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ロックダウン真っ只中の4月、ユーロ圏PMIは「崩壊」状態
更新日:2020年04月24日(金)
ユーロ圏サービス業PMI 2020年4月速報IHSマークイットが発表したユーロ圏総合PMIは4月速報値で13.5。市場予想の25.0の半分程にとどまり、3月の29.7からも急落。見たことのない水準に足を踏み入れ、1998年7月の調査開始以降では2カ月連続の過去最低。
世界金融危機の時の最低値は2009年2月の36.2。この時の3分の1強。NY原油先物価格のマイナス圏に近い、衝撃的な数値となりました。

ユーロ圏内ほぼ全ての国でロックダウン真っ只中となった4月は広範囲に渡る事業閉鎖と市民の厳しい行動規制により、サービス業では宿泊、レストラン、旅行、観光など幅広い分野で活動が極端に急減。この結果、ユーロ圏のサービス業PMIは4月速報値で11.7。これも市場予想の22.8のほぼ半分、3月の26.4からも一段と低下。やはり1998年7月の調査開始以降では2カ月連続の過去最低。
製造業PMIの4月速報値は33.6。市場予想の38.0を下回り、3月の44.5からも一段と低下し、11年2カ月ぶりの低水準。工場閉鎖などの影響で生産量が記録的な減少となり、製造業の生産指数は3月の38.5から4月速報では18.4へと急落。雇用も過去最悪の急減に。

ユーロ圏の前に、最初に発表されたフランスの総合PMIは11.2で2ヵ月連続過去最低、製造業PMIは31.5で過去最低、サービス業PMIは10.4で2ヵ月連続過去最低。1桁も目前という目を疑う数値には、さすがにユーロ売り、ドル高・円高のリスク回避の反応となりました。
ドイツの総合PMIも17.1となって過去最低。製造業PMIは34.4で11年1ヵ月ぶり低水準、サービス業PMIは15.9で2ヵ月連続過去最低。

昨年9月にドイツの製造業PMIが41.7まで低下した時点で、リセッション入りも避けられそうにない状況となり、大変な事態に、と騒いでいた時期が懐かしくさえ思えるような、全く異なる指標を見ているかのような錯覚にも。
ユーロ圏のPMIはサービス業を中心に「崩壊」状態に陥りました。あとは回復を待つのみ、のはずですが。

なお、米国の総合PMIも4月速報値では27.4で過去最低、サービス業が27.0で過去最低、製造業PMIは36.9で11年1カ月ぶり低水準。
水準的にはユーロ圏には及びませんが、「崩壊」目前状態まで悪化してきました。

NY金・日足チャート 2020/3/19 - 4/2323日のNY金相場は+7.1ドル、0.41%の続伸。前日高値で短期上値目標1740ドル台が抵抗水準となる形で上値を押さえられた時間外、欧州時間にはフランスの4月サービス業PMI速報値が10.4と想定を遥かに超える悪化を示す結果となったことをきっかけにリスク回避の流れへ。1750ドルをはさんでの揉み合いとなったNY市場では米失業保険申請件数も高止まり、米4月サービス業PMIも過去最低となって一時1760ドル超え。1週間ぶり高値を試した後は急失速となって1740ドル付近まで20ドル超の下落。しかし、引けにかけてはトランプ大統領がゲームチェンジャーと呼んでいた治療薬レムデシビルの失敗報道が伝わり株価急落、NY金は1750ドル付近まで小幅に戻して通常取引終了。結果的に上ヒゲを残して直近上値目標水準1740ドル台で落ち着いた状態となり、多少の調整余地も。1710-20ドル近辺までが目先のサポート候補に、短中期的に重要な下値サポートは1680ドル台。これを割り込んだ場合には1650ドルまでが下値目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2020/3/19 - 4/23NYプラチナは+22.7ドル、2.97%の大幅続伸。上昇率では今年7番めの急騰となり、今年5番目の急落となった21日(-37.6ドル、4.72%)の下げ幅の大半をなんとか取り戻した状態に。金に連れ高となって790ドルを回復したNY市場では一時810ドル台まで吹け上がる場面も。しかし800ドルの大台を維持することはできず、NY引けにかけては790ドル付近での揉み合い状態に。目先、節目の800ドルをしっかり超えることができればあらためて830ドル付近まで上値を伸ばすような展開にも。下方向には20日移動平均線(755.9)も上昇してきた750ドル台が比較的強めのサポートにも。これを割れると流れが変わり、720ドル近辺までが下値目安に。

ドル円・日足チャート 2020/3/20 - 4/23ドル円は20銭程のドル安円高で続落。107円80銭近辺での膠着状態から、欧州朝にはフランスから始まってドイツ、ユーロ圏と続いた4月サービス業PMI速報値の見たこともないレベルの数値にリスク回避の流れへ。ドル高ユーロ安が進行し、ドル円では円高ドル安となってNY朝にかけて107円30銭台まで下落。しかし、日銀の国債無制限購入にCPや社債の購入限度額倍増などの追加緩和観測から円安が急速に進行、108円まで70銭の急騰で反応。ただし、その後発表された米4月サービス業PMI・総合PMIも過去最低となって今度はドル売り急進、107円40銭まで急反落。結果的に107円台前半では底堅く、108円の壁は破れず、107円台後半での保ち合い継続の状態に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/23終値とチャート

24日の国内金価格は+46円、0.71%高となって4日続伸。2日連続での過去最高値更新となり、史上初の6500円台。調整濃厚との見方に反して短期上値目標6560円台に向けてジワリ。NY金の調整への可能性がより高まる状態に連れ、国内価格も調整リスクが日々高まる状態に。しかし、想定を大きく超える指標悪化や経済活動の順次再開に向けてのマイナス材料が飛び出す度に安全資産の金とドルが買われやすくなる状況もまだ継続か。調整幅拡大の場合には、3月安値からここまでの23.6%戻し(6311)が重要な節目、これを割れると38.2%戻し(6184)近辺までが意識されるような展開にも。
週間ベースでは+75円、1.16%高で3週続伸。

プラチナ価格は+39円、1.36%の大幅続伸。21日移動平均線(2855)を維持し、反発基調をなんとか維持した状態で下げ渋ったことで反発再開へ。ただし9日移動平均線(2915)超えにはわずかに及ばず。NYプラチナの800ドル超え失敗を反映する形となり、一本調子での反発基調は難しい状況か。2990円超へと直近高値を更新できれば3030円辺りまでが上値目標に、下方向に2860円を割れると2800円までが下値目安にも。
週間では-71円、2.38%安で3週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ国内価格4/24とチャート

2020年04月24日(金)時点の相場
国内金:6,516 円 4/24(金) ▲46(0.71%)
国内プラチナ:2,914 円 4/24(金) ▲39(1.36%)
NY金:1,745.4 ドル 4/23(木) ▲7.1(0.41%)
NYプラチナ:788.0 ドル 4/23(木) ▲22.7(2.97%)
ドル円:107.60 円 4/23(木) ▼0.19(0.18%)
→4/23(木)のその他主要マーケット指標

←最悪のドイツIFO景況感、4月は全業種で過去最大の急落 04/25(土)
→ユーロ圏消費者信頼感指数も4月急落幅で過去最大 04/23(木)
→ZEWドイツ景況感4月は現況急落・期待急騰、いずれも過去最大 04/22(水)
→シカゴ連銀全米活動指数も3月に急落、リセッション入り示唆 04/21(火)

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