ドイツIFO景況感、12月は予想外に改善も不確実性は高止まり
更新日:2020年12月19日(土)
ドイツ12月のIFO企業景況感指数は92.1。市場予想の90.0を上回り、4ヵ月ぶり低水準となっていた11月の90.9からも上昇、予想外の改善となりました。現況指数も前月の90.0から12月は91.3へと上昇し、3月(92.9)以来9ヵ月ぶりの高水準。期待指数も5ヵ月ぶり低水準となった11月の91.8から92.8へと上昇。
セクター別では製造業が8.9となって8ヵ月続伸、3ヵ月連続のプラス圏推移となり、2019年3月(8.9)以来1年9ヵ月ぶり高水準。サービス業は-0.4、5ヵ月ぶり低水準となった11月の-4.0からは上昇。卸売も16.9となって2019年6月(22.9)以来1年半ぶりの高水準。
11月には新型コロナウイルスの感染再拡大により部分的な制限措置も再開し、景気回復基調にも急ブレーキとなっており、12月は感染拡大がとまらず1日あたりの新規感染者数も3万人を超え、16日からは厳格なロックダウンも再開する状況となっていたにも関わらず、一連の指数はいずれも改善傾向を示す結果に。
ただし、景況感指数は現況、期待も含めて2015年平均の100を大きく下回る水準にとどまり、回復基調の強さが目立つ製造業の数値も好調だった2018年前半までの20台後半から30台には遠く及びません。
また、IFOのビジネス不確実性指数では、向こう6ヵ月のビジネス状況を経営者アンケートにより「かなり簡単、簡単、困難、かなり困難」の4段階で選択し、その集計結果を0から100(簡単から困難)までの指数で表しています。
このビジネス不確実性指数でも、コロナ前の2月には55.3とやや困難な状況から、4月にはかなり困難な状況を示す74.2まで急騰。その後の急回復でも9月の64.1までの低下にとどまり、その後は12月65.4まで下げ渋る状態が続きます。
ドイツのビジネス状況は不確実性の高止まりが続いており、意外にも12月に改善傾向を示した景況感はクリスマスから年初にかけての厳格なロックダウンにより、1月には再びブレーキを踏まれることになりそうです。
18日のNY金相場は-1.5ドル、0.08%の小幅安となって4日ぶりの反落。前日までの3日で60ドル程の急騰局面を形成して短期上値目標1880ドル近辺をクリアし、FOMCを通過したことで予想されうる年内の重要イベントをほぼ終了してクリスマス・ウィークへとつながる週末、という状況での調整としては控えめ。ドル安の流れもこの日は一服、若干の巻き戻しとなったこともあり、時間外は1890ドルをはさんでの揉み合いから1880ドル付近まで軟調推移、NY朝にかけては再び買われて1890ドル台半ばまで上昇もNY引けにかけては1880ドル半ばへと収束。この日の変動値幅は14ドル弱にとどまり、今年の平均34.7ドルの半分以下、2月14日以来10ヵ月ぶりで今年6番めの小動き。目先、1890-1900ドルが上限候補となり、下方向には11月末安値(1767.2)から12月高値(1902.0)までの38.2%戻し(1850.5)付近がサポート候補。
週間ベースでは+45.3ドル、2.46%高で3週続伸。3週続伸は過去最高値となった8月3日の週(9週続伸)以来、4ヵ月半ぶりで調整局面となってからは初めて。次週、調整局面終了か、継続かの分岐点。
NYプラチナは-7.0ドル、0.67%の反落。短期上値目標1060ドル前後に到達したことに伴う一服感からの調整としてはそれなり。ロンドン・NY朝にかけては金の反発局面にも連れて1050ドル台後半まで上昇する場面もあったものの、NY朝には一時1030ドル付近まで急反落、引けにかけては1040ドル台を回復。1050ドルラインが目先の抵抗水準となり、下方向には20日移動平均線(1010.7)も上昇してきた1010ドルが比較的重要なサポート。これを割り込むようだと大台割れへ、970ドル近辺までが下値目安にも。上方向に抜け出した場合には12月高値圏1070ドル台が短期上値目標となり、長期的には2011年高値(1912.0)から2020年安値(562.0)までの38.2%戻し(1077.7)、重要な節目水準との攻防再トライへ。
週間では+21.3ドル、2.08%の反発。
ドル円は17銭のドル高円安、0.16%高で4日ぶりの反発。FOMC通過でひとしきり売られてドル安の流れも一服。103円を割れることなく東京時間から買い戻し、欧州時間には一時103円60銭近辺まで上昇して戻りも一服。NY時間には103円台前半での揉み合いから動意縮小、103円30銭付近に収束。短期下値目安102円台半ばを目指した流れは前日安値102円80銭台まで下げたところでいったん力尽きた格好にも。ただし、この日は上ヒゲを残して戻り売り警戒感も残る状況に。目先、103円10銭がサポートとなって下げ渋る状態か、これを下抜けるとあらためて102円半ばまでの下値再トライへも。
週間ベースでは-73銭、0.7%の続落。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場12/18終値とチャート
2020年12月19日(土)時点の相場
国内金:6,829 円 12/18(金)
▲49(
0.72%)
国内プラチナ:3,739 円 12/18(金)
▲25(
0.67%)
NY金:1,888.9 ドル 12/18(金)
▼1.5(
0.08%)
NYプラチナ:1,043.1 ドル 12/18(金)
▼7.0(
0.67%)
ドル円:103.31 円 12/18(金)
▲0.17(
0.16%)
12/18(金)のその他主要マーケット指標
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