低迷続くドイツIFO雇用指数、全業種で雇用計画は上向かず
更新日:2023年11月29日(水)
ドイツのIFOが発表した11月の雇用指数は95.9。10月からは0.3ポイント低下し、2年7ヵ月ぶり低水準となった9月(95.8)をわずかに0.1ポイント上回る水準。2021年3月以降の2年9ヵ月では2番めの低水準。
ドイツ企業9500社を対象とした今後3ヵ月の雇用計画に関するアンケート調査の結果では、2015年平均100を下回る状態が7ヵ月連続。2002年以降の長期平均97.8を下回る状態も5ヵ月連続。
多くの企業で新規受注不足が続き、回復への見通しが立たず、新規雇用を先延ばしにする状況が継続している模様。
業種別ではサービス業での落ち込みが比較的浅め。
それでも11月の雇用指数は4.7となり、10月の6.5からは低下。2年7ヵ月ぶり低水準となった9月の3.4は上回る状態。長期平均7.0を下回るのは5ヵ月連続。サービス業では若干の増員傾向が続く状態。
それ以外は低調。
貿易は-9.4。10月からは+0.4で2ヵ月ぶり高水準。3年2ヵ月ぶり低水準となった8月(-9.9)を少し上回る水準。長期平均-4.3を下回るのは7ヵ月連続。
製造業は-12.5。3年1ヵ月ぶり低水準となった10月(-13.9)を上回り、8ヵ月ぶりの反発。3年間で2番めの低水準。長期平均-4.6を下回るのは5ヵ月連続。
建設業は-7.9。10月から-2.1で2010年8月以来、13年3ヵ月ぶりの低水準。ただし長期平均-6.8を下回るのも13年2ヵ月ぶり。
ドイツのサービス業PMIが節目50割れでの低迷が続き、製造業PMIが40ポイント台前半で回復の兆しも節目50回復には時間を要しそうな状況を、裏付けるような結果となっているようです。
28日のNY金は+27.6ドル、1.37%の大幅高で3日続伸。5月9日(2042.9)以来、半年ぶり高値圏での一段高。時間外は2010ドル台半ばでの小幅揉み合いが続く小康状態、NY市場では2010ドル付近までの安値をつけて切り返し、米10年債利回り低下とドル安の流れに連れて2020ドル超え。NY午後にはタカ派と見られるウォラーFRB理事が「インフレ率が低下し続ければ、数カ月先に政策金利を引き下げる可能性」に言及したことを好感して2040ドル台へと一段高。短期上値目標2020ドル近辺到達後も上げ止まらず、PCE確認前に市場の思惑はハト化、早期利下げ観測台頭にサポートされる状態に。5月の今年高値と2020年の最高値圏2080ドル台も視野に入る状況となり、PCEの結果次第では一段高も。
NYプラチナは+27.0ドル、2.92%の大幅反発で9月1日(968.7)以来、ほぼ3ヵ月ぶりの高値。アジア時間に920ドル付近の安値をつけて切り返し、930ドルの節目割れに伴う短期下値目安880ドル近辺までを目指す流れは巻き戻し。930ドルの節目回復をかけた攻防状態をロンドン・NY朝にかけて突破するとNY市場では金の急騰局面に追随、940ドルの節目を超えると一段高、NY午後には高値で950ドル台半ばまで上昇。乱高下状態から上方向へと抜け出した格好にもなり、940ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標、9月高値圏990ドル近辺を目指す流れへ。
ドル円は121銭のドル安円高、0.81%安で3日続落。9月14日(147.44)以来、2ヵ月半ぶりの安値。東京時間には148円60線台から軟調推移、148円近辺で下げ渋ると欧州時間には148円80銭台まで上昇してこの日の高値。148円台後半で下げ渋る状態はNY朝から米10年債利回り低下とともに徐々に崩れ始め、NY午後にはウォラーFRB理事のハト派発言を受けて148円割れへと急落。安値では147円30銭台まで下落してNY終盤には147円半ばで下げ渋り。しかし今朝の東京市場では147円割れへと一段安。短期的には148円30銭の節目割れに伴う短期下値目安、11月安値(147.16)にも到達し、多少の一服感も。ただしPCEも控えるタイミングで売り圧力も依然継続、もう一段の下値目安としては7月安値(137.24)から11月高値(151.91)の38.2%戻し(146.31)近辺も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場11/28終値とチャート
29日の国内金価格は+58円、0.55%の反発。10月30日以来、1ヵ月ぶりで今年35回目の過去最高値更新。NY金の急騰に押し上げられて10550円の節目を上抜け、短期上値目標10600円程度再トライへ。短期的には勢いに欠ける状態からは抜け出し切れないものの、9日移動平均線(10471)が21日線(10455)を上抜けて強気のパーフェクトオーダーを形成。場合によっては短期目標到達後に勢い余って・・・という展開も?
プラチナ価格は+52円、1.09%の反発。4790円の節目割れに伴う短期下値目安4730円程度を目指した流れは巻き戻され、上下動を繰り返す乱高下状態継続へ。このまま4860円超へと抜け出すようなら上昇局面再開、11月高値更新トライとなって4930円近辺までが短期上値目標。4770円台を下回るようだと下値再トライへ、4680円程度までが短期下値目安にも。
※参考:
金プラチナ国内価格11/29とチャート
2023年11月29日(水)時点の相場
国内金:10,573 円 11/29(水)
▲58(
0.55%)
国内プラチナ:4,831 円 11/29(水)
▲52(
1.09%)
NY金:2,040.0 ドル 11/28(火)
▲27.6(
1.37%)
NYプラチナ:950.2 ドル 11/28(火)
▲27.0(
2.92%)
ドル円:147.45 円 11/28(火)
▼1.21(
0.81%)
11/28(火)のその他主要マーケット指標
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