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インフレ期待も高止まり、NY連銀調査では3ヵ月連続過去最高
更新日:2021年08月11日(水)
NY連銀インフレ期待 2021年7月NY連銀が発表した7月消費者調査の結果によれば、1年期待インフレの中央値は4.84%。6月の4.80から小幅に上昇し、5月の4.00%到達以降3ヵ月連続の過去最高更新。
3年先のインフレ期待値中央値は3.71%となり、2013年8月(3.8)以来7年11ヵ月ぶりの高水準。これも5月には3.57%へと3%台後半に到達し、3ヵ月連続で3%台後半を維持して一段高。
なお、ミシガン大の7月調査でも1年後のインフレ期待値は4.7%となり、6月の4.2%から一段と上昇。2008年8月(4.8)以来、12年11ヵ月ぶりの高水準となっていました。
インフレの高止まりが警戒されつつありますが、インフレ予想値も高止まり状態となっています。

NY連銀の労働市場に関する意識調査では、1年以内に失業の可能性を意識する人の割合が5月に12.6%で過去最低となり、6月には10.9%へと一段と低下、7月は12.2%と小幅上昇も最低レベルでの下げ止まり状態。
自発的離職を意識する人の割合は7月に19.65%となり、6月の18.6%から一段と上昇し、昨年9月(20.33)以来10ヵ月ぶりの高水準。
また、失業後3ヵ月で新たな職を見つけられると考える人の割合は7月に57.03%。6月の54.18%から急騰し、昨年2月(58.66)以来、1年5ヵ月ぶりの高水準。最低46ポイント台までを含む過去平均54.31を下回る水準での推移が昨年3月から今年6月まで続き、1年5ヵ月ぶりの過去平均超え。
1年後の失業率が現在よりも高くなると考える人の割合は5月に31.9%の過去最低となり、6月には30.68%へと更に低下、7月は31.7%へと小幅上昇も、過去最低レベルでの下げ止まり。
労働市場に関する意識は7月雇用統計の好結果にも一致し、好調を持続する状態が続きます。

7月のインフレ予想の動向と一致しているかどうか、まずは7月消費者物価の実績値から確認することになります。

NY金・日足チャート 2021/7/7 - 8/1010日のNY金相場は+5.2ドル、0.3%高で4日ぶりの反発。前日の急落からの自律反発局面では、50ドル弱の下ヒゲを残しながらもNY引け後の1750ドル台半ばが戻り高値となって上げ渋り。ロンドン時間にはZEWドイツ景況感指数が9ヵ月ぶり低水準へと急低下したこともあり、ユーロ安ドル高基調にも連れて軟調推移、米10年債利回りが1ヵ月ぶり高水準となる1.35%台へと上昇傾向が続いたことも重石となり、1730ドルをはさんでの保ち合い推移。結果的に反発途上での十字線を形成し、下値再トライへの警戒感と反発基調継続に向けた一服感とが交錯。米7月CPIが高止まりとなってテーパリング前倒し観測へとつながるようだと上値の重い展開へ、1700ドル近辺までが下値再トライ警戒水準に、インフレ高騰一服感となれば1750ドル近辺までの反発余地はありか。

NYプラチナ・日足チャート 2021/7/7 - 8/10NYプラチナは+16.1ドル、1.66%高となって6日ぶりの反発。連日の今年安値更新からいったん底打ちの可能性も示唆する下ヒゲ陰線を形成した前日からの反発基調が継続。時間外序盤に970ドルをわずかに割れたのがこの日の安値となり、ロンドン時間からNY午前にかけては970ドル台を中心に980ドル台半ばまでを高値に保ち合い推移、NY午後にはこれを抜け出して990ドルをはさんでの保ち合いへ。目先、反発基調継続に向けては1000ドルの大台回復の可否がポイントに、これが抵抗水準となるようだと再び下値警戒感も強まる可能性も。下方向には970ドルがサポート、割れると950ドルまでが一段安への目安に。

ドル円・日足チャート 2021/7/7 - 8/10ドル円は24銭のドル高円安、0.22%高となって5日続伸。5日続伸以上は3月末以来、4ヵ月半ぶりで今年4度め。水準としては7月13日(110.63)以来、1ヵ月ぶりの高値。欧州時間から米10年債利回り上昇とユーロ安などにも連れてのドル高基調が強まり、110円30銭台から50銭台へと堅調推移。NY時間には材料不足もあり、110円50銭台を中心に小幅揉み合い推移に終始。流れとしては109円80銭の節目上抜けに伴う短期上昇トレンドが継続、金融政策正常化といずれ引き締めに向けた流れとインフレ懸念などを背景にドル高円安基調が進行しやすい地合いとなり、今年高値111円50銭台までが当面の上値目標。今週のインフレ指標上振れなら一段高へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/10終値とチャート

11日の国内金価格は-13円、0.19%安で3日続落。4月20日(6701)以来、4ヵ月ぶりの安値。米7月CPI待ちで下げ止まれず。CPI前年比+5.3%、コアCPI+4.3%近辺の市場予想程度にとどまれば下げ一服となって多少の戻りを試す展開にも。予想外に上振れるようだとさらなる下押し圧力にも。下値警戒水準としては今年安値(6413)から今年高値(7335)までの76.4%戻し(6631)近辺。反発方向には今年高値からここまでの23.6%戻し(6858)が地合い回復に向けた戻りの目安にも。

プラチナ価格は+99円、2.61%高で6日ぶりの反発。売られ過ぎからの買い戻し基調が進行、NYプラチナが1000ドルの大台との攻防に差し掛かり、これを突破するようなら国内価格も4000円の大台も視野に。ここでで上値を押さえられるようだと厳しい展開にも、3780円台の安値を更新するようだと昨年11月安値(3096)から今年高値(4798)の61.8%戻し(3746)近辺までが次の下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格8/11とチャート

2021年08月11日(水)時点の相場
国内金:6,710 円 8/11(水) ▼13(0.19%)
国内プラチナ:3,887 円 8/11(水) ▲99(2.61%)
NY金:1,731.7 ドル 8/10(火) ▲5.2(0.30%)
NYプラチナ:987.0 ドル 8/10(火) ▲16.1(1.66%)
ドル円:110.58 円 8/10(火) ▲0.24(0.22%)
→8/10(火)のその他主要マーケット指標

←米7月CPI高止まりも想定内でドル売り 08/12(木)
→米求人件数は4ヵ月連続過去最高、5月時点で求人不足解消 08/10(火)
→NFP急増でコロナで失われた雇用は残り570万人 08/07(土)
→失業保険継続受給者数は急減、あと1年でコロナ前回復も 08/06(金)

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