世界の金需要-2024年第2四半期
更新日:2024年08月08日(木)
ワールドゴールドカウンシル発表のレポートによれば、2024年第2四半期の世界の金需要は929.0トン。前期比-186.3トン(16.7%)、前年比では-64.1トン(6.5%)で3四半期連続減、2年3四半期ぶりの低水準。
金価格高騰により宝飾品需要が大幅減、中央銀行も前期比減。
<目的別需要>
■宝飾品:410.6トン※3年3四半期ぶり低水準。前期比-123.8トン(23.2%)、前年比-83.5トン(16.9%)。シェア44.2%※2年ぶり低水準。
■産業用:81.1トン※2四半期ぶり高水準。前期比+0.6トン(0.8%)、前年比+8.3トン(11.4%)。シェア8.7%※2年3四半期ぶり高水準。
■投資:253.9トン※2四半期ぶり高水準。前期比+53.4トン(26.7%)、前年比+1.3トン(0.5%)。シェア27.3%※2年1四半期ぶり高水準。
■中央銀行:183.4トン※1年ぶり低水準。3年3四半期連続買い越し、前期比-116.5トン(38.9%)、前年比+9.8トン(5.6%)。シェア19.7%※2四半期ぶり低水準。
※インド、ポーランド、トルコ、ウズベキスタン、チェコ、イラク、カタールなどで増加。フィリピン、カザフスタン、シンガポールなどでは減少。
<投資需要・内訳>
■現物:261.0トン※2年ぶり低水準。前期比-52.4トン(16.7%)、前年比-12.6トン(4.6%)
■ETF:-7.2トン※9四半期連続の売り越し。9四半期連続は2010年以降では最長。
ETFの売り越し幅は9四半期では最小。価格水準は前期の2069.8ドルから2338.2ドルへと急騰で3四半期続伸、2四半期連続で過去最高値を更新。
<金消費需要>
現物投資需要と宝飾品需要を合わせた世界の金消費需要は671.6トン。前期比-176.2トン(20.8%)、前年比-96.1トン(12.5%)で3年3四半期ぶり低水準。全需要に対するシェアは72.3%で5四半期ぶり低水準。
★1位中国、2位インドは2四半期連続。中国の宝飾品需要は86.3トンとなり、4年1四半期ぶりの低水準。インドの宝飾品需要は106.5トンで2四半期ぶり高水準。現物投資需要は中国が80.0トンで1年ぶり低水準。インドは43.1トンで1年ぶり低水準。2カ国合計の金消費需要の世界シェアは47.1%で1年ぶりの低水準。
<世界の金消費大国>
世界の金消費需要上位3カ国の合計シェアは56.2%。1位中国は166.3トンで前期比-43.6%の大幅減、2年ぶりの低水準。2位インドは149.7トンで前期比+7.7%、2四半期ぶりの高水準。3位米国は50.4トン、+15.0%で2四半期ぶり高水準。1ランクUP。
4位トルコは37.7トン、-32.3%で2年ぶり低水準。1ランクDOWN。
5位ロシアは17.8トン、+13.5%で2四半期ぶり高水準、2ランクUP。
6位イランは-8.3%で2四半期ぶり低水準、1ランクDOWN。
7位ベトナムは-18.2%で2四半期ぶり低水準、1ランクDOWN。
8位エジプトは+9.0%で1年ぶり高水準。
9位サウジアラビアは+0.2%で3四半期ぶり高水準。
10位UAEは+1.5%で2四半期ぶり高水準、1ランクUP。
前期10位のインドネシアは13位へ。上位10カ国の顔ぶれは前期から9カ国変わらず。
日本は5.6トンで1年ぶり高水準、28位から16位へUP。
<リサイクルと供給量>
リサイクルは335.4トン。前期比-13.1トン(3.8%)で2四半期ぶりの低水準。鉱山産出量は929.1トンで前期比+70.0トン(8.1%)。総供給量は1258.2トンとなり、前期比+75.1トン(6.3%)で2四半期ぶり高水準。
<需給バランス>
需給バランスは+329.2トン、6四半期連続の供給余剰。3年半ぶり高水準。
7日のNY金は+0.8ドル、0.03%高で4日ぶりの小反発、というより下げ渋り。アジア時間には前日安値をわずかに下回り、一時2420ドル割れの安値をつけて切り返すと2430ドル台へと反発。ロンドン・NY朝にかけてはドル安局面に連れて2440ドル台半ばまで上昇。しかし上値も限定的となって失速するとNY午後には2430ドル近辺へ、NY引け後には2430ドル割れへと軟調推移、右肩上がりの20日移動平均線(2428.4)維持をかけた攻防状態に。20日線が目先のサポートとならない場合には6月末安値(2304.7)から8月最高値(2522.5)までの半値戻し(2413.6)近辺が次のサポート候補。
NYプラチナは+9.5ドル、1.03%の続伸。時間外序盤の910ドル台半ばが安値となり、前日安値を下回らずに切り返し。ロンドン・NY朝にかけての一段高では前日高値を上回り、930ドル台後半まで上昇。しかし940ドル手前で上値を押さえられる格好となって失速するとNY午後には920ドル台前半へと巻き戻し。910ドル近辺での足場固めは続くものの、反発方向へは水平状態の200日移動平均線(950.6)から940ドル近辺までが徐々に抵抗帯に。
ドル円は+234銭、1.62%の大幅続伸で8月1日(149.32)以来の高値。東京朝の144円20銭台が安値となって反発基調が継続。内田日銀副総裁の「金融市場が不安定な状況で利上げをすることはない」との発言を受けて円安の流れが急加速。日銀会合後の植田総裁の失言に対する火消し発言となり、144円70銭台から146円60銭台まで2円ほどの急騰を経て午後には147円90銭台まで上昇。この日の高値をつけて失速後も146円付近までの反落を経てNY市場では147円を挟んでの保ち合い推移。やや抵抗感もあった7月高値(161.95)から8月安値(141.70)の23.6%戻し(146.48)付近を上抜けた格好ながら、今朝の東京市場では一時145円割れを試すなど不安定な状態も継続。目先、146円後半以上を維持できるかどうかが反発局面継続に向けたポイントに。下方向には144円を維持できないようだと142円近辺までを目安に一段安再トライへ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場8/7終値とチャート
8日の国内金価格は+94円、0.77%高で6日ぶりの反発。RSIは10%台前半、下落率は11.57%に達し、4月初旬の押し目形成水準、12160円近辺でいったん反発。12150円が当面の底値とならない場合、短期的には12100円前後までは下げやすく、短中期的には12月安値(10115)から7月最高値(13743)の半値戻し(11929)が意識される可能性。反発局面が続けば最高値から8月安値(12153)の23.6%戻し(12528)が最初のハードル。
プラチナ価格は+48円、1.03%高で6日ぶりの反発。RSIは10.7%まで低下した翌日に11.7%と下げ渋り、8日には17.6%へと急上昇。弱気パーフェクトオーダー完成後に少し遅れて反発へ、となった可能性。これが一時的に過ぎず、4640円の節目を割り込むようだと4600円の大台前後までが短期下値目安、少し勢い付けば4550円近辺まで。反発方向への流れが続けば7月高値(5730)から8月安値(4648)の23.6%戻し(4903)近辺、4900円の大台回復と9日移動平均線(4913)超えが当面の努力目標。
※参考:
金プラチナ国内価格8/8とチャート
2024年08月08日(木)時点の相場
国内金:12,247 円 8/8(木)
▲94(
0.77%)
国内プラチナ:4,696 円 8/8(木)
▲48(
1.03%)
NY金:2,432.4 ドル 8/7(水)
▲0.8(
0.03%)
NYプラチナ:929.7 ドル 8/7(水)
▲9.5(
1.03%)
ドル円:146.75 円 8/7(水)
▲2.34(
1.62%)
8/7(水)のその他主要マーケット指標
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