鉱工業生産は2ヵ月連続0.5%減、2ヵ月連続前年割れ
更新日:2023年07月19日(水)
米6月の鉱工業生産は低調。前月比横ばい推移の事前予想に対して、前月比-0.5%。5月も-0.2%から-0.5%へと下方修正されたことで2ヵ月連続の0.5%減。
前年比で見ると6月は-0.36%。5月の前年比-0.09%に続いて2ヵ月連続の前年割れ。2021年2月以来、2年4ヵ月ぶりの低水準。
これを3ヵ月移動平均で見ると6月は前年比+0.19%。9ヵ月連続の低下となり、2年3ヵ月ぶりの低水準。
トレンド的には減速傾向が続き、リセッション懸念も高まる前年割れ局面、悪化局面入り目前という状態に。
この日発表された6月の小売売上高は前月比+0.2%となり、市場予想の+0.5%を下回りながらも3ヵ月連続プラス圏推移となり、消費の堅調さは維持した格好にも。
これも前年比で見ると、+1.70%。5月の+3.19%からは低下し、4月の前年比-0.28%以来、2ヵ月ぶりの低水準。2020年9月以降の2年10ヵ月では2番めの低水準。昨年秋までの+10%前後以上からは急低下、過去平均+4.86%も大きく下回る水準。
3ヵ月移動平均で見ると6月は前年比+1.53%となり、5月の+1.78%を下回り、9ヵ月連続の低下で2年11ヵ月ぶりの低水準。
トレンド的には2ヵ月連続で前年比2%割れ、3ヵ月連続3%割れの低迷状態。
米国の消費も生産も、トレンド的には着実に悪化傾向が進行しているようです。
18日のNY金は+24.4ドル、1.25%の反発で6月6日(1981.5)以来、1ヵ月半ぶりの高値。時間外序盤の1960ドル手前から堅調推移、ロンドン・NY朝にかけて節目の1960ドル台上抜けをかけた攻防状態に。米6月小売売上高が市場予想を下回ったことをきっかけに長期金利低下とドル安の流れが一時的に急進、これを受けて急騰すると6月鉱工業生産の下振れなどもあり、節目上抜け後の上昇局面急加速となって1980ドル台へ。高値では1980ドル台後半まで上昇も、NY午後には米長期金利とドルの下げ渋り、株高の勢いなどにも押される格好となって1980ドル近辺へ。1960ドル台の抵抗水準突破に伴い、1ヵ月ぶりに90日移動平均線(1975.4)を上抜けて短期上値目標1980ドル台に到達。短期的には上値トライ一服となる可能性が高まり、行き過ぎの場合でも2000ドルの大台ラインが目先の抵抗線候補に、下値サポートは1950ドル、これを割り込むようなことがあれば1930ドルまでが短期下値目安に。
NYプラチナは+6.9ドル、0.7%高で5日続伸。6月12日(995.3)以来、1ヵ月ぶり高値水準での一段高。5日続伸は4月以来、3ヵ月ぶりで今年3度め。アジア時間には980ドル台前半の安値をつけて反発、ロンドン序盤にかけては990ドル台半ばでの小幅保ち合い、NY朝にかけては990ドル割れへの反落を挟んで大台トライ。NY金の急騰局面に追随する格好となって一時1000ドル台へと上昇も、維持できずNY午後には990ドル台半ばへと反落。200日移動平均線(998.8)から1000ドルの大台、90日移動平均線(1013.3)近辺までが目先の抵抗水準となって多少の調整余地も。
ドル円は13銭のドル高円安、0.09%の小幅反発。東京市場スタート直後に138円90銭台まで小幅上昇後は軟調推移、欧州時間には前日安値138円ライン付近で下げ渋り。NY市場では米6月小売売上高が予想以上に低調となったことを受けて137円60銭台まで急落、しかし138円割れでは買い支えられて売り買い交錯。その後植田日銀総裁の「安定的2%の物価目標までに距離があれば金融緩和継続」発言を受けてYCC修正観測後退となって円安主導で反発、NY午後には139円回復トライとなり、高値では139円10銭台まで、NY終盤には138円80銭近辺へ。3日連続139円台では上ヒゲを残して上げ渋り、6月高値(145.07)から7月安値(137.24)の23.6%戻し(139.09)が目先の抵抗水準に。これをしっかり超えることができれば38.2%戻し(140.23)近辺までが次の戻り目安に、138円のサポートを維持できなくなった場合には136円付近までの一段安も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場7/18終値とチャート
19日の国内金価格は+114円、1.19%の大幅続伸で7月7日(9655)以来、2週間ぶりの高値。上げ幅としては今年の絶対値平均44円の2.6倍、今年6番めの急騰。右肩下がりの9日移動平均線(9584)と21日移動平均線(9646)をまとめて上抜け、最高値(9772)から7月安値(9499)の半値戻し(9636)を達成し、61.58%戻し(9668)も目前に。目先は一服感も、次週のFOMCがそれほどタカ派的とならず、日銀会合でYCC修正先送りとなった場合には一段高となる可能性。9780円超へ、最高値更新となった場合には7月高安の150%戻し(9909)、9900円近辺までが短期上値目標に。
プラチナ価格は+47円、1.00%高で4日続伸。6月20日(4827)以来、1ヵ月ぶりの高値。鍋底からの反発の勢いは止まらず、1ヵ月ぶりの200日移動平均線(4719)超えで加速すると5月高値(5197)から7月安値(4506)の38.2%戻し(4770)に急接近、90日移動平均線(4783)回復も射程圏内に。ただし目先は一服感も漂い、下げ止まりつつある21日移動平均線(4625)近辺までがサポート候補に。
※参考:
金プラチナ国内価格7/19とチャート
2023年07月19日(水)時点の相場
国内金:9,655 円 7/19(水)
▲114(
1.19%)
国内プラチナ:4,762 円 7/19(水)
▲47(
1.00%)
NY金:1,980.8 ドル 7/18(火)
▲24.4(
1.25%)
NYプラチナ:994.4 ドル 7/18(火)
▲6.9(
0.70%)
ドル円:138.83 円 7/18(火)
▲0.13(
0.09%)
7/18(火)のその他主要マーケット指標
米住宅着工件数、許可件数ともに長期平均付近で下げ渋り 07/20(木)NY連銀製造業景況指数7月は予想を上回ってプラス圏維持 07/18(火)インフレ鈍化継続を好感、ミシガン大消費者信頼感も急騰 07/15(土)PPIはもはやインフレ解消、コアPPIは平年並みにあと少し 07/14(金)
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