利下げの季節到来、パウエルFRB議長明言でドル売り
更新日:2024年08月24日(土)
パウエルFRB議長はジャクソンホール会合での講演で、9月利下げを実質明言。
利下げ示唆は想定内とも思われたものの、米10年債利回り低下とドル売りの勢いはやや想定以上となったようにも。
「政策を調整する時が来た」ことを明確にし、「インフレ率が2%への軌道にあるとの確信強めた」こと、「インフレリスクは低下、労働市場のリスクが上昇した」ことなどから利下げは必然といった意図も。
この日、パウエルFRB議長発言の裏で発表された7月の新築住宅販売件数は73.9万戸。市場予想の62.4万戸を大幅に上回り、前月比+10.63%の大幅増。6月分も上方修正されたことで2ヵ月連続の増加。前年比でも+5.57%となり、2ヵ月連続プラス。
ドル高材料はパウエルFRB議長講演によって無視されてしまったような格好にも。
なお、前日発表された7月の中古住宅販売件数も395万戸となり、市場予想(394)を上回って前月比+1.3%。5ヵ月ぶりに増加。
住宅ローン金利の低下に伴い、住宅市場が安定に向かっていることが示唆されつつある様子。
ただし前年比では-2.5%となり、2年11ヵ月連続の前年割れ。
新築+中古では前月比+2.6%、5ヵ月ぶりに増加。ただし前年比では-1.3%となり、3年1ヵ月連続の前年割れ。
中古住宅価格上昇率が賃金上昇率を上回る状態も7ヵ月連続。
利下げの季節到来で、米住宅市場の回復基調も進行することになるはず?です。
23日のNY金は+29.6ドル、1.18%の大幅高で3日ぶりの反発。前日の大幅下落分を巻き戻して最高値圏へと再接近。時間外序盤の2520ドル近辺が安値となり、前日NY市場でつけた安値2500ドル付近からの反発局面が継続。ロンドン序盤に2530ドル台を回復するとNY市場ではパウエルFRB議長の9月利下げ示唆発言を受けて2540ドル台へと急騰、高値では2550ドル台半ばまで上昇も2550ドル台で上値を押さえられる状態が続くとNY午後には2550ドル割れ、NY引け後には2540ドル台後半へと下げ渋り。利下げは織り込み済ながら、長期金利低下とドル安の勢いが想定以上となったことで押し上げられたような格好にも。主要レンジ下限を2510ドルへと切り上げて2550ドルまでが目先の主要レンジとなって月末へ。上方ブレイクなら2600ドルの大台近辺トライへ、下限割れなら2450ドル近辺までを目安に調整へ。
週間ベースでは+8.5ドル、0.33%高で4週続伸。4週続伸は4月以来、4ヵ月ぶりで今年2度め。
NYプラチナは+12.4ドル、1.3%の反発。アジア時間に960ドルまで小反発後には反落、NY市場では950ドル割れの安値をつけて切り返し。パウエルFRB議長発言を受けて急騰したNY金に追随すると960ドル台へと上昇、NY引け後には970ドル近辺へ。下げ止まった21日移動平均線(952.1)にも支えられ、950ドルの節目を維持し、上昇軌道の9日移動平均線(957.2)にもサポートされる形となり、950ドルから980ドルまでの主要レンジ内で堅調推移。月末にかけて上限突破できれば1000ドルの大台回復トライへ、下限割れへと反落なら8月安値圏910ドル台再トライへも。
週間ベースでは+3.7ドル、0.38%の小幅続伸。
ドル円は-193銭、1.32%の大幅安となって3日ぶりの反落。8月5日(144.19)以来、半月ぶりの安値。東京午前には閉会中審査での植田日銀総裁発言を受けて146円30銭台から145円30銭近辺まで下落、欧州時間に146円台を回復するとNY朝にかけて146円40銭台まで、ゆるやかなドル高円安基調。しかし、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長発言を受けて145円20銭近辺へと急落。一服後も米10年債利回り再低下とともに145円割れへと一段安、NY午後には144円前半へと軟調推移。安値では一時144円00銭台まで下落。145円20銭の下値サポート割れに伴う短期下値目安、143円半ば辺りまで、もう少しの下げ余地。月末月初の指標悪化などで9月の大幅利下げ観測台頭となればさらに142円付近までの下値切り下げも。
週間ベースでは-3.24円、2.20%安で3週ぶりの反落。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場8/23終値とチャート
2024年08月24日(土)時点の相場
国内金:12,776 円 8/23(金)
▼52(
0.41%)
国内プラチナ:4,833 円 8/23(金)
▼79(
1.61%)
NY金:2,546.3 ドル 8/23(金)
▲29.6(
1.18%)
NYプラチナ:966.1 ドル 8/23(金)
▲12.4(
1.30%)
ドル円:144.36 円 8/23(金)
▼1.93(
1.32%)
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