低迷続くユーロ圏、景況感指数は5ヵ月続落で2年10ヵ月ぶり低水準
更新日:2023年09月29日(金)
欧州委員会が発表した9月のユーロ圏景況感指数は93.3。市場予想の92.4こそ上回ったものの、8月(93.6)からは低下して5ヵ月続落。2020年11月(92.3)以来、2年10ヵ月ぶりの低水準。過去平均となる節目100ポイント割れは15ヵ月連続。
業種別では製造業が-9.0となり、7ヵ月連続マイナス圏推移で8ヵ月ぶりの反発、3年ぶり低水準となった8月から+0.9。サービス業は4.0で5ヵ月続落、11ヵ月ぶりの低水準。
低迷を牽引する製造業は底入れの可能性を示唆し、プラス圏を維持するサービス業の減速は止まらず。
<主要4カ国:経済規模1-4>
スペイン:99.0=前月から-3.2の急低下、3ヵ月ぶりの反落で9ヵ月ぶりの低水準。3ヵ月ぶりの100割れ。
イタリア:97.9=続落で11ヵ月ぶりの低水準。11ヵ月ぶりの100割れ。
フランス:95.9=2年9ヵ月ぶり低水準の8月から+2.7、3ヵ月ぶりの反発で3ヵ月ぶりの高水準。13ヵ月連続100割れ。
ドイツ:89.0=3年2ヵ月ぶり低水準の8月から+0.3、5ヵ月ぶりの反発。コロナショック以降の3年3ヵ月では2番めの低水準。15ヵ月連続の節目100割れ、2ヵ月連続90割れ。
今年通年でのマイナス成長が予想されるドイツは低迷状態から抜け出す兆しもまだ。この結果、主要4カ国では経済規模の小さいほうから順に上位となり、指数でユーロ圏を下回るのもドイツのみ。国別の業況として、これがユーロ圏景況感指数低迷の最大要因。
<主要7カ国:経済規模5-7>
オランダ:93.3=前月比+0.3の小幅続伸で3ヵ月ぶり高水準。14ヵ月連続100割れ。
ベルギー:88.9=前月から+1.7の反発で4ヵ月ぶり高水準。17ヵ月連続100割れ、5ヵ月連続90割れ。
オーストリア:78.9=前月比-3.4の急低下で続落、3年3ヵ月ぶりの低水準。17ヵ月連続100割れ、7ヵ月連続90割れ、3年3ヵ月ぶりの80割れ。
経済規模5-7番めの国では、大きいほうから順に上位。今後の回復基調に多少の期待感も。
28日のNY金は-12.3ドル、0.65%安で4日続落。3月10日(1867.2)以来6ヵ月半ぶり安値圏での一段安。週初からの4日合計で-67.0ドル、3.44%の下落となり、週末に反発できない場合、週間ベースでは昨年10月10日からの週以来、ほぼ1年ぶりの急落に。ちょうどドル高円安ピーク水準でNY金は2022年安値圏となった時期以来。1890ドル付近で下げ渋る状態で時間外を通過すると、NY市場では米4-6月期の個人消費確定値が0.8%と大幅下方改定されたことを受けて1890ドル台後半へと小幅に急騰。これが高値となり、その後一時的な米10年債利回り急騰、ドル高の流れを受けて1880ドル近辺へと急反落。安値では一時1870ドル台半ばまで下げてNY午後には1880ドル台を回復。1930ドル台の節目割れに伴う短期下値目安1880ドル台に到達し、若干勢い余ったものの一服感も。ただしPCE上ブレの場合にはもう一段の行き過ぎも。下値警戒水準としては昨年11月安値(1618.3)から今年高値(2085.4)の半値戻し(1851.9)近辺も。
NYプラチナは+18.8ドル、2.1%高となって4日ぶりの反発。前日安値(890.9)で底打ちし、中期重要水準を維持した可能性も高まっての反発の兆しへ。890ドル台後半での小幅揉み合い推移を経てロンドン市場から反発の流れへ、900ドルの大台回復で加速するとNY朝には910ドル超え、NY午後には910ドル台半ばから後半へ。920ドルの節目割れに伴う短期下値目安900ドルの大台前後までしっかり下げて自律反発の動きに。反発局面継続に向けては940ドルが目先の抵抗線、突破できれば970ドル付近へと一段高の展開にも。当面のサポート890ドル割れへと反落の場合、短期的には870ドル近辺までの一段安も、中期トレンド崩れの可能性も。
ドル円は36銭のドル安円高、0.24%安で5日ぶりの反落。東京朝の149円50銭台が高値となり、NY市場での149円10銭台が安値。この日の変動値幅は43銭にとどまり、今年の平均133銭の3分の1で今年3番めの小動き。微妙に水準を切り下げる形となり、148円40銭の節目上抜けに伴う短期上値目標150円台前半を目指す流れはいったん腰折れとなってしまった可能性も。米8月PCEでインフレ鈍化が予想以上となった場合には、このまま調整局面進行にも。調整目安としては9月序盤の保合い形成水準147円台半ばまで。逆にインフレ高止まりとなれば上値トライ再開となる可能性、149円70銭超へと抜け出せば150円台半ばまでが短期上値目安に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場9/28終値とチャート
29日の国内金価格は-62円、0.63%安となって4日続落。8月24日(9760)以来、5週間ぶりの安値。9970円の節目割れに伴う短期下値目安9850円近辺に到達して若干のオーバーラン。高値保合い崩れとなって7月安値(9499)から最高値(10063)までの38.2%戻し(9848)を達成後の勢いで9800円の大台近辺まで下げて一服、となるかどうかの状況で週末に。PCE後に下押し圧力が強まるようだと半値戻し(9781)程度までの一段安も、その下には90日移動平均線(9743)がサポート候補に。反発方向へは9850円近辺回復も。
週間ベースでは-170円、1.78%の大幅反落。今年最大の下落となり、昨年12月19日からの週(-238円、2.77%)以来、9ヵ月ぶりの急落。月間では-182円、1.82%の大幅反落。1年2ヵ月ぶりの急落。
プラチナ価格は+81円、1.74%高で4日ぶりの反発。4730円の節目割れに伴う短期下値目安4670円程度に到達し、4655円で折り返して急反発、4730円台の直近節目水準を回復。90日移動平均線(4725)を上抜けて9-21日移動平均線(4743-46)の抵抗帯も突破できれば4780円の節目との攻防へ、これを上抜けると4850円近辺までの一段高トライへ。下方向へは4650円が当面の下値サポート、これを割れると9月安値(4603)付近までを目安に一段安の展開にも。
週間ベースでは+4円、0.08%の小幅続伸。月間では-229円、4.61%安で3ヵ月ぶりの反落。6月(-419円、8.42%)に続いて今年2番めの大幅安。
※参考:
金プラチナ国内価格9/29とチャート
2023年09月29日(金)時点の相場
国内金:9,804 円 9/29(金)
▼62(
0.63%)
国内プラチナ:4,736 円 9/29(金)
▲81(
1.74%)
NY金:1,878.6 ドル 9/28(木)
▼12.3(
0.65%)
NYプラチナ:915.1 ドル 9/28(木)
▲18.8(
2.10%)
ドル円:149.28 円 9/28(木)
▼0.36(
0.24%)
9/28(木)のその他主要マーケット指標
コアPCEは鈍化基調継続、ドル高一服でNY金は反発も一時的に 09/30(土)予想外に好調な耐久財受注、コア受注前年比では減速続く 09/28(木)米消費センチメント悪化でサービス業も低調、見通しも悪化へ 09/27(水)低迷続くドイツIFO景況感、期待と製造業は底打ちの可能性示唆 09/26(火)
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