景況感過去最大の米住宅市場、7月着工件数も許可件数も急増
更新日:2020年08月19日(水)
GDPは過去最大の落ち込みとなり、失業者数は高止まり。雇用回復とインフレ上昇、景気回復に向けては長い道のりが想定されるなか、低金利に支えられて唯一バブル期を迎えた米住宅市場。
今週月曜日に発表された米住宅市場の景況感を示すNAHB住宅指数は8月に78。7月の72を大きく上回り、大底となった4月の30からは4ヵ月続伸となって過去最大タイ。コロナ前の水準を突き抜けて、1998年12月(78)以来、21年8ヵ月ぶりの高水準となりました。
ソフトデータの過去最大に連れて、ハードテータも堅調推移。
米商務省がこの日発表した7月の住宅着工件数は149.6万戸。市場予想の124.5万戸程度を大きく上回り、4月の大底から3ヵ月続伸で5ヵ月ぶりの高水準。前月比では+22.62%となり、2016年10月(+23.23%)以来、3年9ヵ月ぶりの急増。
着工件数の先行指標となる建設許可件数は149.5万戸。これも市場予想の132.6万戸を大きく上回り、大底の4月から3ヵ月続伸。1月(153.6)以来、半年ぶりの高水準。一足先にコロナ前の水準を回復した状態に。なお、許可件数は前月比+18.84%となり、1990年1月(+22.93%)以来、30年半ぶり、今世紀最大の急増。
米住宅市場とともにバブル期を迎えている米株式市場でも、この日はS&P500が過去最高値を更新。コロナ前の水準を回復し、2月以来半年ぶりの最高値更新。相場が20%余り下げてから最高値に到達するまでの日数は今回が最少とか。またナスダックも2日連続の最高値更新となり、米国経済の先の先を見越しての米株高もとまりません。
そして米国経済の現状を直視して、回復見通しと金利見通しなどを配慮して買いの勢いがなかなか衰えない金市場にも、バブルの匂いが漂い始めます。
18日のNY金相場は+14.4ドル、0.72%の続伸。8月10日(2039.7)以来、1週間ぶり高値となって終値でも2000ドル台を回復。短期上値目標2000ドル付近到達後、1990ドル台での一服感は前日NY引け後数時間にとどまり、東京午後の時間帯からは2000ドル超え、ロンドン時間以降は2010ドル超え。米長期金利低下とドル安の流れにサポートされての買い戻しの流れはこの日も続き、NY朝には一時2020ドル超え。週初には米証券取引委員会の開示資料から、かつて金投資を否定していた著名投資家ウォーレン・バフェット氏のバークシャー・ハサウェイが今年4-6月期に大手銀行株を大量に売却、代わりにカナダの産金大手バリック・ゴールドの株式を取得していたことが判明。これが今回の買い戻しにも大きく貢献している模様。その反面、この日のNY市場では米株とともに一時急落する場面もあり、高値圏での不安定さも。また、CFTCの建玉(11日時点)ではユーロドルの買い越し額が2週連続過去最大となっており、ドル安の巻戻しへの警戒感も高まる状況にも。目先は1990ドル前後が下値サポート候補となり、上値の目処としては最高値からの急落幅の76.4%戻し(2038.5)、最高値から反落直後の戻り形成水準8月10日の2039.7ドルなど、2040ドル近辺まで。
NYプラチナは+7.8ドル、0.81%の続伸。金の買い戻し継続に追随、ロンドン時間にかけて960ドル台から980ドル台へと堅調推移、NY市場では一時960ドル割れへと急落する場面もありながら970ドル台まで戻すとNY午後には何事もなかったかのように970ドル台半ばで小康状態に。乱高下の展開ながら、保ち合い上限880ドル台後半では上値を押さえられ、保ち合い下限950ドル台ではしっかり下値を支えられ、右肩上りの20日移動平均線(964.9)にサポートされて日々水準を切り上げる形にも。引き続き上方ブレイクできれば今年最高値トライを目標に一段高の展開へ。下方ブレイクなら8月半ばの安値930ドル前後を下値目安に調整再開へ。
ドル円は60銭程度のドル安円高、0.56%安で3日続落。7月30日(104.79)以来、3週間ぶりの安値。長期金利上昇の巻戻しとドル安の流れは続き、東京朝の106円が高値となって、朝から下値トライの展開。東京午後には105円50銭台、下方向への節目水準に到達。欧州時間には105円40銭台から60銭までの小幅保ち合い、NY時間にかけては保ち合いながらも微妙にに水準を切り下げる展開となり、一時105円30銭割れ。今朝の東京市場は一時105円10銭近辺まで下げる場面も。節目の105円50銭を割り込んできたことで、もう一段の下値トライが進行しやすくなり、下値目安は7月安値104円付近まで。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場8/18終値とチャート
19日の国内金価格は+29円、0.39%の続伸。ドル安基調とともにNY金の戻り基調が続いたことから小幅に上昇。1週間前の12日に下抜けた9日移動平均線を再び上抜けて強気相場状態へ、の可能性。この1週間でゆるやかに下降し始めた9日線が上向き始めるようなら、短期トレンドも好転へ。最高値から12日までの半値戻し(7442)となる7440円近辺を上値目標に反発局面ももう少し続く可能性も。
プラチナ価格は+5円、0.14%の小幅続伸。しかし2日合計の上げ幅は10円にも満たず、ほぼ横ばい状態、17日から3日連続で9日移動平均線(3560)を下回る状態も継続。3490円台から3600円までの保ち合いレンジ下限付近での小康状態となり、底堅く推移とも言える状態か。下限割れなら調整再開となって下値目安は3430円程度まで。
※参考:
金プラチナ国内価格8/19とチャート
2020年08月19日(水)時点の相場
国内金:7,414 円 8/19(水)
▲29(
0.39%)
国内プラチナ:3,523 円 8/19(水)
▲5(
0.14%)
NY金:2,013.1 ドル 8/18(火)
▲14.4(
0.72%)
NYプラチナ:975.4 ドル 8/18(火)
▲7.8(
0.81%)
ドル円:105.42 円 8/18(火)
▼0.59(
0.56%)
8/18(火)のその他主要マーケット指標
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