エネルギー価格上昇でPPIも小売売上高も8月は予想上振れ
更新日:2023年09月15日(金)
前日の米8月CPI通過後には、一時的なドル高の流れは巻き戻されて概ね横ばい推移となった翌日、この日はPPIに小売売上高がいずれも市場予想を上回り、新規失業保険申請件数は予想を下回る好結果。これを受けて米10年債利回りは上昇し、ドル高の流れも急進。ドル高の流れは前日の巻き戻し分を取り戻す格好にもなって高止まり。
米8月の生産者物価指数、PPIは前年比+1.63%。市場予想の+1.3%を上回り、7月の+0.83%からも急騰となって続伸、4ヵ月ぶりの高水準。
これに対して食品とエネルギーを除いたコアPPIは前年比+2.16%。2021年1月(1.94)以来、2年7ヵ月ぶりの低水準。
CPIでも食品とエネルギーを除くコアCPIがほぼ2年ぶりの低水準となったのに対し、総合CPIが続伸となり、エネルギー価格が総合インフレ指数を押し上げた構図は同様。
8月の小売売上高は前月比+0.6%となって市場予想の+0.1%を上回り、自動車を除く数値でも前月比+0.6%で、これも予想の+0.4%を上回る好結果。
いずれも5ヵ月連続増と好調を維持。
ただし内訳では、ガソリンスタンドの売上が7月の前月比+0.1%から8月は+5.2%へと急増し、8月の上振れを牽引。
物価や売上高に対してはエネルギー価格の上昇が影響し、結果的には好結果。しかし、消費センチメントなどにはマイナスの影響となりそうです。
14日のNY金は+0.3ドル、0.02%の小幅高で3日ぶりの反発。アジア時間には1930ドル近辺からの小反発で1930ドル台半ばまで上昇、前日高値に及ばず失速すると戻り売り。ロンドン市場で1930ドル割れトライ、NY朝には予想外の利上げを決定したECBが利上げ打ち止めを示唆したことでユーロ安ドル高急進、これに連れて軟調推移となった流れをこの日発表された米消費、物価、雇用関連指標がいずれも好結果となったことも後押し。ただし安値では1920ドル付近では下げ渋り、NY午後には1930ドル台を回復。1930ドル台の節目割れに伴う短期下値目安、8月安値(1913.6)から1900ドルの大台近辺には少し届かず切り返してしまったような格好にも。ただし反発も限定的にとどまり、次週のFOMC結果次第では、あらためて大台付近までの下値トライの可能性も。反発方向へは20日移動平均線(1943.2)から1950ドル近辺までが当面の抵抗帯となる可能性も。
NYプラチナは+5.9ドル、0.65%の反発。アジア時間には900ドル台半ばでの小幅揉み合い状態、ロンドン序盤につけた安値でも900ドルの大台割れを回避して切り返すとNY朝には910ドル台へと急反発。ただしNY午後につけた高値は910ドル台半ばまで、3日連続915ドル前後で上値を押さえられる形に。目先、強めの抵抗線となりつつある910ドル台半ばをしっかり上抜けることができれば反発局面加速へ、9月高値(995.0)から安値(893.3)の61.8%戻し(956.2)近辺までが短期上値目標に。切り上げた下値サポート900ドルの大台割れの場合には下値目安850ドル近辺トライの可能性も継続。
ドル円はわずかに3銭のドル安円高、0.02%の小幅安で3日ぶりの反落。147円40銭台でほぼ横ばい推移となったこの日の安値は東京時間、NY時間にもつけた147円ちょうど付近。NY朝には米8月小売売上高とPPIが予想を上回り、新規失業保険申請件数は予想を下回る好結果となったことを受けての小幅急騰も147円50銭台まで。この日の変動値幅は54銭にとどまり、2日前の79銭、前日の69銭からさらに縮小。今年の平均1.36円の4割弱、今年5番めの小動き。FOMC後の値動き拡大を示唆するような状態にも。目先、147円90銭超へと今年高値更新となれば一段高の展開で短期上値目標は149円台前半まで、146円50銭の節目を割れると高値保合い崩れとなって調整局面へ、144円台後半までが短期下値目安に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場9/14終値とチャート
15日の国内金価格は+15円、0.15%高で7日ぶりの反発。安値圏で下げ渋るNY金と高値圏で一服状態のドル円との狭間で値動き縮小状態となるなか、前日の下げを取り戻して高値保合い回帰の様相にも。9930円の節目割れに伴う短期下値目安9870円近辺を目指した流れは前日の9895円までで折り返して3連休へ。次週FOMCまでは比較的静かな展開も予想されるものの、週末の米指標結果などをきっかけに米ドルの一段高、あるいは反落の展開も。目先、9890円割れなら再度下値トライへ、9850円程度までが下値目安に。反発方向へは最高値水準、1万円の大台ラインが当面の抵抗水準にも、これを突破すると10100円近辺が上値目標に。
週間ベースでは-33円、0.33%安で5週ぶりの反落。
プラチナ価格は+38円、0.84%の反発で9月8日(4679)以来、1週間ぶりの高値。ただし前日下落分を取り戻して2日前の水準(4671)をわずかに1円上回っただけの状態。下落基調の9日移動平均線(4692)にも届かず、反発局面再開か、腰折れをかけた保合いも継続。4670円台の節目上抜けとなれば反発局面再開、短期上値目標は4750円程度まで。下方向へ4630円の節目を割れると反発基調腰折れとなって下落局面再開へ、短期下値目安は4540円近辺。
週間ベースでは-7円、0.15%の続落。
※参考:
金プラチナ国内価格9/15とチャート
2023年09月15日(金)時点の相場
国内金:9,910 円 9/15(金)
▲15(
0.15%)
国内プラチナ:4,672 円 9/15(金)
▲39(
0.84%)
NY金:1,932.8 ドル 9/14(木)
▲0.3(
0.02%)
NYプラチナ:911.1 ドル 9/14(木)
▲5.9(
0.65%)
ドル円:147.44 円 9/14(木)
▼0.03(
0.02%)
9/14(木)のその他主要マーケット指標
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