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最大化達成済の雇用に異変?ADPはまさかの減少
更新日:2022年02月03日(木)
ADP雇用者数・コロナ後の回復状況(業種別) 2022年1月ADP全米雇用リポートによれば、2022年1月の非農業部門雇用者数は前月比+18万人程度とかなり控えめな事前予想に対して、まさかの減少。前月比-30.1万人と大幅下振れ。前月比でマイナスとなるの2020年12月(-7.5)以来、1年1ヵ月ぶり。水準としては2020年4月(-1939.2)以来、1年9ヵ月ぶりの大幅減、コロナショックからの回復フェーズが進行してきたなかで最大の減少。
過去2ヵ月分も下方修正されたものの、12月はそれでも前月比+77.6万人の大幅増。雇用統計でのNFPが12月は前月比+19.9万人と低調となったこともあり、最近のNFPとADPとの非連動性は目に余る状況にもあり、またか、という感もあって市場の混乱はごく僅かに。

2021年第4四半期には合計183.5万人の大幅増となった民間雇用は、2022年年明けをコロナ後最大の減少でスタート。
昨年末にかけて、大半の業種で2020年2月の総雇用者数に対して100%に近い水準まで回復し、1月には微減。そのなかで最大の落ち込みとなっていたレジャー・ホスピタリティ関連も12月にはようやく、ほぼ90%まで回復していた状態から1月には88.77%へと急低下。
オミクロン株による影響は想定以上だったということにも。

それでも高インフレは一時的との予想が裏切られて長期化したのと同様に、雇用のマイナス圏への落ち込みは一時的との予想が裏切られるようなことは想定し難く、現時点では3月以降の金融政策正常化に向けた政策見通しを大きく軌道修正するような事態にはならないものと思われます。
しかし、大半のFOMC参加者が「雇用最大化を達成」と判断したとの1月FOMC後のパウエルFRB議長発言が、昨年春以降「高インフレは一時的」と言い続けたパウエル発言にダブって見えてしまいます。

NY金・日足チャート 2021/12/29 - 2/22日のNY金相場は+8.8ドル、0.49%高で3日続伸。1月26日(1829.7)以来、1週間ぶりの高値。90日移動平均線(1799.0)や200日移動平均線(1806.0)など複数の節目が集中する1800ドルの大台ライン近辺の抵抗帯との攻防が前日NY引け後から続き、いったん下押しとなってロンドン序盤には一時1790ドル台半ばまで下落。ロンドン市場ではユーロドルの反発基調再開にも支えられて反発。NY朝には再び1800ドル近辺の抵抗帯との攻防も、ADPの想定外の下振れを受けて1810ドル台へと小幅に急騰。NY引け後には1800ドル台半ばまで下押しも200日線がサポートに切り替わった可能性も残す形にもなって下げ渋り。年末年始の保ち合い半ば、1820ドルから20日移動平均線(1816.9)辺りまでが目先の抵抗水準候補となり、低調な結果が予想される1月雇用統計の結果次第ではこれを超えて今年高値圏再トライへと向かう可能性も。

NYプラチナ・日足チャート 2021/12/29 - 2/2NYプラチナは+20.5ドル、2.0%の大幅高で3日続伸。反発を示唆するはらみ線形成後の続伸で今年最高値(1064.6)をつけた1月26日の終値(1045.9)以来、1週間ぶりの高値水準となって高値再トライの様相に。1030ドル近辺での攻防状態をロンドン時間に抜け出すと堅調推移、NY市場では1040ドルを挟んでの攻防となり、NY午後には一時1040ドル台後半へと上昇。しかし高値保ち合い上限を形成する1050ドルラインと200日移動平均線(1049.2)を突破する程の勢いはなく、タイミング的にも時期尚早、NY引け後には1030ドル台半ばまで反落。雇用統計後に1050ドルの節目上抜けとなれば今年高値更新へ、1080ドル近辺までが短期上値目標にも。

ドル円・日足チャート 2021/12/30 - 2/2ドル円は26銭のドル安円高、0.23%安で4日続落。この日も東京市場で高値をつけての軟調推移、朝の114円60銭台から午後には一時114円80銭まで反発して戻り売り。欧州時間序盤には114円50銭台で一時下げ渋りも、ユーロドルの上昇に連れて一段安、NY市場でADP雇用の大幅下振れ直後には114円10銭台まで下落。ただし右肩上がりの90日移動平均線(113.99)付近で下げ渋るとNY午後には114円40銭近辺まで反発。目先、90日線を割り込むようだと中期上昇トレンドも腰折れ、短期的には11月安値(112.53)から今年高値(116.35)までの61.8%戻し(113.99)割れとなり、76.4%戻し(113.43)と重なる今年安値113円40銭台までが次の下値目安に。これも割れるともう一段の下落局面形成へ、112円割れを目指すような流れとなる可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/2終値とチャート

3日の国内金価格は+13円、0.18%の反発。ドルインデックスの3日続落を受けてのNY金の3日続伸で下支え。しかし、タカ派傾向が強まる米金融政策見通しが重石となり、ウクライナ情勢など地政学リスクとのバランス状態にも。上昇軌道が続く90日移動平均線(7156)が中期上昇トレンドをサポートしながらも、短期的には上昇基調から水平移行の21日移動平均線(7317)を下方ブレイクした9日移動平均線(7301)が上値を押さえる状態に。短期的な地合い回復に向けては9-21日線超えが必須に。下値サポート7240円を割れると7200円前後までが一段安の目安に。

プラチナ価格は+17円、0.41%高で3日続伸。今年高値となっている1月27日(4133)以来、1週間ぶりの高値水準。強気パーフェクトオーダーを維持して今年高値更新となれば、今年高値圏での保ち合い上抜けとなって昨年5月末を起点とする上値抵抗線も上方ブレイクへ。中期三角保ち合い上抜けとなって一段高への可能性が高まる状況にも。短期的には11月急騰前の高値圏4200円台辺りまでが上値目標。ただし、切り返して4050円台の下値サポートを割り込んだ場合には保ち合い下方ブレイクとなって短期下落局面形成へ、3960円辺りまでが下値目標。
※参考:金プラチナ国内価格2/3とチャート

2022年02月03日(木)時点の相場
国内金:7,269 円 2/3(木) ▲13(0.18%)
国内プラチナ:4,122 円 2/3(木) ▲17(0.41%)
NY金:1,810.3 ドル 2/2(水) ▲8.8(0.49%)
NYプラチナ:1,043.7 ドル 2/2(水) ▲20.5(2.00%)
ドル円:114.43 円 2/2(水) ▼0.26(0.23%)
→2/2(水)のその他主要マーケット指標

←金融政策タカ派転換は水平拡大期、米雇用は一時停滞期 02/04(金)
→勢い回復の2022年1月ユーロ圏製造業PMI、北高南低の構図も回復 02/02(水)
→世界の金需要-2021年第4四半期 02/01(火)
→利上げ見通しコンセンサス形成に向けた我慢のフェーズに 01/31(月)

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