り低下とともにドル安円高の流れが進行。トランプ大統領の対中国批判発言や自身の弾劾リスク浮上なども重なり、乱高下もはさみながら一時107円割れへ、今朝の東京時間にかけては107円10銭台で落ち着き始めた状態にも。9月6日(106.92)以来、20日ぶりのドル安円高水準となり、サポート候補の20日移動平均線(107.24)も下抜けており、短期的な流れも円高優勢地合いに。次のサポート候補としては夏場の安値保ち合い上限、106円台半ば。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場9/24終値とチャート
25日の国内金価格は+15円、0.27%高で3日続伸。9月5日以来、20日ぶり2度めの近年最高値5665円。予想外のリスク回避事象と消費者信頼感指数の下振れなどが重なり、やや強引に押し上げられたような形にも。短期的には5700円の大台を試しに行く可能性も予想外に高まりつつある状況にも。ただし、リスク回避事象は解消、緩和方向へ向かえば大きく巻き戻され、消費者信頼感指数も比較的ブレが大きい指標でもあることも急反落警戒感にも。
プラチナ価格は-35円、0.99%安で3日ぶりの反落。今年高値再トライに向けた流れはリスク回避の円高で腰折れ。中期的には比較的重要な節目となりうる3500円超を維持した状態で下げ止まれば、再度上値トライのチャンスをうかがう展開にも。直近高値となった前日の3540円台を上抜けできればあらためて今年高値更新トライへ。下方向には3430円台が短期的には重要なサポート水準。これを割り込んだ場合には中長期的に重要な節目水準3400円を大きく割り込む可能性も高まる展開にも。
※参考:
金プラチナ国内価格9/25とチャート
2019年09月25日(水)時点の相場
国内金:5,665 円 9/25(水)
▲15(
0.27%)
国内プラチナ:3,509 円 9/25(水)
▼35(
0.99%)
NY金:1,540.2 ドル 9/24(火)
▲8.7(
0.57%)
NYプラチナ:955.4 ドル 9/24(火)
▲1.5(
0.16%)
ドル円:107.10 円 9/24(火)
▼0.41(
0.38%)
9/24(火)のその他主要マーケット指標
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