米求人件数は予想外に減少、4年超ぶりに失業者数が逆転
更新日:2025年09月04日(木)

米労働省が発表した月次求人労働異動調査(JOLTS:Job Openings and Labor Turnover Survey)で7月の求人件数は718.1万件。
市場予想の737.8万件を下回り、前月から-2.39%で2ヵ月連続減。昨年9月(710.3)以来、10ヵ月ぶりの低水準に。
前年比では-4.30%、2022年8月以降、3年連続の前年割れ。6ヵ月平均でも738.75万件となり、2021年3月以来、4年4ヵ月ぶりの低水準。
依然として過去平均545.6万件を大きく上回る水準での推移は続くものの、2019年の平均715.4万件には急接近。コロナ後の好調期はほぼ終息したような状態に。
前回の雇用統計で発表された7月の失業者数は723.6万人。2ヵ月ぶり高水準、3年8ヵ月で2番めの高水準。
この結果、失業者数が求人件数を逆転。
失業者1人当たりの求人件数、求人倍率は7月に0.99件。
2ヵ月連続の低下で2021年4月(0.96)以来、4年3ヵ月ぶり低水準となり、遂に節目の1.0ポイント割れ。
数字の上では失業者全員に求人が回らなくなり、失業率悪化のトリガとなる可能性も。

3日のNY金は+43.3ドル、1.21%高で6日続伸。3営業日連続、今年29回めの過去最高値更新。6日続伸は3月以来、5ヵ月半ぶりで今年2度め。3600ドルの大台維持をかけた攻防となった時間外は3590ドル台前半が安値となって下げ渋り、3610ドル近辺までが上限となる形で保ち合い推移。ロンドン・NY市場にかけてこれを上方ブレイクすると、米7月求人件数の予想を下回る低調な結果を受けたドル売りにもサポートされて3630ドル台まで上昇。NY引け後には3640ドルにワンタッチして失速、3620ドル近辺へと急反落。過熱感からの巻き戻しの流れへの兆しも。3600ドルの大台でサポートされずに調整の勢いが強まれば8月20日安値(3353.4)から最高値(3640.1)の38.2%戻し(3530.6)、前回最高値(3534.1)など3530ドル近辺までが当面の調整目安、かつサポート候補にも。

NYプラチナは+42.9ドル、3.04%の大幅高で4日続伸。7月22日(1482.0)以来、6週間ぶりの高値。時間外には1420ドル台後半から1400ドル台前半まで軟調推移、しかし1400ドルの大台付近では底堅く、ロンドン・NY市場にかけて押し目買い。NY市場では1450ドル台へと急騰し、高値では1460ドル台半ばまで上昇し、NY引け後には1450ドル割れへと失速。1370ドルの節目突破に伴う短期上値目標1480ドル近辺に向けた流れが急速に進行、やや息切れ感も、若干の上値余地も残す状況。

ドル円は-25銭、0.17%安で4日ぶりの反落。国内政局不安などからの円安基調が続き、東京市場では148円前半から148円90銭台まで上昇、前日高値付近で一服、148円半ばへと戻して東京市場終了直後には上値再トライで149円10銭台まで上昇。8月1日(150.92)以来1ヵ月ぶり高値をつけて失速すると欧州・NY朝にかけては148円半ばでの保ち合い推移。NY市場では7月の求人件数が予想外に低調となったことを受けてドル安急伸、148円近辺へと急落。NY午後には147円80銭台の安値で下げ渋るとNY終盤には148円台を回復。引き続き147円80銭の節目突破に伴う短期上値目標152円台を目指す流れへの可能性を維持。ただし雇用指標悪化が続けば巻き戻しリスクに、146円90銭の節目を割れると流れは逆転、142円近辺までを目指す展開へ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場9/3終値とチャート
4日の国内金価格は-6円、0.03%の小幅安で5日ぶりの反落。4日ぶりの最高値更新ストップも調整としては極めて限定的。RSIも89%へと一段高で過熱感も高止まり、調整目安としては8月後半安値(17221)から最高値18499)の23.6%戻し(18197)近辺、少し加速すると38.2%戻し(18011)、18000円の大台近辺までが意識される可能性も。
プラチナ価格は-17円、0.23%安で5日ぶりの反落。金に追随する形での上値トライ急伸からの一服となり、7月の今年高値(7597)から8月安値(6748)の76.4%戻し(7397)付近で失速。ただし調整も控えめに。もう一段の調整進行なら、8月安値(6748)から9月高値(7386)の23.6%戻し(7235)、38.2%戻し(7142)などが目安に。
※参考:
金プラチナ国内価格9/4とチャート
2025年09月04日(木)時点の相場
国内金:18,493 円 9/4(木)
▼6(
0.03%)
国内プラチナ:7,369 円 9/4(木)
▼17(
0.23%)
NY金:3,635.5 ドル 9/3(水)
▲43.3(
1.21%)
NYプラチナ:1,455.1 ドル 9/3(水)
▲42.9(
3.04%)
ドル円:148.10 円 9/3(水)
▼0.25(
0.17%)
9/3(水)のその他主要マーケット指標
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トランプ圧力で安全資産買い、国内金価格も6週間ぶり最高値更新 09/01(月)
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