米貿易赤字は4ヵ月ぶり水準へと拡大、輸出は5ヵ月ぶり低水準
更新日:2022年12月07日(水)
米10月の貿易赤字は781.62億ドルとなり、前月から赤字幅は5.4%拡大し、12.7%拡大した前月に続いて2ヵ月連続の拡大。米貿易赤字は過去最大となった今年3月から5ヵ月連続で縮小後、再び拡大基調に転じました。
輸出が過去最大となった8月から2ヵ月連続減少し、10月は2566.31億ドルとなったのに対し、輸入は2ヵ月連続の増加で3347.93億ドル。
ただし、輸入は過去最大となった3月を下回る水準での推移が7ヵ月連続。
外需の減速傾向に加え、内需も回復傾向ながらピーク水準を下回るレベルとなっています。
ブルームバーグの予想では来年の世界経済は2009年と2020年、世界金融危機とコロナ危機を除けば30年ぶり低成長、との報道も。
米国内でもインフレが消費需要の重石となって景気悪化は免れず、引き続き来年のリセッション懸念予想も絶えない状況に。
米10月貿易収支は、そんな状況への兆候を示しているのかもしれません。
また、国別のモノの貿易では、中国からの輸入が5ヵ月ぶり低水準へと減少し、貿易赤字も1年3ヵ月ぶりの低水準へと縮小。対照的に、ドイツからの輸入が過去最大へと急増し、貿易赤字も過去最大へと拡大。
米中対立の影響と貿易政策の変化が表れ始めているようにも見えます。
6日のNY金相場はわずかに+1.1ドル、0.06%の小幅高で3日ぶりの反発。1780ドル台での小幅保ち合いとなったアジア時間につけた安値では一時1780ドル割れ、切り返してロンドン・NY朝には1790ドル台前半まで上昇。前日までの反落局面からの自律反発も限定的となり、NY午後にかけてはユーロドルの軟調推移にも連れる形となって1780ドル付近へ。1800ドルの大台ラインとゆるやかに下降を続ける200日移動平均線(1801.5)への抵抗感を感じて上に行って来い、小さなトンカチを形成して反発局面末期を示唆する状況にも。次週、CPIとFOMCに向けては様子見状態が続きやすく、この日の変動値幅は14.1ドルにとどまり今年の平均27.5ドルの半分。目先、11月安値(1618.3)から12月高値(1822.9)までの23.6%戻し(1774.6)近辺が引き続き下値サポート候補に。
NYプラチナは-12.1ドル、1.2%安で3日続落。10月半ば以降の下値サポートとなってきた20日移動平均線(1012.6)を割り込んでの一段安となり、6営業日ぶりの大台割れで11月25日(987.8)以来の安値。アジア時間に1010ドル台前半の高値をつけての反落ではロンドン市場で大台割れ、NY市場では1010ドル手前まで反発して戻り売り、NY午後につけた安値は990ドル付近まで。目先、980ドル台の下値サポートを維持できれば今年後半高値圏での保ち合いとなって大台回復トライをうかがう展開にも。維持できない場合には一段安の展開へ、短期的には950ドル近辺までが下値目安に。
ドル円は26銭のドル高円安、0.19%の続伸で11月30日(138.10)以来の高値。上昇軌道を維持する200日移動平均線(134.74)にサポートされての反発局面を維持する形での小幅高となり、東京朝の136円70銭近辺から欧州序盤にかけては137円40銭台まで上昇。その後は米10年債利回り低下に連れて136円割れへと反落も、NY午後には下げ渋って137円近辺まで反発。水準的には10月高値(151.94)から12月安値(133.59)の23.6%戻し(137.92)近辺も射程圏内、ただし調整局面終了かどうかは次週のFOMC待ち。反発局面への移行ならいずれ38.2%戻し(140.60)も意識される展開にも。戻り売りの展開となれば200日線から134円30銭近辺までが下値サポート、これを割り込むようなら調整再開となって一段安へ、132円台半ば辺りまでが下値目安にも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場12/6終値とチャート
7日の国内金価格は+28円、0.33%高で4日ぶりの反発。前日の下げを取り戻し、ゆるやかに上昇する90日移動平均線(8505)を再び上抜け。8480円の節目割れを回避し、11月末安値と12月安値とでダブルボトムの可能性を残しての反発となり、11月上旬からの下落局面終息トライの様相にも。8570円の節目超えならその確率は高まり、8650円近辺までを短期上値目標に一段高トライへ。反面、8480円割れへと反落なら失敗、下落局面継続となって8400円近辺までが下値目安に。
プラチナ価格は-33円、0.7%安で4日続落。10月20日(4586)以来、1ヵ月半ぶりの安値。4740円の節目割れに伴う短期下値目安4660円程度までを目指す流れが継続。ただしNYプラチナが下げ渋る展開となれば、4700円の大台ラインや、9月安値から11月高値の38.2%戻し(4685)近辺が節目となって下支えされる可能性も。
※参考:
金プラチナ国内価格12/7とチャート
2022年12月07日(水)時点の相場
国内金:8,512 円 12/7(水)
▲28(
0.33%)
国内プラチナ:4,705 円 12/7(水)
▼33(
0.70%)
NY金:1,782.4 ドル 12/6(火)
▲1.1(
0.06%)
NYプラチナ:995.4 ドル 12/6(火)
▼12.1(
1.20%)
ドル円:137.04 円 12/6(火)
▲0.26(
0.19%)
12/6(火)のその他主要マーケット指標
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