ADPもGDPも、低迷続く今週の米指標、でもユーロ圏も同調
更新日:2023年08月31日(木)
前日の米求人件数、消費者信頼感指数に続き、この日はADPにGDPも下振れ。流れとして、今週の米指標は低迷続きの様相に。
しかし、ユーロ圏も低調。
ユーロ圏景況感指数はビッグ2が低迷を牽引。
欧州委員会が発表したユーロ圏の8月景況感指数は93.3。市場予想の93.5を下回り、4ヵ月続落となって2年9ヵ月ぶりの低水準。
製造業は-10.3。6ヵ月連続マイナス圏推移で7ヵ月続落、2020年8月以来3年ぶりの低水準。サービス業は3.9。4ヵ月続落で10ヵ月ぶりの低水準。
<主要4カ国>
スペイン:102.4=前月比+1.5で続伸、4ヵ月ぶり高水準、2ヵ月連続100超。
イタリア:100.3=-1.1の反落で9ヵ月ぶり低水準、10ヵ月連続100超。
フランス:91.4=-2.5の続落で2020年11月(89.3)以来、2年9ヵ月ぶり低水準。
ドイツ:88.6=-2.4で4ヵ月続落、2020年6月(80.9)以来、3年2ヵ月ぶり低水準。3年1ヵ月ぶりの90割れ。
<節目100超>
ギリシャ:111.7=+0.7で3ヵ月続伸、1年5ヵ月ぶり高水準、10ヵ月連続100超。
キプロス:106.9=+1.8の反発、1年半で3番めの高水準、12ヵ月連続100超。
マルタ:102.5=-5.2の反落、8ヵ月連続100超。
クロアチア:102.4=-2.8の反落、11ヵ月ぶり低水準、28ヵ月連続100超。
<90割れ>
ベルギー:87.1=-1.1の反落で9ヵ月ぶり低水準、4ヵ月連続90割れ。
フィンランド:84.1=+2.5の反発で3ヵ月ぶり高水準、13ヵ月連続90割れ。
オーストリア:82.4=-4.0の反落で3年2ヵ月ぶり低水準、6ヵ月連続90割れ。
エストニア:82.2=+1.9の反発で3ヵ月ぶり高水準、14ヵ月連続90割れ。
ユーロ圏全20カ国中、10カ国が前月比で上昇。7月の12カ国からは減少、5月の4カ国からは大幅増を維持。ただし、節目100超で好調を維持したのは6カ国にとどまり、回復基調は足下で鈍化。
30日のNY金は+7.9ドル、0.4%高で3日続伸。8月4日(1976.1)以来、4週間ぶりの高値。1964ドル台半ばでの小康状態が続いたアジア時間を経て、ロンドン市場ではゆるやかな下落基調が続く90日移動平均線(1967.7)を上抜けると上昇基調再開。NY朝には米ADP雇用、GDP改定値の下振れを受け、米長期金利急低下とドル安急進の流れを受けて1970ドル台へと小幅に急騰、高値では1977ドルまで上昇して一服。1950ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標1970ドル台へと水準を切り上げ、7月高値(2010.9)から8月安値(1913.6)の61.8%戻し(1973.7)も達成した状態で週末のイベント待ちへ。ただし不安定な指標結果が続くようなら行き過ぎの展開にも、短期的な行き過ぎ目安としては76.4%戻し(1987.9)近辺も。
NYプラチナは-2.8ドル、0.28%安となって7日ぶりの反落。時間外の980ドル台半ばからロンドン・NY朝にかけて上値トライ再開、右肩下がりの90日移動平均線(987.4)を上抜けて990ドル台へと上昇も、これを維持できずNY市場では一時980ドル割れへと急反落。ただしNY午後には980ドル台半ばへと下げ渋り、やや一方的な上昇局面形成での過熱感解消も限定的に。行き過ぎ局面再開で大台回復も意識される反面、970ドル前後までを目安に調整幅拡大も。
ドル円は37銭のドル高円安、0.25%の反発。東京朝には145円70銭台で下げ渋ると146円回復トライ、午後には146円20銭台まで上昇し、欧州時間には146円50銭台まで上昇して失速。146円60銭の節目を超えられず、しかし146円台も維持して下げ渋る状態はこの日もNY朝に崩れる展開に。米8月ADPが下振れ、4-6月期GDP改定値も予想外の下方改定、四半期コアPCEも下方修正されると146円割れへと急反落。それでも7月住宅指標の好結果なども材料視されて145円50銭台で下げ渋るとNY午後には146円台を回復。9日移動平均線(145.92)にもサポートされる格好にもなり、反落警戒感も高まるなかでも高値圏での下げ渋り状態。目先の下値サポートを145円80銭に切り上げ、これを割り込むと調整局面進行へ、7月安値(137.24)から8月高値(147.37)の38.2%戻し(143.50)近辺までが短期下値目安に。逆に146円60銭の節目上抜けなら一段高、148円台後半を目指す流れへ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場8/30終値とチャート
31日の国内金価格は+50円、0.50%高となって6日続伸。5日連続、今年24回めの過去最高値更新。6日続伸は4月以来、4ヵ月半ぶりで今年3度め。短期的には多少の過熱感を伴って上昇チャネル上限ラインを超え、若干の行き過ぎ状態。中期的には6月半ばから8月半ばまでに2ヵ月間、ほぼ9700円台前半での保ち合いを形成し、これを上抜けての一段高が進行中。短中期的に想定可能な行き過ぎ目安としては、8月1日(9831)から8月安値(9655)までの161.8%戻し(9940)を超えてきたことから、261.8%戻し(10116)近辺、10100円台が意識される可能性も。
月間ベースでは+290円、2.99%の反発。
プラチナ価格は+19円、0.38%高となって10日続伸。6月8日(4988)以来2ヵ月半ぶり高値圏での一段高。10日続伸は今年最長で2016年11月以来、6年9ヵ月ぶり。RSIは87.7まで上昇し、巻き戻しの流れがいつ急加速してもおかしくはない状態。反落しそうでしない、ドル円の下げ渋り状態が崩れると連動する可能性も。急反落の場合のサポート候補としては、水平状態の90日移動平均線(4801)近辺。
月間ベースでは+382円、8.34%の続伸。4月(+450円、9.84%)に次いで今年2番めの急騰。
※参考:
金プラチナ国内価格8/31とチャート
2023年08月31日(木)時点の相場
国内金:9,986 円 8/31(木)
▲50(
0.50%)
国内プラチナ:4,965 円 8/31(木)
▲19(
0.38%)
NY金:1,973.0 ドル 8/30(水)
▲7.9(
0.40%)
NYプラチナ:983.3 ドル 8/30(水)
▼2.8(
0.28%)
ドル円:146.24 円 8/30(水)
▲0.37(
0.25%)
8/30(水)のその他主要マーケット指標
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