ユーロ圏製造業PMIは1年前のピークアウトから減速基調継続
更新日:2022年06月02日(木)
ユーロ圏5月の製造業PMIは54.6。速報値から0.2ポイント上方改訂され、前月からは0.9ポイント低下して4ヵ月続落。
節目の50超は23ヵ月連続維持しながらも2020年11月(53.8)以来、1年半ぶりの低水準。
インフレ急騰でECBの早期利上げ観測も台頭するなか、製造業の受注は2年ぶりに減少。
<ユーロ圏製造業PMIランキング-2022年5月>
1:オランダ=57.8=前月比-2.1の反落で1年半ぶり低水準。3ヵ月連続60割れ、50超は22ヵ月連続。1月から2-1-3-1-1位。
2:オーストリア=56.6=前月比-1.3で続落、1年4ヵ月ぶり低水準。50超は23ヵ月連続。1月から1-3-2-3-2位。
3:アイルランド=56.4=前月比-2.7で続落、1年3ヵ月ぶり低水準。24ヵ月連続節目50超。1月から4-5-1-2-3位。
4:ドイツ=54.8=1年8ヵ月ぶり低水準の前月から+0.2の小反発。23ヵ月連続50超。1月から3-2-4-6-4位。
5:フランス=54.6=前月比-1.1の反落、7ヵ月ぶり低水準。18ヵ月連続50超。1月から8-7-6-4-5位。
6:スペイン=53.8=1年2ヵ月ぶり低水準の前月から+0.5の反発。16ヵ月連続50超。1月から7-8-8-8-6位。
7:ギリシャ=53.8=前月比-1.0の反落で1年2ヵ月ぶり低水準。15ヵ月連続50超。1月から6-6-7-5-7位。
8:イタリア=51.9=前月比-2.6で3ヵ月続落、1年半ぶり低水準。50超は23ヵ月連続。1月から5-4-5-7-8位。
調査対象8カ国中6カ国が低下、残り2カ国の反発も小幅にとどまり、昨年6月のオランダの69.4をピークに上位と下位も多少入れ替わりながら、コンスタントに低下基調が継続。5月の最下位イタリアは節目50まであと1.9ポイント。
ユーロ圏の製造業は、定番の「北高南低」フォーメーションで景気減速基調が続きます。
1日のNY金相場は+0.3ドル、0.02%の小反発。小幅保ち合い下限となる1840ドル台を前日NY引け後に割り込むと、20日移動平均線(1845.4)や200日移動平均線(1840.4)でもサポートされず、ゆるやかなドル高基調にも連れて軟調推移。ロンドン市場では一時5月19日安値(1808.4)以来、2週間ぶり安値となる1830ドル付近まで下落して下げ渋ると、株安の流れとなったNY朝には1840ドル台へと切り返し。米5月ISM製造業景況指数の予想外の好結果を受けて売られる場面もあったものの、NY午後には1850ドル付近へと戻して下げ渋り。結果的に200日線にサポートされる形で下へ行って来い、米長期金利上昇とドル高の流れ再開の兆しが重石となる反面、大幅利上げ後の先行き不透明感を警戒しての株安などのリスク回避ムードが下支え。引き続き1840ドル台から1860ドルまでの小幅保ち合いを維持して週末へ、上方ブレイクなら1900ドルの大台回復トライへ、あらためて下方ブレイクなら1800ドルの大台近辺再トライの可能性も継続。
NYプラチナは+28.1ドル、2.9%高となって4日続伸。4月18日(1020.5)以来、1ヵ月半ぶりの高値。前日NY引け後の960ドル近辺が安値となっての小幅揉み合い推移から、ロンドン序盤に抜け出すとNY朝には980ドル台へ。950ドル台の節目上抜けに伴う短期上値目標980ドル近辺にしっかり到達した後も、金の急反発に連れると一時1000ドルの大台超え。これは維持できなかったものの、NY引け後にも990ドル近辺を維持。1ヵ月半ぶりに上抜けた200日移動平均線(995.9)がサポートとなるようなら、中期的な地合いも回復方向へ、1000ドルの大台安定回復を目指す流れにも。
ドル円は145銭のドル高円安、1.13%の大幅高となって4日続伸。上げ幅としては今年の絶対値平均50銭の3倍弱、今年4番めの急騰で5月10日(130.45)以来、3週間ぶりの高値。東京朝の128円70銭近辺が安値となり、米10年債利回り上昇に追随する展開となって129円台を回復、欧州時間には129円台半ばまで上昇。NY時間にはISM製造業景況指数が4月から低下予想に反して上昇、想定外の好結果をきっかけに、米10年債利回りの2.9%台への急騰とともに130円台を回復。下げ止まった20日移動平均線(128.71)上抜けとともに一段高となり、129円40銭の節目も上抜け。ややフライング気味ながら、今年高値圏再トライへの可能性が高まる状況に。雇用統計がそれなりの好結果なら131円台前半までの短期上値目標を目指す展開に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場6/1終値とチャート
2日の国内金価格は+132円、1.59%の大幅反発。上げ幅としては今年の絶対値平均53円の2.5倍、3月9日(+219円、2.71%)以来3ヵ月ぶりで今年4番めの急騰。5月12日(8437)以来、3週間ぶりの高値水準に。米長期金利の反発基調に円安基調再開、雇用統計前に米指標の想定外の好結果にもサポートされてのドル円一段高にNY金の下げ渋り、想定外のタイミングで想定外の急上昇となって8320円の節目上抜けに伴う短期上値目標8400円近辺に到達、して若干のオーバーラン。流れとしては雇用統計の好結果をも織り込む状態にもなりつつあり、想定外にネガティブな結果となった場合の反動には要警戒。
国内プラチナ価格は+138円、3.17%の大幅高で5日続伸。上げ幅は今年の絶対値平均55円の2.5倍、今年6番めの急騰となって4月19日(4499)以来、1ヵ月半ぶりの高値。5日続伸は昨年12月末から年始にかけて以来、5ヵ月ぶり。4280円の節目上抜けに伴う短期上値目標4370円近辺を突き抜けての一段高となり、3月上旬の今年高値(4678)から鋭角に上値を切り下げる、短期三角保合い上限ラインも上抜け。金と同様に急反落への警戒感を抱えながらも小幅調整にとどまれば、中期的には主要レンジが切り替わるような展開にも。
※参考:
金プラチナ国内価格6/2とチャート
2022年06月02日(木)時点の相場
国内金:8,429 円 6/2(木)
▲132(
1.59%)
国内プラチナ:4,498 円 6/2(木)
▲138(
3.17%)
NY金:1,848.7 ドル 6/1(水)
▲0.3(
0.02%)
NYプラチナ:996.4 ドル 6/1(水)
▲28.1(
2.90%)
ドル円:130.15 円 6/1(水)
▲1.45(
1.13%)
6/1(水)のその他主要マーケット指標
ADP雇用は2ヵ月連続コロナ後最低、小規模企業は2ヵ月連続減 06/03(金)原油価格に逆行、ダラス連銀製造業景況感は2年ぶり低水準 06/01(水)ユーロ圏景況感5月は下げ渋り、圏内格差は3年2ヵ月ぶり低水準 05/31(火)金もプラチナも38.2%、月末月初の攻防ライン 05/30(月)
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