ユーロ圏総合PMIは続落、回復基調鈍化で9月は50割れ目前
更新日:2020年09月24日(木)
IHSマークイット発表のユーロ圏とドイツ・フランスのPMI-9月速報値は、
総合PMI:ユーロ圏=50.1=2年1ヵ月ぶり高水準となった7月の54.9をピークに続落となって3ヵ月ぶり低水準。
ドイツ=53.7=23ヵ月ぶり高水準となった7月の55.3をピークに小幅続落となって3ヵ月ぶり低水準。
フランス=48.5=2年5ヵ月ぶり高水準となった7月の57.3をピークに大幅続落となって4ヵ月ぶりの50割れ、4ヵ月ぶりの低水準。
製造業PMI:ユーロ圏=53.7=反発で3ヵ月連続50超、2年1ヵ月ぶり高水準。ドイツ=56.6=5ヵ月続伸で3ヵ月連続50超、2年2ヵ月ぶり高水準。フランス=50.9=反発で50台回復、2ヵ月ぶり高水準。
サービス業PMI:ユーロ圏=47.6=22ヵ月ぶり高水準となった7月の54.7をピークに大幅続落で3ヵ月ぶり50割れ、4ヵ月ぶり低水準。ドイツ=49.1=13ヵ月ぶり高水準となった7月の55.6をピークに続落で3ヵ月ぶり50割れ、3ヵ月ぶり低水準。フランス=47.5=2年3ヵ月ぶり高水準となった7月の57.3をピークに大幅続落で4ヵ月ぶり50割れ、4ヵ月ぶり低水準。
第2四半期のロックダウン解除後、7-8月には大幅反発となっていたユーロ圏総合PMIは、第3四半期末にかけて急失速。感染再拡大とソーシャルディスタンス対応などにより、特に消費者向けサービスへの需要が抑制され、製造業の回復ペースをサービス業の収縮が相殺し、経済が停滞したことを示す結果に。
この傾向はドイツとフランスで両極端となり、1日あたりの新規感染者数がフランスでは3万人程度となって4月のピークを上回ってきたのに対し、ドイツでは4月ピーク(7千件)を大幅に下回る2千件程度にとどまっている状況が象徴している様子。
なお、雇用は7ヵ月連続で減少し、失業率は4月の記録的ピークからは緩和された状態も、コロナ前との比較では2013年6月以来の高水準。ドイツとフランスの雇用減は緩和されつつあるものの、その他の国での失業拡大によって相殺された模様。
1年後の見通しを示す期待値は2月以来の高水準となり、製造業・サービス業ともに、独仏以外も含めてユーロ圏全体で改善。来年に向けてCOVID-19による混乱緩和が予想されていることが背景に。
ユーロ圏主要国のなかでは、特にフランスとスペインが楽観見通しに反した感染状況となりつつあります。
23日のNY金相場は-39.2ドル、2.05%の大幅安で3日続落。7月22日(1865.1)以来、2ヵ月ぶりの安値。前日NY引け後間もなく戻り高値をつけて戻り売り、典型的な下落トレンドのパターンはこの日も続き、1910ドル手前から1900ドルの大台をあっさり割れるとロンドン時間には1880ドル台、ロンドン・NY市場の時間帯はこの日もユーロ安主導のドル高の流れとなり、ユーロドルもドルインデックスも2ヵ月ぶり安値水準へ。この流れにも同調する形で一段安となったNY金は下値目安、8月安値1870ドル近辺にも到達。パウエルFRB議長を始め、複数の連銀総裁が追加財政刺激策を催促する発言、これが逆に金融政策の手詰まり感にもつながり、株安・金安の流れを加速させた感も。やや急速に売られ過ぎた流れの勢いでNY引け後には1860ドル割れ。半年ぶりに90日移動平均線(1860.0)との攻防となる状況はNYダウも同様。米株の大幅調整と米ドル独歩高の流れがもう少し続くようだと、金ももう一段の売られ過ぎとなる可能性も。3月安値(1450.9)から最高値(2089.2)までの38.2%戻し(1845.4)から1800ドルの大台付近までがサポート候補に。
NYプラチナは-14.4ドル、1.68%安で3日続落。7月16日(837.0)以来、2ヵ月ぶりの安値。やはり金と同様に時間外で戻り高値をつけて戻り売りの典型パターンが継続。この日は870ドル台前半が上限となり、NY市場で下げ幅拡大、NY午後には840ドル割れ、NY引け後には一時830ドル割れを試す場面も。3月安値(562.0)から8月高値(1035.5)までの半値戻し(798.8)付近、800ドルの大台前後が行き過ぎのサポート候補に。
ドル円は37銭のドル高円安、0.35%高で3日続伸。9月15日(105.41)以来、1週間ぶりの高値水準。東京時間は105円をはさんでの揉み合い、欧州時間には104円90銭の安値をつけて反発へ、NY午後にかけて105円40銭台まで上昇。FRBの「打つ手なし」感と追加経済対策を巡る政治的行き詰まり感から米株の大幅調整となり、リスク回避のドル高の勢いが円高を上回っての堅調推移。日足レベルではV字回復軌道を形成し、短期的な地合い好転に向けては20日移動平均線(105.68)回復が目先のポイントにも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場9/23終値とチャート
24日の国内金価格は-140円、1.99%の大幅安となって5日続落。5日続落は5月以来4ヵ月半ぶりで今年3度め。水準としては7月21日(6845)以来、2ヵ月ぶりの安値となり、3月のコロナショックでつけた今年安値5648円から8月につけた最高値7676円までの38.2%戻し(6901)に到達。NY金の大台(1900ドル)割れによる下値目安到達に伴う国内金価格の下値目安6900円前後にもしっかり到達し、6800円台前半から7200円手前までの真空地帯の大半を素通りしてきたことから一服感も。なお、さらなる下値警戒水準としては、6800円台前半。
プラチナ価格は-128円、3.93%の大幅安で4日続落。7月17日(3131)以来、2ヵ月ぶりの安値。金の一段安に追随する展開で想定された浅めの水準3200円近辺を突き抜け、3月につけた今年安値2422円から8月高値3655円までの38.2%戻し(3184)も達成。夏場の高値保ち合い下放れから、7月半ばまでの保ち合い水準に吸収された格好にもなり、落ち着きやすい水準に。
※参考:
金プラチナ国内価格9/24とチャート
2020年09月24日(木)時点の相場
国内金:6,902 円 9/24(木)
▼140(
1.99%)
国内プラチナ:3,133 円 9/24(木)
▼128(
3.93%)
NY金:1,868.4 ドル 9/23(水)
▼39.2(
2.05%)
NYプラチナ:843.0 ドル 9/23(水)
▼14.4(
1.68%)
ドル円:105.37 円 9/23(水)
▲0.37(
0.35%)
9/23(水)のその他主要マーケット指標
ドイツIFO景況感は5ヵ月続伸、牽引役・期待指数の回復は鈍化 09/25(金)消費センチメントの回復基調に米欧格差 09/23(水)実質金利下げ渋りで金の上値を圧迫、NY金は大幅調整 09/22(火)ミシガン大消費者信頼感は半年ぶり高水準で回復への兆しも 09/19(土)
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