求人件数減少継続、ISM製造業景況指数は9カ月連続で活動縮小
更新日:2023年08月02日(水)
この日発表された米雇用関連指標は低調。米労働省発表の月次求人労働異動調査(JOLTS)で、6月の求人件数は958.2万件。市場予想の960万件を下回り、5月から-0.35%減少して続落。2ヵ月連続1千万件割れとなり、2021年4月以来、2年2ヵ月ぶり低水準。6ヵ月移動平均では996.67万件となり、6ヵ月連続減で1年11ヵ月ぶりの低水準。
また、前年比で見ると-12.58%。11ヵ月連続の前年割れ、5ヵ月連続で前年比-10%超。リーマンショック後の世界金融危機、コロナショック以来の長期落ち込みで、かつ大幅な落ち込みが継続。
ただし、水準としては依然として2019年までの水準を大幅に上回り、まだまだ下げ余地を残す状態。
失業者1人当たりの求人件数、求人倍率は6月に1.609件。1年7ヵ月ぶり低水準となった5月の1.577件からは小幅に上昇。
これも低下傾向は続くものの2019年平均1.193件からは大幅上方乖離。まだまだ下げ余地を残す状態。
一方で7月のISM製造業景況指数は46.4となり、節目の50割れ。9ヵ月連続の活動縮小状態。
また、雇用指数は44.4となり、2ヵ月連続の節目50割れで急低下、2020年7月以来、3年ぶりの低水準。
労働需給ひっ迫状態が続くなか、雇用情勢は悪化の兆しを示唆する状態にも。
1日のNY金は-30.4ドル、1.51%の大幅安で3日ぶりの反落。急騰後の調整となったこの日はアジア時間での2000ドルの大台維持をかけた攻防から、これを割れるとロンドン市場で1990ドル台前半へ、NY朝には1980ドル台へと一段安。ISM製造業景況指数が低調となったことを受けて一時1990ドル台へと急反発も、NY午後には1980ドル割れ。米10年債利回りが4%台へと再上昇し、ドル高の流れにも押された格好。ただし90日移動平均線(1981.2)にもサポートされ、NY引け後には1980ドル台後半へと下げ渋る様子も。目先、雇用統計までの一連の指標確認を経て1940ドル台から2010ドルまでの広めのレンジ内での居場所を探る展開にも。
NYプラチナは-18.2ドル、1.9%の反落で7月11日(932.4)以来、3週間ぶりの安値。金の大幅調整に連れ安となったこの日、アジア時間の960ドル台前半が高値となり、ゆるやかな上昇軌道を維持する20日移動平均線(957.7)を割れるとロンドン市場で950ドル割れ、NY朝には940ドル割れへと一段安。安値では一時930ドル割れを試して折返し、NY午後には940ドル近辺まで回復。辛うじて940ドルの下値サポートを維持した格好とはなったものの、流れは下押し圧力が再び強まる兆しも。目先、940ドルを維持できなくなれば920ドル近辺までを目安に一段安の展開へ。上方向には20日線を突破して960ドルの節目を上抜けると980ドル台辺りまでを目安に反発局面形成へも。
ドル円は106銭のドル高円安、0.75%高で3日続伸。7月6日(144.06)以来、4週間ぶりの高値。東京朝の142円20銭台が安値となってこの日も堅調推移、株高の流れにも連れて午後には142円80銭台まで上昇。欧州時間は142円台後半での保ち合い推移となり、NY市場では米長期金利上昇とドル高の流れに連動して143円台へと一段高。米7月ISM製造業景況指数が市場予想を少し下回ったタイミングでは一時143円割れへと急落も、すぐに戻してNY午後には143円50銭台まで上昇。今朝の東京市場ではフィッチによる米国債の格下げを受けて142円60銭台まで急落も、徐々に持ち直して143円台を回復。短期上値目標143円台に到達し、6月末高値(145.07)から7月安値(137.24)の76.4%戻し(143.22)も達成したことから短期的には一服感も。7月安値から8月高値(143.55)までの23.6%戻し(142.06)程度までが目先の調整目安にも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場8/1終値とチャート
2日の国内金価格は-28円、0.28%安で3日ぶりの反落。9740円の節目上抜けに伴う短期上値目標9800円台到達による達成感と、最高値更新の勢いで若干のオーバーランからの巻き戻しで9800円付近まで調整。もう一段の調整となれば右肩上がりの9日移動平均線(9719)、7月安値(9499)から8月高値(9831)の38.2%戻し(9704)辺りまでが目安に。逆に最高値再更新へと切り返し、9830円台の上限を突破すると9880円程度までが目先の上値余地にも。
プラチナ価格は-79円、1.68%安で3日ぶりの反落。2日間の急騰幅の半値を戻す格好となり、月末月初の乱高下局面での中央付近に位置し、下げ止まって水平移動の21日移動平均線(4636)にサポートされるかどうかという状態に。サポートされると4710円台が当面の上限、この重要水準を上抜けることができればそれなりの反発局面形成へと向かう可能性。6月中旬の戻り高値、4850円近辺までが上値目標に。逆に4540円台の節目を割り込むようだと下値トライ再開、4400円台前半を目指すような流れにも。
※参考:
金プラチナ国内価格8/2とチャート
2023年08月02日(水)時点の相場
国内金:9,803 円 8/2(水)
▼28(
0.28%)
国内プラチナ:4,633 円 8/2(水)
▼79(
1.68%)
NY金:1,978.8 ドル 8/1(火)
▼30.4(
1.51%)
NYプラチナ:940.4 ドル 8/1(火)
▼18.2(
1.90%)
ドル円:143.33 円 8/1(火)
▲1.06(
0.75%)
8/1(火)のその他主要マーケット指標
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