FOMC直前、0.75%×2+0.5%×3=年末FF金利3.875%へ
更新日:2022年06月14日(火)
波乱のFOMC、となるかもしれません。米5月CPIが予想に反して鈍化しなかったことをきっかけに株安とリスク回避の流れが加速、一時米ドル以外は全部売りの様相にもなりました。
FOMC直前、CMEフェドウォッチでの2022年末FF金利見通し中央値は3.875%。1週間前の2.875%からは1%の急上昇。
今回のFOMCでは150-175へ、0.75%利上げが96.9%となり、ほぼ確実視される状況となり、0.5%利上げならサプライズに。
さらに7月FOMC予想でも225-250へ、0.75%利上げが83.1%まで急騰。9月もさらに0.5%利上げで275-300との予想が61.0%。11月も0.5%利上げで325-350が57.3%。
12月も0.5%利上げが46.8%となり、年内利上げ見通しとしては0.75%利上げが2回、0.5%利上げが3回が市場コンセンサス。
一部報道では今回6月FOMCで1%利上げの可能性も聞かれるなど、直前になって目一杯ハードルが引き上げられた格好にも。
こうなると、市場予想を下回る結果も予想され、たとえ予想どおりでもサプライズ感も希薄化され、一方的な流れにもいったん歯止めがかかる可能性もありそうです。
13日のNY金相場は-43.7ドル、2.33%の大幅反落。週末の大幅高の倍返し、下げ幅は今年の絶対値平均15.1ドルの3倍弱、今年3番めの急落。5月18日(1815.9)以来、4週間ぶりの安値。週明け時間外序盤には1882.5ドルまで小幅上昇、5月9日高値(1885.6)以来。6週間ぶり高値をつけて失速。米10年債利回り上昇とドル高の流れに連れて水準を切り下げるとロンドン市場までに1860ドル近辺へ、NY市場では1830ドル近辺まで一段安。NY引け後にはFOMCでの0.75%利上げ報道を受けて米10年債利回りが一時2011年4月以来、11年2ヵ月ぶり高水準となる3.4%台まで急騰した流れを受けて1820ドル近辺へと一段安。先週末の保ち合い上抜けの兆しからの上値トライへの可能性は完全に巻き戻され、200日移動平均線(1842.9)も下抜けてレンジを拡大する逆三角保合いを形成して節目の1840ドル割れ。再度上方ブレイクへと切り返す可能性も否定はできないものの、流れとしてはFRBのさらなるタカ派傾斜も見込まれる状況となり、そうなれば一段安へと向かう可能性が高まる状況に。当面の下値目標は今年安値更新トライへ、1780ドル前後まで。
NYプラチナは-38.7ドル、3.99%の大幅安で5日続落。5日続落は4月に続いて今年3度め。下げ幅は今年の絶対値平均17ドルの2.3倍、今年6番めの急落。水準としては5月25日(929.3)以来、3週間ぶりの安値。時間外序盤の975ドルが高値となって軟調推移、ロンドン市場までに950ドル割れ、NY市場では940ドル割れ、NY引け後には930ドル割れへと一段安。その後は930ドル台へと反発の兆しも。920ドルの重要水準付近では底堅さも見られるものの、これを割り込むようだと昨年最安値(886.0)更新トライなども意識されるような展開にも。
ドル円は先週末から8銭程のドル高円安、0.06%の小幅上昇。東京市場朝から堅調推移、134円40銭近辺から70銭台へと急騰後も水準を切り上げて135円トライ、午後には135円20銭近辺まで上昇。1998年10月以来23年8ヵ月ぶり高値をつけて一服後には黒田日銀総裁の急速な円安牽制発言などもあり、利益確定売りをサポート。欧州序盤までに134円10銭台まで下落後は134円70銭近辺まで反発してNY市場で戻り売り。大幅利上げを警戒する株安主導でドル高円高のリスク回避の流れとなって一時133円50銭台まで下落。しかし先週末安値付近で下げ渋るとNY午後には米10年債利回りの一段高にも連れて134円60銭台まで反発。節目の135円到達による一服感も、波乱のFOMCとなる可能性も警戒され、タカ派傾斜が鮮明となれば一段高となって136円超へ。調整方向へは3月末安値(121.28)から6月高値(135.20)までの23.6%戻し(131.91)辺りまでが短期下値目安にも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場6/13終値とチャート
14日の国内金価格は-275円、3.1%の大幅反落。下げ幅としては今年の絶対値平均57円の4.8倍、今年最大で2020年8月当時の過去最高値直後の12日(-353円、4.67%)以来。1年10ヵ月ぶりの急落。水準としては6月7日(8523)以来、1週間ぶりの安値。想定以上にタカ派ムードが強まる状況となり、NY金が耐え切れずに急落となったことを受けてしばらくはキープ可能と見た下値サポート8680円をあっさり下抜け。これに伴う短期下値目安8600円割れにも即到達。インフレ見通しの急激な悪化によるリスク回避ムードも強まり、市場は不安定化。過去最高値と同水準までの上昇後の急落で一服感も、FOMC通過でもう一波乱にも要警戒。最高値更新へと切り返した場合には9000円の大台トライへ、一段安の場合には5月安値(8181)から6月高値(8859)までの61.8%戻し(8440)辺りが短期下値目安にも。なお5月安値はダブルトップのネックラインとなり、中期的には要注意水準。
プラチナ価格は-163円、3.59%の大幅反落。下げ幅としては今年の絶対値平均57円の3倍弱、今年5番めの急落で6月1日(4360)以来、2週間ぶりの安値。9日移動平均線(4568)下抜け後にはこれが抵抗線に切り替わる形となって上値を押さえられての一段安、4490円の節目割れに伴う短期下値目安4400円割れも達成し、21日移動平均線(4391)も下抜け。上昇基調が続く21日線上抜けが反発方向へのポイントにも。
※参考:
金プラチナ国内価格6/14とチャート
2022年06月14日(火)時点の相場
国内金:8,584 円 6/14(火)
▼275(
3.10%)
国内プラチナ:4,377 円 6/14(火)
▼163(
3.59%)
NY金:1,831.8 ドル 6/13(月)
▼43.7(
2.33%)
NYプラチナ:932.3 ドル 6/13(月)
▼38.7(
3.99%)
ドル円:134.44 円 6/13(月)
▲0.08(
0.06%)
6/13(月)のその他主要マーケット指標
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