ドイツも感染急拡大、ユーロ圏11月景況感指数は7ヵ月ぶり反落
更新日:2020年11月28日(土)
欧州委員会が発表した11月のユーロ圏景況感指数は87.6。市場予想の86.0は上回ったものの、10月の91.1からは3.5ポイントの急低下。4月の64.9から6ヵ月連続で上昇し、回復基調継続を示した後、7ヵ月ぶりの反落となっています。
業種別では製造業がコロナ後の最高で7ヵ月ぶり高水準となった10月からは0.9ポイントの低下、7ヵ月ぶりの小幅反落。サービス業はコロナ後最高の9月から続落となり、10月からは5.2ポイントの急落で4ヵ月ぶりの低水準。
新型コロナウイルスの感染第2派による各国での制限措置により、サービス業のダメージが大きくなったのはマークイットのPMIなどとも同じ結果に。
ユーロ圏主要国では、
ドイツ:94.2=8ヵ月ぶり高水準となった10月から-2.8、7ヵ月ぶり反落で2ヵ月ぶり低水準。
スペイン:87.5=前月比-2.0、小幅続落で5ヵ月ぶり低水準。
フランス:86.9=前月比-4.8、コロナ後最高となった9月の94.9からは続落で4ヵ月ぶり低水準。
イタリア:81.5=8ヵ月ぶり高水準となった10月から-8.7、6ヵ月ぶり反落で3ヵ月ぶり低水準。
ほとんどの国が3-6ヵ月ぶり程度の低水準へと反落となったなかで、11月に上昇したのは19ヵ国中4ヵ国のみ。
キプロスの+0.2、オランダの+1.0の他は、
アイルランド:10月から5.3ポイントの急反発で90.5=3月(95.2)以来8ヵ月ぶり高水準。
フィンランド:前月比+1.4の続伸で86.6=3月(90.4)以来8ヵ月ぶり高水準
なお、ユーロ圏主要国の新規感染者数では、フランス、スペイン、イタリアがいずれも足下ではピークアウトの兆しとなりつつあるのに対し、これら3ヵ国に追随する形で累積感染者数が10万人を超えたドイツではまだピークが確認できず、逆に1日の死者数が過去最高を記録するなど、警戒感も続きます。今週半ばには部分的ロックダウンを12月20日まで延長することをメルケル首相が発表していました。
ユーロ圏景況感の回復基調再開には、もう少し時間を要しそうです。
27日のNY金相場は-17.4ドル、0.96%の反落。1800ドルの大台と200日移動平均線(1802.34)にサポートされての反発はサンクスギビングでNYが休場となった26日の時間外、1820ドル台前半まで。その後はゆるやかな戻り売り基調となって27日MY朝までに1810ドル付近、NY朝にはダウが3万ドル再トライへと買われたタイミングで金は売られて1800ドルを素通りすると1780ドル割れへと30ドル超の急落。ダウが3万ドルにワンタッチして小幅調整へと向かう流れとともに1776.5ドルの安値をつけた金は戻り基調となってNY午後には1790ドルを回復。ユーロドルが2018年5月以来2年半ぶり高値へと急騰し、ドルインデックスも2年半ぶり安値へとドル安基調が進行し、米10年債利回りも低下した流れのなかでも、リスク資産の株買いと安全資産の金売りの構図が続いた格好。ワクチン期待を背景に金市場から株式市場への資金移動という面もありそうで、世界同時株高の流れをサポート。結果的に3月安値から8月最高値までの半値戻し(1770.1)近辺まで下げて小反発、という状態に。目先は1770ドルの節目で下値がサポートされるかどうか、上方向には1800ドルの大台と200日線回復できるかどうか。NYなどで感染拡大が止まらない米国でも雇用統計などが予想外の好結果となるようだとさらなる売り圧力にも。3月安値から8月最高値までの61.8%戻しは1694.7ドル。
週間ベースでは-84.3ドル、4.5%安で3週続落。9月21日からの週(-95.8ドル、4.88%)以来2ヵ月ぶり、今年4番めの急落。
NYプラチナは-5.0ドル、0.52%安で3日ぶりの反落。金が急落したNY朝には連れ安の展開も960ドル台から950ドルを少し割り込む程度まで、10ドル強の下落にとどめ、反発局面では元の水準を上回って一時25日の時間外でつけた高値974.2ドル付近まで上昇。短期上値目標980ドル近辺に対しては970ドル半ばまでを何度も試して上値を押さえられる状態となり、このまま失速していったん保ち合いへと移行するか、突き抜けて9月高値980ドル台へと水準を切り上げることができるかどうか。
金との価格差は823.3ドル、5月20日(817.6)以来半年ぶりの水準まで縮小。
週間ベースでは+7.6ドル、0.79%の続伸。金との逆行状態が2週続くのは1月末(今回とは逆のパターン)以来、10ヵ月ぶり。
ドル円は17銭ほどのドル安円高、0.16%の続落。東京朝の104円20銭台が高値となり、米10年債利回りが小幅に急低下した流れに追随するように円高急進、104円ラインでは一時的に小反発も午後には103円90銭近辺まで下落。欧州時間には104円をはさんでの揉み合いとなった後、NY朝には株高に連れて円安優勢となって104円20銭まで反発、しかしその後はユーロドル急騰でのドル安優勢、米10年債利回りの再低下にも連れて再び104円割れ、104円をはさんでの攻防状態へ。103円70銭から104円台半ばまでのレンジ推移は続き、下方ブレイクなら102円台後半へ、上方ブレイクなら105円台後半も視野に。
週間ベースでは+22銭、0.21%の小反発。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場11/27終値とチャート
2020年11月28日(土)時点の相場
国内金:6,618 円 11/27(金)
▼9(
0.14%)
国内プラチナ:3,469 円 11/27(金)
▼23(
0.66%)
NY金:1,788.1 ドル 11/27(金)
▼17.4(
0.96%)
NYプラチナ:964.8 ドル 11/27(金)
▼5.0(
0.52%)
ドル円:104.08 円 11/27(金)
▼0.17(
0.16%)
11/27(金)のその他主要マーケット指標
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