米FRBは2週間で2度めの緊急利下げ、ゼロ金利と量的緩和再開も
更新日:2020年03月16日(月)
米FRBは15日(日本時間16日早朝)、17-18日開催予定だったFOMCを前倒し開催、FF金利誘導目標を1.00%引き下げて0.00-0.25%とすることを決定。緊急利下げによって4年5ヵ月ぶりにゼロ金利に戻すとともに、債券保有を少なくとも7000億ドル増やす方針と、量的緩和再開も発表。
米FRBは日銀とECB、英中銀(BOE)、カナダ中銀(BOC)、スイス中銀(SNB)の6中銀で米ドル流動性スワップを0.25%引き下げ、流動性供給を拡充することを目的とした協調行動を行うことも発表。
なお、このタイミングでノルウェー中銀やニュージーランド中銀なども追随する形で緊急利下げを発表。日銀も19日の金融政策会合を本日前倒し開催することを発表。
コロナショックによる景気下振れ対策として、各国中銀が金融政策でできることはなんでもやる、という姿勢を見せた格好にもなっています。
今週も、慌ただしい週明け。
東京市場朝、為替は先週末の1ドル=108円近辺から1円超下げて107円割れでの窓開けスタート。一時106円も割れて105円70銭台まで下げて107円台へと反発と、乱高下。ダウ先物がまたも1000ドル安スタートとなって日経平均もプラス圏スタートからマイナス圏へ、利下げが好感されていない様子。
金融政策は出し尽くしにもかかわらず・・・
時間外のNY金は先週末の1520ドル台から1540ドル台へと窓開けスタート後、一時1570ドル台まで急騰して反落、1520ドル台へと窓埋め。国内金価格も先週末の急落で年末年始に開けた窓を埋める形となって、20世紀初の5800円台を推移中。
20週移動平均+6%乖離ラインを大きく超えて急反落となった国内金価格は20週移動平均線(5871)を少し下回る水準。これまでの上昇トレンドをサポートしてきたラインでもあり、この近辺で下げ止まることができれば中期上昇トレンド継続へも。もう一段の調整局面継続なら、2018年夏以降の上昇幅の38.2%戻し(5636)近辺がサポート候補にも。さらに調整が進むようなら20週移動平均-6%乖離ライン(5519)から52週移動平均線(5489)、5500円近辺が意識されることにも。
16日の国内金価格は-21円、0.36%安で3日続落。今年安値を更新し、12月27日(5790)以来、2ヵ月半ぶりの安値水準。市場の混乱状態は続き、国内金価格も乱高下状態に。NY金の大幅調整局面も、今朝時点ではいったん下げ止まった状態も、緊急利下げを好感しての一時的な反発にとどまる可能性も。ただしドル安円高も一方的に進行する様子でもなさそう。昨年5月安値(4821)から今年高値(6397)までの38.2%戻し(5795)から、昨年高値(5790)辺りが下値サポート候補にも。上方向には23.6%戻し(6025)から6000円の大台ライン辺りが抵抗水準となる可能性も。
国内プラチナ価格は1月高値3900円台から2ヵ月たたないうちに1000円超の急降下。今年高値から先週末の2846円までの下落率は27.4%。ダウの過去最高値から12日終値までの下落率28.3%に迫る暴落状態となり、昨年夏以降の上昇トレンドを終えて全値戻しとさらに一段安。20週移動平均+8%乖離ラインを超えると反落しやすいプラチナ価格は今回も急反落。しかし、これまでサポートされやすかった20週移動平均-8%乖離ラインでの下げ止まりに失敗。この水準を突き抜けてさらに大きく下落し、中期トレンドの方向性を示す複数のラインを下方向に、強引に捻じ曲げるような展開に。近年最安値圏となっていた3000円前後の水準を早期回復できれば、一時的な行き過ぎ、と見なすことも可能だが・・・。
16日のプラチナ価格は+17円、0.6%高で3日ぶりの反発。時間外のNYプラチナは先週末の760ドル台から、上は770ドル台、下は740ドル台へと乱高下スタート後に760ドル付近に収束中。国内価格は11年ぶり安値からの反発も限定的、2度めの緊急利下げでも米株安の流れが続いていることもプラチナの重石に。まずは2018年安値2911円超えが目先の上値目標となり、下方向に安値更新となれば2800円前後が目先の下値目安に。
※参考:
金プラチナ国内価格3/16とチャート
2020年03月16日(月)時点の相場
国内金:5,816 円 3/16(月)
▼21(
0.36%)
国内プラチナ:2,863 円 3/16(月)
▲17(
0.60%)
NY金:1,516.7 ドル 3/13(金)
▼73.6(
4.63%)
NYプラチナ:743.9 ドル 3/13(金)
▼37.9(
4.85%)
ドル円:107.93 円 3/13(金)
▲3.10(
2.96%)
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