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★金プラチナ短期相場観★

世界のプラチナ需給-2020年第1四半期
更新日:2020年05月19日(火)
世界のプラチナ需給・鉱山産出量 2020年第1四半期WPIC(World Platinum Investment Council)が発表したプラチナ需給レポートによれば、2020年第1四半期のプラチナ総需要は51.3トンとなり、前期比-5.3%、前年同期比では-37.8%と大幅減。2015年以降では最低となっていた2019年第4四半期の54.2トンを下回って近年最低水準。
総供給量は55.1トンで前期比-18.8%、前年同期比-5.8%。2015年以降では最低となった2018年第1四半期(54.6トン)以来、2年ぶりで近年2番めの低水準。
この結果、3.9トンの供給過剰。供給過剰は2四半期連続。
2020年の通年見通しとしては、供給が223.9トンで前年比-12.9%、需要は216.2トンで-17.6%。

<供給>
■鉱山産出量:39.9トン 前期比-18.7%、前年比-2.8%、2015年以降で最低。うち南アフリカは27.3トン(前期比-26.1%、前年比+0.6%)で1年ぶり低水準、ロシアは4.7トン(前期比+0.7%、前年比-26.5%)。2カ国合計シェアは80.2%となり、16四半期連続の80%超。
■リサイクル:15.2トン 前期比-11.9%、前年比-10.8%、6四半期ぶり低水準。
・南アフリカの供給減は、新型コロナウイルス感染拡大防止策の一環としての鉱山閉鎖が大きく影響。

世界のプラチナ需給・目的別需要 2020年第1四半期<需要>
■自動車触媒:19.7トン 前期比-9.8%、前年同期比-17.2%、2015年以降で最低。13四半期連続の前年割れ。
■宝飾品:12.5トン 前期比-21.4%、前年比-25.7%。2015年以降で最低。12四半期連続の前年割れ。
■産業用:16.6トン 前期比+19.5%、前年比-2.7%。
■投資:2.5トン 前期比-2.9%、前年比-90%。地金・コイン等の現物投資需要は9.7トンで前期の10倍、前年比+181.4%、2015年以降で最大。ETF関連は-6.6トンで5四半期ぶりの売り越し、2015年第4四半期(-10.7)以来17四半期ぶりの売り越し幅。
・現物投資需要増は、日本と米国の地金とコイン需要急増が主要因、欧州でも需要増。
・自動車触媒需要急減は工場閉鎖が要因。今後の急回復も余り見込まれず、通年でも14%減見通し。ただし、中国での通年需要としては大型車に対する規制強化に伴うプラチナ充填量増加によって、自動車全体の生産台数減を補う可能性も。
★産業用需要の全体シェアは前期の25.7%から32.4%へと急拡大。2015年以降で最大、30%超も初。シェアでは宝飾品の24.3%を大きく上回り、自動車触媒の38.5%に次ぐ2位に浮上。自動車触媒と合わせて70%超となった産業用需要がプラチナの主要用途となっています。
プラチナ価格は今後、金との連動性が益々低下し、景気動向に敏感に反応しやすくなることも想定されそうです。

プラチナ価格とプラチナ消費需要+ETF 2020年第1四半期<価格と消費需要・ETF需要>
宝飾品需要と現物投資需要を合わせたプラチナ消費需要は22.2トン。前期比+32.5%、前年同期比+9.6%の急増、水準としては2017年第4四半期(23.2トン)以来、9四半期ぶりの高水準。
第1四半期には、価格水準が1月には約3年ぶり高水準へと上昇し、3月には16年ぶり安値へと暴落するなど乱高下の展開となったことにより、前半にETFが買われて消費需要は低迷、後半にはETFが売り越しへと急転換、プラチナ消費需要は急拡大。
なお、現時点での第2四半期平均価格は773ドル程度、このまま大きく上昇しなければ近年最低水準へと落ち込むことになり、現物買いのETF売り、のパターンが続くことにもなりそうですが。

NY金・日足チャート 2020/4/14 - 5/1818日のNY金相場は-21.9ドル、1.25%の大幅安で5日ぶりの反落。米バイオテクノロジー会社のモデルナがこの日、開発中のCOVID-19ワクチンの臨床試験で有力な初期徴候を示したと発表。世界的な経済活動再開に向けた追い風となり、早期回復期待が高まってリスク選好の流れが一方的に強まる展開に。上値トライへの流れとなっていた週明け時間外のNY金は1770ドル台半ばまで上昇したところで頭打ち、高値揉み合い状態が東京時間午後から欧州時間まで続いた後、ワクチン報道を受けてNY朝からリスクオンの流れが急進。金利上昇と株高に対して安全資産の米ドルと円、金が一斉に売られ、米10年債利回りは1ヵ月ぶり高水準となる0.72%台へと急騰、NYダウは1カ月半ぶりの大幅高となる900ドル超の急騰、NY金は一時1730ドル割れへと40ドル超の急落。上値目標1790ドルを目指した流れは10ドル余り届かず、急速に巻き戻し。目先は20日移動平均線(1718.3)をサポート候補にいったん落ち着きやすい状態にも。1760ドルが当面の抵抗水準となる可能性、上値再トライでこれを超えると1770ドル台までは水準を切り上げる展開にも。

NYプラチナ・日足チャート 2020/4/14 - 5/18NYプラチナは+52.2ドル、6.39%の大幅高で3日続伸。4月14日(+69.9ドル、9.32%)以来、1ヵ月ぶりで今年3番めの大幅高となり、3月10日(869.4)以来、2ヵ月ぶりの高値水準。週明け時間外に840ドル台へと急騰スタート後、欧州時間からNY朝にかけて860ドル台へと一段高。NY市場での金の急落に引っ張られる形で一時850ドル割れへと反落も、株高の流れに追随し、870ドル台まで急反発、NY引け後にも860ドル付近での推移。短期上値目標850ドル近辺を達成し、やや勢い余って行き過ぎの様相にも。3ヵ月ぶりに90日移動平均線(849.4)を上抜け、3月初旬の保ち合い水準で、今年高値から安値までの61.8%戻し(861.5)も達成し、いったんは落ち着きやすいところ。90日線が目先のサポート候補。

ドル円・日足チャート 2020/4/14 - 5/18ドル円は30銭弱のドル高円安で0.26%の反発。ワクチン開発進展期待に伴うリスクオンの流れでは、円安とドル安の同時進行となってドル円では綱引き状態。東京時間には107円付近で底堅く推移すると、欧州時間からは欧米株の大幅高の流れに連れてドル高円安優勢の展開となって107円50銭台まで上昇。しかしNY朝にはユーロドルの一段高に押されてドル安の流れが強まるとドル円ではドル安円高が優勢に。結果的に107円台前半に保ち合いレンジを縮小する形となって方向感に乏しい状態は継続。107円70銭の節目を超えることができれば108円台半ば辺りまでは上値を伸ばす展開にも。下方向には107円の節目割れなら106円割れ、105円台後半までが下値目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/18終値とチャート

19日の国内金価格は-78円、1.18%の大幅安で8日ぶりの反落。前日急騰分の大半を帳消し、ワクチン開発進展期待を背景にNY金の高値更新トライ失敗に伴い、国内価格も上値目標6650円近辺トライに失敗。9日移動平均線(6448)が21日移動平均線(6432)を上抜けて強気のパーフェクトオーダー完成よりも、価格水準上昇に対して複数のオシレータ系指標のピークが切り下がる逆行現象が示唆する反落のほうが勝った格好に。目先は上値トライ失敗後の一服状態で高値圏での保ち合い状態にも。9日線付近、6450円近辺がサポート候補となり、6600円台の高値再更新となれば、あらためて6650円近辺までが上値目標にも。

プラチナ価格は+46円、1.52%の大幅高で4日続伸。3月12日(3172)以来、2ヵ月ぶり高値圏での一段高となり、短期上値目標3050円台もクリア。NYプラチナの行き過ぎからの巻き戻しも想定されるものの、水準的には2月高値から3月安値までの半値戻し(3151)も意識され、中期トレンド回復に向けては早期回復したい重要ポイントにも。
※参考:金プラチナ国内価格5/19とチャート

2020年05月19日(火)時点の相場
国内金:6,525 円 5/19(火) ▼78(1.18%)
国内プラチナ:3,075 円 5/19(火) ▲46(1.52%)
NY金:1,734.4 ドル 5/18(月) ▼21.9(1.25%)
NYプラチナ:869.3 ドル 5/18(月) ▲52.2(6.39%)
ドル円:107.32 円 5/18(月) ▲0.28(0.26%)
→5/18(月)のその他主要マーケット指標

←米住宅着工件数も4月に過去最大の急減 05/20(水)
→最高値の金価格は上昇チャネル上限、プラチナは下降チャネル下限 05/18(月)
→解雇率も3月に暴騰、小売売上高は4月に暴落 05/16(土)
→失業者数は5月第1週で頭打ち?でも金は三角保ち合い上放れ 05/15(金)

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