雇用統計後のドル高円安で国内金価格は上昇
更新日:2021年10月11日(月)
表面的な数字だけを見ればネガティブな結果となった米9月雇用統計。しかし、11月FOMCでの緩和縮小決定に向けてのハードルはクリアしたとの見方がもっぱら。
雇用者数の伸びは期待を裏切る低調となったものの、その主要因は政府部門。政府部門の雇用者数は8月の前月比+3.4万人から9月は-12.3万人へと急減。これに対して民間部門の雇用者数は8月の前月比+33.2万人から9月は+31.7万人とほぼ同程度の回復基調を維持。
この状況から、瞬間的に買われ過ぎたNY金は行って来いの展開を余儀なくされ、やや売られたドルは買い戻し。米長期金利の急反発とともに円安の流れも強まった結果、最近では珍しくドル高円安が原動力となり、週明けの国内金価格を押し上げたようです。
11日の国内金価格は+39円、0.57%の反発で9月15日(6948)以来、4週間ぶりの高値。NY金は先週末の1750ドル台後半から週明け時間外には一時先週末安値を下回る1750ドル付近まで下げて反発。小幅に下へ行って来いとなって先週末水準で様子見。ドル円は先週末の112円20銭台前半から一時112円30銭台へと10銭程上昇後には112円20銭割れを試して112円30銭台へと切り返し。週明けはやや落ち着かない状態から円安基調再開の兆しも。週末に60銭程上昇して112円台へと水準を切り上げたドル円に押し上げられた国内金価格は直近高値圏6900円の節目を上抜けたことで反発基調継続の様相にも。9月半ばの戻り高値水準、6950円近辺までが短期上値目標。21日移動平均線(6861)を上抜けた9日移動平均線(6864)が堅調推移をサポート。このラインが上昇してくる6870円台の節目を割れると反発基調は腰折れ、6800円近辺までを下値目安に反落局面形成へ。
日足・一目均衡表では転換線(6851)を上回った状態から基準線(6899)も上抜け、ねじれのタイミングで切り下がった雲の上限(6901)も上抜け。遅行線が26日前の価格水準(7006)を下回る状態は続くものの、二役好転となって反発基調が強まる様子も。ただ、6月高値と9月高値を結ぶラインの延長線上に到達した状態となり、ここで反落の場合には上値抵抗線を形成と同時に三角保ち合いにも。その場合にはあらためて11月FOMCの結果を踏まえて三角保ち合い上方ブレイクから、下方ブレイクか、一定の反発局面形成か、もう一段の下落局面継続か、という状況にも。
プラチナ価格は+164円、4.3%の大幅高となって4日続伸。8月4日(4004)以来、2ヵ月ぶりの高値水準に。上げ幅としては2月16日(+191円、4.15%)以来、8ヵ月ぶりで今年3番めの急騰。保ち合い上抜けに伴う短期上値目標3860円台を大きく突き抜け、上方向に行き過ぎの展開となった場合に意識されうる水準と見ていた3900円台にも到達してなお一段高、あわや4000円台も?という勢いに。週末に急騰したNYプラチナは週明け時間外も小幅に乱高下気味にスタートも1020ドル台を維持。円安基調とともに下げ渋る展開で国内プラチナ価格の下落トレンドからの脱却をサポート。
日足・一目均衡表では基準線(3756)・転換線(3854)、さらには雲の下限(3886)も上抜け。遅行線も26日前の価格水準(3924)を上抜けて二役好転。抵抗線を形成する可能性もあった5月18日と7月15日を結ぶラインの延長線も上抜けたことで、今年春以降の下落トレンドからの脱却本格化の兆しにも。この流れ継続に向けては、5月高値から9月安値の38.2%戻し(4000)、右肩下がりの90日移動平均線(4043)、雲の上限(4067)など、超えなくてはならない攻防ラインも。
※参考:
金プラチナ国内価格10/11とチャート
2021年10月11日(月)時点の相場
国内金:6,917 円 10/11(月)
▲39(
0.57%)
国内プラチナ:3,976 円 10/11(月)
▲164(
4.30%)
NY金:1,757.4 ドル 10/8(金)
▼1.8(
0.10%)
NYプラチナ:1,028.2 ドル 10/8(金)
▲42.9(
4.35%)
ドル円:112.23 円 10/8(金)
▲0.60(
0.54%)
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