失業保険の減少ペース加速、年内にもコロナ前回復?
更新日:2021年04月23日(金)
米国の失業保険申請件数の減少ペース加速がとまりません。
4月雇用統計の調査対象週となる4月17日までの週の新規失業保険申請件数は54.7万件。4週移動平均では65.1万件となり、いずれも2週連続でコロナ後の最少を更新。
4週移動平均での前週比増減数を10週平均で見ると、-2.045万件。波はあるものの2月半ば以降は平均2万件ペースで減少し続けています。
多少鈍化することも見込んで、今後1万件ペースで減少し続けたと仮定すると、
コロナ前の水準、21万件程度まで減少するには、65.1万件-21万件=44.1万件
これに要する期間は、44週=10ヵ月・・・来年2月にも到達の可能性。
1.5万件ペースで減少したなら、
44.1万件/1.5万件=29.4週、所要期間は30週=8ヵ月・・・早ければ年内にもコロナ前の水準に到達する可能性もありそうです。
4月10日までの週の失業保険継続受給者数は367.4万人。4週移動平均では371.3万人。いずれもコロナ後の最少を更新。
4週移動平均での前週比増減数を10週平均で見ると、-11.3325万人。
減少ペースが11万人から8万人程度まで鈍化したと仮定すると、
コロナ前の水準、170万人程度まで減少するには、371.3万人-170万人=201.3万人。
これに要する期間は、201.3万人/8万人=26週、所要期間は7ヵ月・・・今年11月にもコロナ前の水準に到達する可能性も。
失業保険の動向から見る米雇用情勢は、早ければ年内にもコロナ前の良好な状態を回復する可能性もありそうです。
22日のNY金相場は3日ぶりの反落で2ヵ月ぶり高値をつけた前日から-11.1ドル、0.62%安。時間外序盤には1800ドルの大台再トライも前日高値とほぼ同水準、1798ドルまでにとどまって失速。短期上値目標1800ドル近辺到達に伴う達成感と上値の重さ確認による短期諦め感から調整局面入り。欧州時間にかけては米10年債利回り上昇とドル高優勢の流れも重石となり、1780ドル台へと軟調推移。NY市場ではバイデン米大統領が富裕層に対するキャピタルゲイン税の税率を39.6%まで引き上げることを提案するとの報道から米株が急落となった流れに巻き込まれる形で1790ドル付近まで反発後に1780ドル割れを試すなど小幅に乱高下、ただし1780ドル割れでは底堅さも見られ、NY引けにかけては1780ドル台半ばへと収束。目先は1770ドルから1790ドル台までのレンジで高値保ち合い形成の様相に。下限を割れると調整幅拡大へ、4月前半までの保ち合い水準1740ドル近辺までが短期下値目安。上方ブレイクとなれば上値トライ再開で2月後半の戻り高値水準、かつ年初来下落幅の半値戻しとなる1810ドル台が短期上値目標。
NYプラチナは-6.2ドル、0.51%の反落。時間外とNY市場で何度か上値トライも前日高値1223ドルを超えられず、1220ドル台での上値の重さを確認する形となって上値目標1240ドル近辺を目指す流れは出だしで躓いた格好に。欧州時間には金の軟調推移に連れ、NY市場では株価急落とパラジウムの過去最高値更新後の急反落にも連れる形となり、1200ドル台まで押し戻される展開に。それでも1200ドルの大台割れは回避、上方向への流れは維持したような格好にも。目先、1220ドルの節目をしっかり超えることができれば4月高値圏1240ドル近辺再トライへ。1200ドルの大台割れなら雲行きが怪しくなり、1190ドル割れならトレンド逆転で下値トライ再開へ、3月末安値1160ドル近辺が下値目安に。
ドル円は前日から11銭のドル安円高、0.1%安となって108円割れ。3月4日(107.96)以来、7週間ぶりの安値。東京午後には107円80銭近辺まで下落し、年初安値から3月末高値までの38.2%戻し(107.77)近辺にほぼ到達した格好となり、欧州時間スタートとともに切り返し。程なく108円10銭まで反発し、NY時間には一時108円20銭台まで上昇。現状維持のECB理事会とラガルドECB総裁会見への反応は限定的となり、バイデン政権の増税報道による株価急落にはやや引っ張られる形となってNY終盤には再度108円割れ。短期的な下落基調には一服感もあるものの、依然として下押し圧力が強まりやすく、堅めのサポートにもなりつつある107円80銭台を割り込むようだと、107円近辺から年初来上昇幅の半値戻し(106.78)が意識されるような展開にも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場4/22終値とチャート
23日の国内金価格は-38円、0.56%安で3日ぶりの反落。90日移動平均線(6697)超えを維持し、9日移動平均線(6708)も半年ぶり90日線ゴールデンクロスを維持しながらも失速。4月2日を起点に上下双方向にレンジを拡大してきた逆三角保ち合い上放れにも失敗。ただし、ここから反発して前日の水準を上回ることができれば短期的には上値も下値も切り上げ続けるゆるやかな上昇トレンドを維持。徐々に上値トライへの勢いも減速していくなか、6780円超えへと反発できれば、短期上昇トレンド延長と逆三角保ち合い上抜けトライへ、2月高値(6833)を超えて6850円近辺までが上値目標に。6700円のサポート割れなら逆三角保ち合い下限付近、6640円近辺が下値目安。
週間ベースでは+20円、0.3%高で4週続伸。4週続伸は今年最長、12月以来4ヵ月ぶり。
プラチナ価格は-55円、1.2%の反落。3月高値4630円台を目標とした上値トライに失敗。9日移動平均線(4522)と21日移動平均線(4563)との抜きつ抜かれつの揉み合い状態で上下動を繰り返す、概ね横ばい推移の状態が継続。目先は4490円から4590円までが主要レンジとなり、抜け出した方向へ短期トレンド形成へと向かう可能性。上抜けなら4680円程度までが上値目標、下抜けなら3月末安値4400円近辺が下値目標に。
週間では-25円、0.55%の続落。続落は3月以来、今年2度め。
※参考:
金プラチナ国内価格4/23とチャート
2021年04月23日(金)時点の相場
国内金:6,738 円 4/23(金)
▼38(
0.56%)
国内プラチナ:4,534 円 4/23(金)
▼55(
1.20%)
NY金:1,782.0 ドル 4/22(木)
▼11.1(
0.62%)
NYプラチナ:1,208.5 ドル 4/22(木)
▼6.2(
0.51%)
ドル円:107.96 円 4/22(木)
▼0.11(
0.10%)
4/22(木)のその他主要マーケット指標
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