雇用統計でドル高円安、NY金下げ渋りで国内金も高値再トライ
更新日:2024年02月05日(月)
雇用統計ショックとも言える、想定外の雇用者数の伸び、賃金も上昇して米労働市場の想定外の強さを見せつけられた週末。
パウエルFRB議長はFOMC後の発言で「3月利下げの可能性は低い」との見方を示し、ボウマンFRB理事は雇用統計後に「利下げ検討の段階に達していない」との発言。
FRBの見解を裏付け、さらにそれを助長するような雇用統計の結果を受けてドル高の流れが急進。
3月利下げ観測が大きく後退するとともにドル円はおよそ2円の急騰。金曜日の上昇率1.35%は今年ここまでの平均騰落率0.43%の3.14倍。
これに対して17.4ドルの急反落となったNY金の下落率は0.84%。今年の平均0.59%の1.42倍。そこそこの急落ながら、2050ドル近辺の高値圏を維持して下げ渋り。
この結果を反映し、国内金価格は高値圏再トライの様相に。
週明け時間外のNY金は2060ドル回復トライに失敗して2050ドル台前半へ、先週末からはやや軟調。ドル円は週末の148円40銭近辺から一時80銭台までの一段高トライを経て148円半ば。
5日の国内金価格は+57円、0.54%高で4日続伸。2営業日連続で今年高値を更新、過去最高値の12月4日(10819)以来、2ヵ月ぶり高値圏での一段高。ゆるやかな上昇基調を維持して10570円の節目を上抜けたことにより、上値トライへの流れがやや加速。短期上値目標、12月最高値から12月安値(10115)の76.4%戻し(10653)近辺にも急接近。若干の上昇余地も残しながら、イベント通過で上昇一服となれば9日移動平均線(10551)が強気相場のサポートライン。
一目均衡表では雲の上限(10344)と基準線(10437)を大きく上回る水準で転換線(10559)を上抜け、遅行線も26日前価格(10326)を大幅に上回っての推移で三役好転。中期的には10月安値を起点に広めのレンジで上昇チャネルを形成、短期的には12月半ば安値圏から狭めのレンジで上昇チャネルを形成。中期三尊天井形成リスクもいったん後退。米1月CPI発表の13日から14日にかけては雲のねじれが生じ、日柄的には要注意日。
時間外のNYプラチナは900ドルの大台維持をかけた攻防状態のまま下げ渋っての週明け。
プラチナ価格は-10円、0.21%安で4日続落。1月26日(4613)以来1週間ぶり安値圏での一段安。中期三角保合い中間ライン、4700円近辺を下抜けた流れが続いて下限ラインとの攻防も意識される状況にも。金価格との逆行状態が4日続いて価格差は5996円まで急拡大、過去最大となった12月4日(6057)以来、2ヵ月ぶりの高水準。短期的には4610円の節目を割れると一段安の展開へ、短期下値目安は11月安値(4521)近辺まで。
一目均衡表では基準線(4728)と転換線(4685)を下抜け、雲の下限(4684)も下抜け、遅行線も26日前の価格(4776)を下回って三役逆転。中期三角保合い中間ライン、4700円近辺を下回る時間のほうが長くなり、4600円近辺の下値サポートラインとの攻防が意識され、これを明確に割り込むようなら中期トレンド崩れへ。中間ラインの4700円近辺早期回復が、中期的な底割れ回避への重要ポイントにも。雲のねじれが2回続けて発生する今週、下値警戒感も高まる要注意ウィークにも。
※参考:
金プラチナ国内価格2/5とチャート
2024年02月05日(月)時点の相場
国内金:10,642 円 2/5(月)
▲57(
0.54%)
国内プラチナ:4,646 円 2/5(月)
▼10(
0.21%)
NY金:2,053.7 ドル 2/2(金)
▼17.4(
0.84%)
NYプラチナ:901.6 ドル 2/2(金)
▼20.7(
2.24%)
ドル円:148.40 円 2/2(金)
▲1.98(
1.35%)
2/2(金)のその他主要マーケット指標
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