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★金プラチナ短期相場観★

小売売上高は8月に想定外のプラス圏回復でドル買い・金売り
更新日:2021年09月17日(金)
小売売上高(前年比)米国vs中国 2021年8月インフレ鈍化の兆しでドル売り・金買いの流れとなったのが14日火曜日、翌15日水曜日にはNY連銀製造業景況感の予想外の堅調ぶりにドル買い・金売りへと反転。そしてその翌日、16日の木曜日には米消費の好調ぶりにドル買い・金売りの流れが加速。膠着状態も予想されたFOMC直前の週は、想定外の米指標結果をきっかけに、想定外の乱高下状態から想定外の大幅変動の兆しにもなってきました。

この日米商務省が発表した8月の小売売上高は、市場予想の前月比-0.7%に反して+0.7%と真逆、想定外の好結果。自動車を除いた数値でも前月比変わらずの予想に対して+1.8%と想定外の大幅増。5ヵ月ぶりの高い伸びを示す結果に。
小売売上高は前年比でも+15.06%となり、7月の+15.14%から小幅低下にとどまり、前年比2桁増は6ヵ月連続。コロナ前の2020年2月の前年比+4.61%を大幅に上回る水準を維持し、長期平均4.59%超は今年1月から8ヵ月連続。
自動車を除く数値でも8月は前年比+16.16%で7月の+15.15%を上回り、2020年2月の+4.48%と長期平均+4.54%を上回るのは1月以降8ヵ月連続。

中国の小売売上高が5ヵ月連続の低下で8月には前年比+2.5%まで鈍化し、コロナ前の2019年12月の+8.0%や長期平均+8.4%を大きく下回る水準となっているのとは対象的。
コロナの完全抑止を目指す中国では、多少の感染再拡大を抑え込むための厳しい制限措置の影響で8月の個人消費が抑制されたのに対し、コロナとの共存を模索する米国では少々の感染再拡大にも、旺盛な個人消費の勢いは衰えず、その好調ぶりが際立ちます。

次週FOMCでのタカ派見通しへの根拠となる指標結果が、増加しつつあるようにも見えます。

NY金・日足チャート 2021/8/12 - 9/1616日のNY金相場は-38.1ドル、2.12%の大幅続落。下げ幅としては今年の絶対値平均騰落値幅12.0ドルの3倍超、今年7番めの大幅下落。変動値幅では上下51.8ドル、今年の平均26.2ドルのほぼ2倍でこれも今年7番めの値動き。水準としては8月12日(1751.8)以来、5週間ぶりの安値。時間外序盤には1790ドル台後半での小幅揉み合い推移も1800ドル手前で上値を押さえられ続けると徐々に軟調気味に、米10年債利回り上昇とドル高の流れに押され、ロンドン早朝にかけて節目の1790ドルを割れるとNY朝には1780ドル割れ。米8月小売売上高の想定外の好結果に流れは加速、米9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数も前日のNY連銀に続いて予想以上の好結果となり、失業保険申請件数こそ市場予想を若干上回るも継続受給者数はコロナ後最少を更新する好結果となったこともあり、やや一方的な流れに。NY午前のうちに1790ドルの節目割れに伴う下値目安1760ドル近辺に到達すると、若干のオーバーランで一時1750ドル割れ。NY午後の戻りも限定的となり、1750ドル台半ばに収束。FOMC前に下方向へ想定可能な最大水準の変動となり、一服感も。FOMC後にかけて意識され得る下値警戒水準としては8月安値1670ドル台。

NYプラチナ・日足チャート 2021/8/12 - 9/16NYプラチナは-7.2ドル、0.77%安で3日続落。昨年11月13日(896.0)以来、10ヵ月ぶり安値で一段安。ただしNY市場でつけた安値は921ドル、前日安値を下回らず、反発への可能性をなんとか残したような状態にも。下ヒゲ十字線を残した前日からの反発基調は時間外序盤に950ドルまで上昇。しかしNY金の軟調推移に引っ張られる形で反落するとロンドン市場までに940ドル割れ、NY朝にかけては930ドル台前半を中心に揉み合い推移となって下げ渋るも、NY午後には中心レンジを920ドル台へと切り下げる展開に。流れとしては金とともにいったん下げ止まりの展開も予想されるものの、日足チャートの足型は反発の兆しを打ち消す形となり、下値警戒感も再浮上。意識される警戒水準としては昨年秋の保ち合い下限付近、850ドル近辺。

ドル円・日足チャート 2021/8/13 - 9/16ドル円は35銭のドル高円安、0.32%高で3日ぶりの反発。東京朝の高値は109円40銭台、午後の安値は109円20銭付近まで、109円30銭台を中心とした小幅揉み合い推移で欧州時間も通過するとNY朝には2日連続で急上昇。この日は小売売上高の想定外の好結果に加え、前日に続いて地区連銀製造業PMIも好結果となったことを受けて長期金利急騰とともにドル高急進となって109円80銭台まで、40銭余りの急上昇。その後もNY終盤から今朝の東京市場にかけても109円70銭近辺を維持しての推移。前日の保ち合い下放れに伴う下値目安108円台前半を目指した流れは109円10銭近辺までで折り返す形となり、下値トライは失敗。日足では包み線を形成して反発の可能性を示唆。目先は109円30銭をサポートに上方向へは110円ちょうどが抵抗水準。これを超えるようなら流れは反転、上値トライの目標水準は今年高値111円60銭台。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/16終値とチャート

17日の国内金価格は-130円、1.89%の大幅続落。下げ幅では雇用統計後の連休明けとなった8月10日(-234円、3.36%)以来、1ヵ月ぶりで今年4番めの急落。水準としてはその翌日、8月11日(6710)以来、1ヵ月ぶりの安値。米経済指標の2日連続好結果、この日は複数指標が好結果となり、FOMCを前にややデリケートな状態となっていたNY金の急落により国内価格の流れも一方的に下方向へと急加速。短期下値目安6850円近辺を突き抜けての一段安で通常なら一服感も、タイミング的にはやや微妙な状況にも。下げ止まらない場合の警戒水準としては8月安値6710円、その下は4月安値6620円台。
週間ベースでは-162円、2.34%の大幅続落。6月第3週(-376円、5.17%)以来、3ヵ月ぶりで今年4番めの大幅安。

プラチナ価格は-51円、1.39%の反落。前日東京朝の時間帯のNYプラチナの急反発が巻き戻されての一段安となったことで国内価格も底入れに失敗。今年安値を更新し、昨年12月2日(3589)以来9ヵ月半ぶりの安値。今朝の東京時間も反発の兆しとなりつつあるNYプラチナがまたしても戻り売りとなるようだと一段安が警戒され、短期下値目安は3580円程度まで。連休をはさんで軟調推移が続くようだと3500円台前半も。逆に3670円超へと反発できれば底入れトライの展開となり、3720円台辺りまでが短期上値目標に。
週間では-166円、4.39%の続落。下げ幅では今年6番めの大幅安。
※参考:金プラチナ国内価格9/17とチャート

2021年09月17日(金)時点の相場
国内金:6,764 円 9/17(金) ▼130(1.89%)
国内プラチナ:3,614 円 9/17(金) ▼51(1.39%)
NY金:1,756.7 ドル 9/16(木) ▼38.1(2.12%)
NYプラチナ:923.3 ドル 9/16(木) ▼7.2(0.77%)
ドル円:109.73 円 9/16(木) ▲0.35(0.32%)
→9/16(木)のその他主要マーケット指標

←ミシガン大消費者信頼感は低調のまま、インフレ期待は高止まり 09/18(土)
→NY連銀製造業景況指数は予想外の上振れでドル反発、金反落 09/16(木)
→消費者物価8月コアCPIは予想外の鈍化でドル売り・金買い 09/15(水)
→転職者の賃金上昇率は13年10ヵ月ぶり高水準 09/14(火)

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