求人件数5年ぶり急増、求人不足はコロナ前の過去最大を下回る
更新日:2020年08月11日(火)
米労働省が発表した月次求人労働異動調査(JOLTS:Job Openings and Labor Turnover Survey)で、6月の求人件数は588.9万件。市場予想の530万件を大幅に上回り、5月の537.1万件からも急増で2ヵ月続伸、3ヵ月ぶりの高水準。前月比では+9.64%となり、2015年7月(+16.72%)以来、約5年ぶりの急増。
ただし、前年同月比では-18.04%となり、減少幅は2ヵ月連続で縮小も、前年割れは8ヵ月連続。
求人件数としては急回復中ながら、2月以前の700万件超とはまだ開きがあり、完全にコロナ前の水準を回復するには、もう少し時間がかかりそうです。
これに対して、失業者数は、最新発表分は7月で1633.8万人。6月分では1775.0万人。6月の求人件数588.9万件との差は-1186.1万。
6月時点での失業者数に対する求人不足数は1186.1万件。
求人不足数としては、4月に1808.2万件となって過去最大を記録。5月には1561.4万件、6月まで求人不足数も急縮小となっています。
コロナ前の時点で、求人不足数が過去最大となったのは、2009年10月の1293万件。失業者数が1535.2万人、求人件数が242.2万件でした。
6月時点で求人不足数は、コロナ前の過去最大は下回ってきたことになります。
求人件数は、求人不足数がコロナ前の過去最大となった時から倍以上に増加していますが、失業者数はコロナ前の過去最大を6月時点でも、7月分でもまだ上回っています。
求人不足の解消に向けては、失業者数の減少ペースが鈍化していることがネックとなり、かなりの時間を要することが予想されます。
10日のNY金相場は+11.7ドル、0.58%の反発。週明け時間外は2040ドル台から2030ドル割れへと戻り売り、となったのも一時的にとどまり、この水準での底堅さを確認すると2040ドルまで戻して小幅揉み合い推移のままNY市場へ。香港では国家安全維持法違反で民主活動家が相次いで逮捕され、中国は米国の議員らに対する報復制裁を表明するなど、米中対立激化が警戒される一方で、米国内では追加景気対策についてムニューシン財務長官が進展の可能性を示唆するなど強弱材料混在で方向感も見出し難い状況にも。それでもNY朝にはドル安の流れにも連れて一時2060ドルまで上昇。しかし押し目買いの勢いも続かず、戻り売りに押されて元の水準へと急反落、NY午後には再び2030ドル割れを試すもこの水準の底堅さを再確認、引け後には2040ドル付近に収束。2030ドル割れの水準が目先のサポートとなる形で2070ドルを上限に高値保ち合いを形成。流れ的には上昇トレンド一服からの調整局面がもう少し続いてもおかしくはない状況、2020ドル台のサポートを割れると2000ドルの大台ライン近辺までの調整拡大も。
NYプラチナは+32.3ドル、3.33%の大幅反発。週末の大陰線での包み線が示唆した流れとはならず、急落後の自律反発の流れが週明け時間外も継続、980ドルから990ドル台へとジリ高推移となってNY市場。金に先行する形でさらに水準を切り上げると、金の急騰にサポートされるように一段高となって1020ドル台後半まで上昇。しかし、金の急反落にも連れて1000ドル付近まで反落。970ドルから1010ドル台までの高値保ち合いの様相となり、1000ドル超の水準ではまだ戻り売り圧力も強いものの、上限突破できれば今年最高値圏1040ドル台を試しに行く展開にも。戻り売り圧力に屈して970ドルの下限も割れるようだと930ドル近辺までの一段安も。
ドル円はわずかに3銭程度のドル高円安、0.03%の小幅続伸。休場となった東京市場の時間帯には売り先行、しかし下値は105円70銭台まで。この水準で下げ渋ると欧州時間にはドル安の巻き戻しとなって106円を回復。短期保ち合い上限となる106円ちょうど付近では揉み合いながらも一時106円20銭近辺まで上昇。しかし106円台では戻り売り圧力が強く、NY朝にかけては一本調子で50銭ほど水準を切り下げ、再び105円70銭台まで下落。今朝の東京市場にかけての反発局面でも106円10銭台まで上昇しながらも、106円割れへと押し戻される展開。105円台後半の小幅レンジでの保ち合いを維持しながらも、短期的な流れは徐々に上値トライの方向にも。しっかりと106円台に水準を切り上げることができれば上値トライの展開となって107円前半までが上値目標に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場8/10終値とチャート
11日の国内金価格は-116円、1.51%の大幅安で4営業日ぶりの反落。金曜日の上げ幅をほぼ全て帳消し、月末月初の過去最高値更新ラッシュを終えてようやく一息、という状態にも。RSIは先週末の89.5から81.6まで低下も、まだまだ過熱状態。NY金が2000ドル付近までの調整となれば7400円前後までの調整も。7月31日の7196円から8月7日の7676円までのほぼ一方的な急騰局面の半値戻し(7436)、61.8%戻し(7379)なども目安に。
プラチナ価格は-10円、0.27%安で6日ぶりの反落。金曜日の下落幅ではNY金を超える急落となったNYプラチナは、月曜日にはNY金を上回る大幅反発となり、結果的に国内プラチナ価格はコロナ前の水準を回復した状態で小動き。短期的な流れとしては伸び切った状態での高止まりとなり、上昇圧力は枯渇気味。むしろ金の調整に連れる展開となれば大幅調整にも。6月25日の3018円から8月7日の3655円までの上昇値幅の23.6%戻し(3505)辺りが調整目安にも。
※参考:
金プラチナ国内価格8/11とチャート
2020年08月11日(火)時点の相場
国内金:7,560 円 8/11(火)
▼116(
1.51%)
国内プラチナ:3,645 円 8/11(火)
▼10(
0.27%)
NY金:2,039.7 ドル 8/10(月)
▲11.7(
0.58%)
NYプラチナ:1,002.7 ドル 8/10(月)
▲32.3(
3.33%)
ドル円:105.96 円 8/10(月)
▲0.03(
0.03%)
8/10(月)のその他主要マーケット指標
実質金利は下げ渋り、行き過ぎた金価格は大幅調整 08/12(水)トランプ・サインどおり雇用指標は大きな数字で金も調整 08/08(土)失業保険申請件数は3週ぶり減少でコロナ後最少も金は最高値更新 08/07(金)トランプ期待の金曜の雇用指標は下振れ懸念、金の高値2070ドル 08/06(木)
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