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2020年後半パンデミック収束なら2021年5.8%成長へV字回復?
更新日:2020年04月15日(水)
IMF世界経済見通し 2020年4月IMF(国際通貨基金)が発表した世界経済見通しによれば、今年の世界経済のGDP成長率見通しは-3.0%。前回1月予想の+3.3%からは-6.3%の大幅下方修正。
IMFは「世界経済が今年、10年前の世界金融危機のときを超える、大恐慌以来最悪の景気後退を経験する可能性はきわめて高い。現在の危機は大恐慌ならぬ「大封鎖」の様相を呈しており、世界経済はこの危機の結果、劇的なマイナス成長に陥ることが予測される。」としています。
1930年前後の世界大恐慌以来、ということで、正に100年に一度の大恐慌が、これから始まろうとしていることになります。

国別では、日本の-5.2%予想を米欧見通しが大きく下回ります。米国は前回見通しから-7.9%引き下げて2020年は-5.9%の予想。
欧州では一段と悪化が見込まれ、ユーロ圏では-7.5%。前回予想からは-8.8%もの下方修正。ドイツは-7.0%予想にとどまりましたが、フランスが-7.2%、イタリアは-9.1%、スペインも-8.0%など、ユーロ圏主要国の大幅な落ち込み見通しは、最新の感染者数動向をそのまま反映したような見通しにもなっています。
なお、英国も-6.5%でしっかりユーロ圏諸国に追随する見通しとなっているいっぽうで、中国は+1.2%、インドは+1.9%といずれもプラス圏維持の見通し。

ちょうどこの日発表された中国の貿易統計では、3月の輸出が前年比-6.6%、輸入は-0.9%となり、1-2月の輸出-17.2%、輸入-4.0%からいずれも減少幅を縮小し、回復の兆しを示す結果となったことにも同調しているようです。
輸入の減少幅が控えめとなっているのは内需改善効果もあるようですが、欧米での需要回復が進まない限りは輸出の回復もなかなか進まないことも予想され、中国の貿易も一朝一夕に回復基調が進行するとも限りません。

2021年については、世界全体で+5.8%へとV字回復見通しとなっていますが、これには2020年後半にパンデミックが収束することが前提となっており、このシナリオによれば2020年のうちに全世界でロックダウンが解除されて、経済活動が再開し、2021年には経済活動が正常化しているとの見立て。
米国や欧州の一部では、ロックダウン一部解除や経済活動再開に向けた協議や検討の動きも見られ始めてはいますが、いったんは制限解除、業務一部再開などが進行し始めたとしても、再び感染拡大や新興国での感染拡大などの影響を受けることも想定されます。ロックダウンが長引けば、経営波乱、倒産も増加することになり、経済活動正常化に向けた道のりは、長く険しいものになることも予想されます。

コロナ動向次第の2021年V字回復見通しは、現時点では、限りなくグレーな状態です。

NY金・日足チャート 2020/3/10 - 4/1414日のNY金相場は+7.5ドル、0.43%高となって4日続伸。2012年10月11日(1770.6)以来、7年半ぶり高値圏での一段高。NY午前に一時急騰した場面では1788.8ドルまで上昇。この水準は2012年以降での最高値となった2012年10月5日(1798.1)以来、7年6ヵ月半ぶり、2012年以降では2番めの高値。東京・欧州時間にかけて米10年債利回りの低下とドル安ユーロ高の流れが続いたことにもサポートされ、安全資産買いの勢いもとまらず。しかし、高値更新後は達成感もあり、NY午後にかけては株高の流れにも押される形で急反落。NY引け後には一時1750ドル割れ。3月安値1450.9ドルからの上昇幅の23.6%戻し(1709.1)から1700ドルの大台ライン近辺までがの調整は入りやすく、最初のサポート候補にも。

NYプラチナ・日足チャート 2020/3/10 - 4/14NYプラチナは+69.9ドル、9.32%の大幅高で3日続伸。3月24日(+74.2ドル、11.82%)以来、3週間ぶりで今年2番めの急騰。水準としては3月11日(868.2)以来、1ヵ月ぶりの高値水準を回復し、今年高安の半値戻し(804.4)も達成。この日、VIXの指数が37.76となって3月4日以来の40割れとなり、NYダウは3月10日以来、ナスダックは3月6日以来の高値水準を回復など、3月後半の株価急落前の水準を戻していた流れに大きく出遅れていたプラチナも猛追となった格好。急落前の近年最安値圏となっていた800ドル前後の水準をようやく回復した状態となり、目先はこの水準を維持できるかどうかがポイントにも。

ドル円・日足チャート 2020/3/11 - 4/14ドル円は-50銭強、0.49%のドル安円高となって4日続落。4月1日(107.14)以来、2週間ぶり安値圏での一段安。東京時間には107円台半ばでの揉み合いとなって下げ渋る状態から、欧州時間に入ると米10年債利回りの低下とドル安の流れが強まり、NY時間には一時107円割れ。IMF世界経済見通しの大幅引き下げや、それに伴う原油安の流れでNY原油が一時20ドル割れとなった流れとともに軟調推移。今朝の東京市場でも再び107円割れへと下値トライの様相に。円高方向への節目水準での攻防となり、このまま107円割れへと水準を切り下げることになれば、下値トライの流れへ。3月9日につけた今年安値101円20銭台から3月24日高値111円70銭台までの61.8%戻し(105.22)近辺までが下値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/14終値とチャート

15日の国内金価格は-14円、0.22%安で5日ぶりの反落。40年ぶり過去最高値更新に伴う達成感からの一服で小反落。過熱感は高くはないものの、逆にRSIのピーク水準は年初から順次切り下がる失速状態を示す状況にも。9日移動平均(6304)や3月安値からの上げ幅の23.6%戻し(6270)などが目先のサポート候補にも。予想外に切り返して高値再更新となるようなら6500円の大台超えが次の上値目標に。

プラチナ価格は+71円、2.48%の大幅高で4日続伸。3月12日(3172)以来、1ヵ月ぶりの高値水準。短期上値目標2920円近辺をクリアしての一段高で2018年安値2911円超え。ただし、3月の急落途中の水準にとどまり、今年高値(3921)から安値(2422)までの38.2%戻し(2995)にも届かず、急落前の近年最安値圏3000円前後にも距離を残す状態。38.2%戻しから大台ラインまでが早期回復したい上値目標にも。
※参考:金プラチナ国内価格4/15とチャート

2020年04月15日(水)時点の相場
国内金:6,448 円 4/15(水) ▼14(0.22%)
国内プラチナ:2,936 円 4/15(水) ▲71(2.48%)
NY金:1,768.9 ドル 4/14(火) ▲7.5(0.43%)
NYプラチナ:819.7 ドル 4/14(火) ▲69.9(9.32%)
ドル円:107.18 円 4/14(火) ▼0.53(0.49%)
→4/14(火)のその他主要マーケット指標

←米3-4月経済指標も突然、急激に縮小 04/16(木)
→賃金上昇率は下降基調へ、ゼロ賃金の割合は上昇基調へ 04/14(火)
→国内プラチナ価格2008年大底と2020年大底(の可能性) 04/13(月)
→4週間で今年安値と高値を更新、NY金の上げ幅は300ドル超 04/11(土)

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