2021年波乱を示唆?大幅高スタートの金、乱高下のプラチナ
更新日:2021年01月05日(火)
ユーラシア・グループが毎年発表する10大市場リスク、2021年は「新型コロナ長期化の影響」を抑え、「バイデン次期政権下での米国分断」がトップとなった模様。
景気回復が期待どおり進まないことへの警戒感なども含め、2021年も様々な波乱が待ち構えているかもしれません。そんな警戒感なども踏まえて年初から急騰した金価格。
3番目のリスクとして挙げられた「気候変動対策をめぐる競争」では水素エネルギー期待などからプラチナの新局面も想定される2021年。しかしこちらは乱高下のスタート、相変わらずの不安定さがあらためてリスクとしても意識されます。
年初4日のNY金相場は年末から+51.7ドル、2.72%の大幅高となって4営業日続伸。上昇率では昨年4月22日(+50.5ドル、2.99%)以来8ヵ月ぶり、昨年来では8番めの急騰。水準としては昨年11月6日(1951.7)以来、2ヵ月ぶりの高値水準。5日のジョージア州上院の決選投票への警戒感(民主党が取ればドル安への思惑も)なども口実にされて年末までの株高の調整、ドル安基調も続いてドルインデックスは節目の90ポイントを割れての軟調推移、市場が推測する期待インフレ率(BEI:Break Even Inflation rate)が2年2ヵ月ぶり高水準となる2.01%となって実質金利低下が意識されたことなども合わせて時間外から金買いの流れ。1900ドルの大台超えで年初の時間外をスタートし、短期上値目標となっていた12月高値(1912.0)前後をあっさり通過するとロンドン市場までに1930ドル超、NY市場ではドル安の巻き戻しとなったにも関わらず1940ドル台後半まで上昇して高止まり。短期的にはやや行き過ぎ感からの調整も、ジョージア州の選挙結果や週末の雇用統計など一連の米指標結果を見極めた上で早くも
11月高値1966.1ドルが意識されるような展開にも。
NYプラチナは-7.7ドル、0.71%安となって7営業日ぶりの反落。結果的には、年末までの6日続伸で4年4ヵ月ぶり高値となって短期上値目標1090ドル台にも到達しての十字線が示唆したとおりの反落。しかし、反落警戒感を振り切って時間外から金の急騰に追随する展開となり、NY朝には一時1140ドル台まで上昇。2016年8月16日(1144.5)以来、4年4ヵ月半ぶり高値をつけると一転、戻り売りの展開に。金が高値到達後に一時15ドル程売られた後に下げ渋ったのに対してプラチナはそのまま売りが加速、3時間程度でこの日の変動値幅87ドル分の急落。ただしNY午後には1080ドル付近まで反発。高値圏での長めの上ヒゲ陰線となって続落警戒感も残る状態も、20日移動平均線(1040.9)などにもサポートされれば、あらためて上値トライのチャンスも。1080ドルが当面の抵抗水準となる可能性、これを超えると1100ドル前後までが上値目標に。
ドル円は12銭のドル安円高、0.12%の小反落。東京・欧州時間にかけては株安とドル安・円高の流れ。国内首都圏での緊急事態宣言も材料扱いされての日経平均の調整も意識されてややリスク回避的な流れとなり、3月10日(102.02)以来10ヵ月ぶり安値となる102円70銭近辺まで下落。短期下値目安102円80銭前後に到達すると下げ渋り、NY時間にかけてはドル安の巻き戻しにも連れて103円20銭台まで反発。長めの下ヒゲを残しながら上値も限定的となり、ドル安地合が目先の重石となり、102円80銭前後までの下値目安再トライへの警戒感も。流れが変わる為には雇用統計等のポジティブサプライズなどをきっかけに20日移動平均線(103.65)を上抜けて103円80銭超へと抜け出す必要も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場1/4終値とチャート
5日の国内金価格は+184円、2.69%の大幅高で3営業日続伸。上げ幅としては昨年7月27日(+229円、3.31%)以来5ヵ月ぶり、昨年来では4番めの急騰。水準としては11月9日(7062)以来、2ヵ月ぶりの7000円台。90日移動平均線(6983)超えは10月22日以来。年末時点での上方向への節目6860円を上抜けたことにより、上値目標6950円近辺もクリアしてさらに一段高。一目均衡表では遅行線が価格ラインを上抜けたことで二役好転。三役好転に向けては7051円から今週末には6955円まで低下する雲の上限との攻防へ。急反落さえなければ上抜け確実の状況だが・・・。週末にかけて6826円まで下降する雲の下限がサポートにも。
プラチナ価格は+100円、2.7%高で4営業日続伸。昨年2月21日(3830)以来、10ヵ月ぶりの高値。上方向への節目3740円上抜けに伴う短期上値目標3850円程度を大きく超える可能性もあったものの、NYプラチナの急失速によって上値を削る形に。若干の上昇余地を残しながらも、NYプラチナに上値再トライの余力がなければ高値圏での保ち合い状態にも。三役好転維持の目安となる転換線(3719)が目先のサポート候補にも。雲のねじれ付近で急騰局面の序盤戦か、それとも・・・。
※参考:
金プラチナ国内価格1/5とチャート
2021年01月05日(火)時点の相場
国内金:7,015 円 1/5(火)
▲184(
2.69%)
国内プラチナ:3,803 円 1/5(火)
▲100(
2.70%)
NY金:1,946.6 ドル 1/4(月)
▲51.5(
2.72%)
NYプラチナ:1,071.5 ドル 1/4(月)
▼7.7(
0.71%)
ドル円:103.13 円 1/4(月)
▼0.12(
0.12%)
1/4(月)のその他主要マーケット指標
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