NY連銀インフレ期待、不確実性も2年ぶり低水準
更新日:2023年06月13日(火)
CPIは4月の前年比+4.9%から5月は+4.1%程度への低下が予想され、コアCPIは4月の前年比+5.5%から5月には+5.2%と鈍化が予想されるなか、NY連銀の5月消費者調査では一段とインフレ鈍化が予想される結果に。
NY連銀の1年先のインフレ期待は前年比+4.07%。4月の+4.45%から一段と低下し、2ヵ月連続の低下で2021年5月(4.00)以来、2年ぶりの低水準。
なお、5月末に発表されたミシガン大の1年インフレ期待も4月の+4.6%から5月は+4.2%へと低下しており、昨年来の低下基調と足下での大幅鈍化も同じような推移に。
ただし、NY連銀の3年後のインフレ期待は+2.98%となり、4月の2.89%を上回り、3ヵ月連続上昇で5ヵ月ぶりの高水準。
ミシガン大の5年先インフレ期待も5月は3.1%となり、2ヵ月連続上昇で11ヵ月ぶりの高水準。
NY連銀のインフレ不確実性指数は3.76となり、4月の4.00から低下。これも2021年5月(3.68)以来、2年ぶりの低水準となり、インフレ見通しの先行き不透明感は緩和傾向にあることを示す結果に。ただし、2018-2019年の平均2.23からは大幅上方乖離の状態にあり、さらなる低下余地も。
1年先のインフレ見通しとしてはそれなりに低下傾向が続くとの予想が優勢となっているのに対し、数年先のインフレ見通しとしては下がり切らず、やや不安定な状態を予想する傾向が優勢となり、インフレ高止まりへの警戒感も払拭し切れない状況のようです。
12日のNY金は-7.5ドル、0.38%の続落。週明け時間外は1970ドル台半ばからスタートして1970ドル割れへと下押し後に切り返し、ドル安の流れとなったロンドン市場では1980ドルまで反発。しかしNY市場では米10年債利回りの急反発とドル高の流れを受けて急反落、安値では1960ドル台前半まで下げてNY午後には1970ドル台を回復。重要イベントを前に値動きは限定的となるなか、右肩下がりの20日移動平均線(1975.5)を挟んでの上下動。目先、インフレ鈍化やFOMCでのハト派見通しなどにサポートされて1980ドルに切り下げた節目を上抜けると上値トライ再開へ、2040ドル近辺までが上値目標にも。逆の展開で1950ドル台の下値サポートを維持できなくなれば1900ドル近辺までを目安に下値トライの展開へ。
NYプラチナは-17.5ドル、1.73%安となって4日続落。3月29日(977.4)、2ヵ月半ぶりの安値水準に。1010ドル付近からの軟調スタートとなった時間外、ロンドン市場では1000ドル台半ばでいったんは下げ渋り、一時1010ドル台半ばへと反発も戻り売り。NY朝にかけて大台を割れるとNY金の軟調推移にも連れる形で990ドル付近までの安値トライ、NY引けにかけての反発も大台回復には至らず。目先のレジスタンス候補となる水平状態の90日移動平均線(1015.6)に上値を押さえられ、1000ドルのサポートを割り込んだことで軟調局面継続の可能性、970ドル程度まで下値余地拡大へ。
ドル円は23銭のドル高円安、0.17%の続伸。139円40銭近辺から東京市場スタート時には139円20銭台まで下げて139円60銭台まで反発。139円半ばを中心とした保ち合い推移から、欧州時間にはユーロ高ドル安の流れにも連れて139円付近まで下押し。しかし先週末NY市場での小幅急落でつけた安値139円00銭台では下げ渋る格好となって切り返し、米10年債利回り上昇にも連れて139円台後半へと反発、NY午後には139円70銭台まで上昇。右肩上がりの20日移動平均線(139.18)にサポートされた格好も、わずかに軟調推移の9日移動平均線(139.49)との揉み合いにもなり、方向感模索の状態にも。140円20銭の保ち合い上限を上抜ける展開となれば高値更新トライへ、10月高値から1月安値の61.8%戻し(142.49)近辺までが当面の上値目標に。138円90銭の下限を割れた場合には138円割れが短期下値目安に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場6/12終値とチャート
13日の国内金価格は+13円、0.14%の反発で6月7日(9638)以来、1週間ぶりの高値。9日移動平均線(9614)をわずかながら上抜けの兆しも、依然として流れは軟調局面継続中。イベント・ドリブンでなければ下方向へは加速しやすく、上値は重い状態が継続。しかし長期化した保ち合い推移が重要イベント通過後に崩れた場合には上下双方向に加速しやすい状態に。9640円超へと抜け出せば5月最高値から5月安値(9528)の161.8%戻し(9772)辺りまでが上値目標。9570円の節目を下抜けた場合には、4月末安値(9341)から5月高値の76.4%戻し(9421)、2月安値(8605)から5月高値の23.6%戻し(9426)など、9420円近辺までが下値目安に。
プラチナ価格は-50円、1.02%安で4日続落。6月1日(4853)以来、ほぼ2週間ぶりの安値水準へと一段安、と見るべきか、ギリギリ下げ止まりの可能性を残した状態、と見るべきか、微妙な状況にも。短期的には下落局面加速の様相となり、4850円の節目割れへと向かえば一段安の展開に、2月の今年安値(4289)から5月の今年高値(5197)の半値戻し(4743)辺りまでが下値目安に。地合い回復に向けては9日移動平均線(4926)上抜けが第1段階。
※参考:
金プラチナ国内価格6/13とチャート
2023年06月13日(火)時点の相場
国内金:9,614 円 6/13(火)
▲13(
0.14%)
国内プラチナ:4,853 円 6/13(火)
▼50(
1.02%)
NY金:1,969.7 ドル 6/12(月)
▼7.5(
0.38%)
NYプラチナ:995.3 ドル 6/12(月)
▼17.5(
1.73%)
ドル円:139.60 円 6/12(月)
▲0.23(
0.17%)
6/12(月)のその他主要マーケット指標
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