1400ドル到達から最高値更新までの金価格推移:2011年×2020年
更新日:2020年07月28日(火)
2020年7月24日、NY金価格は終値で1897.5ドルに達し、2011年8月22日の1891.9ドルを上回り、終値ベースでの過去最高値を更新。週をまたいで7月27日のNY終値は1931.0ドル。高値では1940ドルを超え、2011年9月6日の高値1923.7ドルを上回り、高値でも終値でも過去最高値を更新。
9年前と今回の過去最高値更新とを、1400ドルを超えてからの推移で比較。
1400ドルに到達した日を0日めとすると、2011年の時、1600ドルに到達したのは168日め。今回2020年は165日め。わずかに今回のほうが早く到達しましたが、ほぼ同じペース。
1600ドルから1700ドル到達までの所要日数は、2011年が15日、2020年は37日。今回は9年前の約2.5倍。
1700ドルから1800ドル到達までの所要日数は、2011年の8日に対して2020年は60日。9年前の7.5倍。
1800ドルから最高値更新までの所要日数は、2011年の時はわずか2日。2020年は13日。9年前の6.5倍。
2011年の時、1600ドルを超えてからの推移はバブル的な急上昇となっていました。そしてピークアウト後には乱高下状態となって水準を切り下げていきました。
今回は9年前よりもゆっくりと、比較的安定して水準を切り上げてきたこともあり、もう一段上値を伸ばしそうな状況にもなってきたようにも見えます。
ただし、足下での急騰局面には、危うい雰囲気も漂い始めます。
1900ドルから2000ドル到達までの所要日数が1桁台となるような急上昇の展開にでもなれば、急反落警戒感も急上昇、となりそうです。
27日のNY金相場は+33.5ドル、1.77%高となって7日続伸。2日連続で終値ベースでの過去最高値を更新し、NY早朝には一時1941.9ドルまで上昇。2011年9月6日につけた1923.7ドルを上回り、8年11ヵ月ぶりに過去最高値を更新。7日続伸以上は2月以来、5ヵ月ぶりで今年3度め。ユーロドルも7日続伸で1年10ヵ月ぶり高値となり、ドルインデックスは7日続落で2年ぶり低水準となるなどドル安の流れが一方的に進行。その背景とも言える米国の景気回復に向けた先行き不透明感と米中対立激化への警戒感はそのまま安全資産としての金買い材料にもつながり、金融政策の緩和路線継続と中東の地政学リスクなど複数要因が重なる状況とは言え、ややバブル的に買われ過ぎの状況にも。NY引け後にはさらに一段高、1960ドルを突破して1970ドル台を試す展開となり、急反落への警戒感とともに2000ドルの早期トライへの可能性も交錯する不安定な状態に。
NYプラチナは+10.6ドル、1.11%の反発。先週後半からの高値保ち合い状態が続くなか、金の最高値更新に連れて上値を試す展開にもなり、週末高値960ドル台半ばを早々に上回ると東京午後の時間帯には上値目安980ドル台後半まで上昇。しかしNY朝には一時960ドル割れを試すなど保ち合いの展開を維持したまま若干水準を切り上げたような格好にも。長めの上ヒゲを残して反落警戒感も高まる状況ながら、NY引け後には金の一段高に連れて一時1000ドルの大台手前まで上昇。勢いに乗って大台トライもあり得る状況も、下方向には950ドル半ばのサポートを割れると930ドル近辺までの反落も。
ドル円は80銭のドル安円高、0.76%安で3日続落。3月12日(104.83)以来、4ヵ月半ぶりの安値。週明け東京市場朝からドル安ユーロ高・金高の流れが強まり、106円を割れると東京午後までに105円台半ばまで、一方的に下落。欧州・NY時間にかけては揉み合いながらも一段安の展開で105円10銭台まで下落。FOMCへの警戒感もドル売り材料となった様子で先週末の保ち合い下放れからの円高ドル安の流れが加速。3月安値(101円10銭台)から戻り高値(111円10銭台)までの61.8%戻し(105円20銭)付近で一服となった状態ながら、もう一段下値を試す可能性はあり、76.4%戻しとなる103円60銭近辺までが当面の下値目安。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場7/27終値とチャート
28日の国内金価格は+125円、1.75%高となって5日続伸。4日連続、今月8度めの過去最高値更新。5日続伸以上は7月9日まで以来で今月2度め、今年6度め。5日間で471円上昇し、過熱感はMAXに近い状態で急反落警戒感は高まる一方。にもかかわらず、NY金の2000ドルが意識されそうな状況にもなり、FOMCを終えるまでは落ちつかない状態が続きそうな様相にも。金高・ドル安の流れが続き、相対的な円高傾向により、国内金価格のボラティリティは低下しやすい状況も、NY金の高ボラティリティの前では意味をなさない状況にも。1日で100円超の乱高下にも要警戒。
プラチナ価格は+86円、2.52%高で6日続伸。6日続伸以上は5月以来、2ヵ月ぶりで今年2度め。水準としては2月27日(3538)以来、5ヵ月ぶりの高値。90日移動平均線(2999)もようやく上昇し始め、強気のパーフェクトオーダーで全ての移動平均線が上向き、中期的な地合も改善方向へ。上昇基調を強める9日移動平均線(3238)が当面のサポートにも。
※参考:
金プラチナ国内価格7/28とチャート
2020年07月28日(火)時点の相場
国内金:7,262 円 7/28(火)
▲125(
1.75%)
国内プラチナ:3,501 円 7/28(火)
▲86(
2.52%)
NY金:1,931.0 ドル 7/27(月)
▲33.5(
1.77%)
NYプラチナ:966.6 ドル 7/27(月)
▲10.6(
1.11%)
ドル円:105.33 円 7/27(月)
▼0.81(
0.76%)
7/27(月)のその他主要マーケット指標
逆相関強まるドルインデックスと金、ドルは一段安の兆しも 07/29(水)感染拡大、米中対立、ドル安、金価格高騰も止まらず 07/27(月)ドイツ製造業PMIは1年7ヵ月ぶり50、ユーロ圏PMIも急回復 07/25(土)新規失業保険申請件数4ヵ月ぶりの増加で金価格は最高値トライ 07/24(金)
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