消費者物価CPIは予想どおり、半年ぶり高水準へ上昇基調継続
更新日:2025年09月12日(金)

米8月の消費者物価指数、CPIはほぼ予想どおりの結果で9月FOMCでの利下げへの影響もほぼ、なし。でドル安の流れが優勢に。
CPIは前年比+2.92%。市場予想の+2.9%にほぼ一致、前月から+0.21%で4カ月続伸、1月(3.00)以来、7ヵ月ぶりの高水準。
コアCPIは前年比+3.11%。市場予想の+3.1%に一致、前月から+0.05%で4カ月続伸、2月(3.12)以来、半年ぶりの高水準。
セクタ別では全体の6割のウェイトを占めるサービス価格が前年比+3.6%となり、横ばい推移が5ヵ月連続。昨年までの5%超、年初の4%台から低下も4月以降は下げ渋り。
全体の2割を占めるモノの価格は+1.5%。低水準ながら3月までのマイナス圏から5カ月続伸。
ウェイト13.6%の食品は+3.2%。7月の2.9%から上昇し、2023年秋以来の高水準。
主要項目では、26%のウェイトを占める帰属家賃が+4.0%。5%割れから10カ月かけてゆるやかに低下。
クリーブランド連銀のメディアンCPIは前年比+3.62%。7カ月ぶり高水準となった7月(3.65)から-0.03%、3ヵ月ぶりの小反落も今年2番めの高水準。
16%トリム平均は+3.29%。前月から+0.07%で4カ月続伸、1年2カ月ぶりの高水準。
アトランタ連銀のスティッキーCPIは+3.40%。5カ月ぶり高水準の7月(3.43)から-0.03%、3ヵ月ぶりの反落。半年で2番めの高水準。
CPIは総合指数では上昇傾向がやや鮮明となる状況も、コア指数やそれに準ずる地区連銀の指数ではゆるやかな上昇、もしくは横ばい傾向に。
8月時点でのインフレ再燃の兆しは、限定的にとどまっている様子も。

11日のNY金は-8.4ドル、0.23%の続落で9月5日(3653.3)以来、1週間ぶりの安値。最高値更新後も高止まりが続くなか、若干の調整が進行。アジア時間の3680ドル台後半が高値となって軟調推移、ロンドン市場では3660ドル割れトライ、NY朝の米8月CPIには乱高下の反応。ほぼ予想どおりの結果も前月比でやや加速の兆しもあり、瞬間的にはドル高進行とともに3650ドル付近まで小幅に急落。しかし利下げ観測に影響はなく、むしろ新規失業保険申請件数の急増を受けて巻き戻しの流れが急伸、一時3680ドル台まで上昇し、NY午後には3670ドル台へと収束。FOMCに向け、3690ドルが目先の上限候補となり、3600ドルの大台までのレンジで高値保ち合いの様相に。

NYプラチナは+2.0ドル、0.14%の小幅続伸。9月3日(1455.1)以来、1週間ぶり高値圏での小動き。アジア時間に1405ドル付近の高値をつけ、ロンドン市場では1380ドル付近の安値で下げ渋り。NY市場では1400ドル台まで再反発も、NY引け後には1390ドル付近へと失速。1370ドルから1460ドルまでの主要レンジ内で1400ドル台での抵抗感が増す状況、さらに1420ドル近辺も次のレジスタンス候補にも。

ドル円は-24銭、0.16%の反落。東京午前は147円前半での小動き、午後には自民党総裁選での高市トレードが意識されて147円70銭台へと急騰、欧州時間にかけても円安基調が鵜t付いて147円90銭台まで上昇。しかし148円の大台に上値を押さえられる状態が続き、NY朝には147円80銭近辺へと失速。米8月CPIの結果には乱高下の反応となり、一時148円10銭台まで急騰後に147円30銭台まで急反落。いったんは147円半ばへと戻すも失業保険申請件数の悪化もあり、147円近辺まで軟調推移、NY午後には147円前後で下げ渋ってNY終盤には147円20銭台を回復。次週FOMCがきっかけとなるか、あるいは想定外の国内要因がトリガとなるか、1ヵ月を超える保ち合い長期化で大幅変動への警戒感も徐々に高まる状況に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場9/11終値とチャート
12日の国内金価格は-84円、0.44%の反落。4日で3回の最高値更新でいったん失速、巻き戻しの兆しに。18840円の節目上抜けに伴う短期上値目標18930円程度に対しては18880円までにとどまり、前日上昇値幅を帳消しにする反落でもう一段の調整への可能性も。18800円の節目をわずかに下回り、これに伴う短期下値目安18680円程度までの調整が進行しやすい状況に。ただし18890円超へと切り返す展開となれば、次の最高値目安は19030円辺りまで。
週間ベースでは+297円、1.61%高で4週続伸。
プラチナ価格は-76円、1.05%の反落。9日移動平均線(7236)に跳ね返されて強気のパーフェクトオーダー再開トライに失敗、前日上昇分の大半を巻き戻す形となって今度は下値トライへの警戒感。7130円の節目を維持できなくなれば下値トライへ、7010円近辺までが短期下値目安に。ただし7230円超へと切り返すことができれば上値トライ再開へ、9月高値圏7380円辺りまでが短期上値目安に。
週間ベースでは-32円、0.45%の反落。
※参考:
金プラチナ国内価格9/10とチャート
2025年09月12日(金)時点の相場
国内金:18,796 円 9/12(金)
▼84(
0.44%)
国内プラチナ:7,147 円 9/12(金)
▼76(
1.05%)
NY金:3,673.6 ドル 9/11(木)
▼8.4(
0.23%)
NYプラチナ:1,399.8 ドル 9/11(木)
▲2.0(
0.14%)
ドル円:147.21 円 9/11(木)
▼0.24(
0.16%)
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