金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

スコットランドは英国とともに、プラチナは金とともに

更新日:2014年9月19日(金)

スコットランドの英国からの独立を問う住民投票の結果が出始めています。いくつかの地区では反対多数となっているようです。万が一、賛成多数となった場合には英ポンド急落をきっかけに市場の混乱を招き、リスク回避の流れが拡大する可能性も危惧されたものの、やはり予想どおりの結果となりそうな様子。
今週に入ってからは、既にこの結果を織り込んでいた節もあり、急落していたポンドは買い戻しの流れが加速、2週間前に窓を開けて急落した水準を既に大きく上抜けて、対ドルでは1.65ドル近辺へと上昇しています。

今回は、大事に至らずに、スコットランド危機を乗り越えることになりそうですが、いつかまた独立機運が再燃し、同じような状況が訪れるかもしれません。カタルーニャやフランドルなど、欧州各地で根強く存在する自治区の独立運動への影響も懸念されるところです。
しかし、スコットランドにとっての英国との関係性を、あらためて考える良い機会になったのではないかと思われます。メリットとデメリットを整理した上で、より良い協調関係を築いて行くことの重要性を再認識するスコットランド人も、英国人も多いのではないでしょうか。

この2週間ほどのスコットランド危機を、全く無視するかのようにドル円相場は上昇し続け、それに呼応するように金相場は下落し続けています。そして、プラチナ相場も金とともに下落がとまらない状況が続きます。
ドル円とNY金相場とは逆方向に動きやすく、逆相関になりやすい関係にありますが、短期的に見るとここ数年で最大級の逆相関レベルに達しています。30日間の相関係数では、過去2年半で最も逆相関関係が強かったのが昨日時点の-0.98308。今朝時点でも-0.98259と、-1.0の完全逆相関状態に限りなく近づいた状態。

そして、その金との相関性が比較的高いプラチナは、現在はその相関性が最大級の状態。30日間の相関係数は限りなく+1.0に近づき、完全相関状態に近い状況となる0.98182に達しています。この数値は過去2年半での最大値。
30日間の相関係数ランキングでは、NY金とNY銀、米10年債金利と英10年債金利、NYダウと英FTSEなどの常連を押さえ、トップに立っています。

独自要因で大きく動くことも多いプラチナ相場にとっては、今年前半の南アの鉱山スト終結に伴う供給懸念の後退、欧州経済停滞によるディーゼル車への触媒需要低下が若干の懸念材料となったことで下落基調が進んだ、という見方も出来そうですが、あらためて金との相関性の強さを再認識する機会にもなっています。

NY金・日足チャート 2014/8/21 - 9/1818日のNY市場、金相場は0.73%の続落で1月8日以来、8カ月ぶりの安値水準へ。前日、日本時間朝には既に1,220ドル近辺まで下落し、一時1,216ドルの安値をつけてやや反発したところ。それでも上値は直近終値ベースの安値1,230ドルにも届かず、下方向への圧力が強い状況が継続中。目標水準は1,200ドル前後、上方向へのレジスタンスラインは1,240ドル。

NYプラチナ・日足チャート 2014/8/21 - 9/18プラチナ相場も0.93%の大幅続落。金と同様、前日朝に下落した水準1,350ドル近辺からは変わらず。一時1,340ドルまで下げており、過熱感MAXの状態でいつ反発してもおかしくはない状況。しかし、連動する金相場のもう一段の下げ余地が足を引っ張る可能性も。昨年12月24日以来の水準にあり、下方向への次の節目としては12月19日終値1,318.4ドル近辺。

ドル円・日足チャート 2014/8/22 - 9/18ドル円は0.29%の続伸。FOMC後の堅調推移が継続、終値では2008年8月29日以来の水準に到達し、新規失業保険申請件数の好結果に反応した場面では109円台をうかがう動きで108円96銭まで上昇。しかし、同時に発表された8月分の住宅着工件数が低調だったこともあり、108円70銭近辺まで反落傾向へ。今朝10時30分過ぎ、既に109円45銭付近まで上昇し、上値目標水準109円台半ばに到達。過熱感は高まる一方ながら、リーマンショック前、2008年8月高値110円60銭台が意識される展開に。急反落への警戒感を抱きながら、勇気を試される展開に・・・。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/18終値とチャート

19日の国内金価格は0.48%高となり3日続伸。円安にサポートされ、4,500円前後の目標水準を目指す流れからの反発傾向へ。下方バイアスは弱まりつつあり、4,590円台の上値抵抗線を超えるようなら、短期トレンドにも変化が。
週間ベースでは+13円(+0.28%)と小幅反発。

プラチナも3日続伸ながら上げ幅はわずかに3円、3日間の合計でも6円。下値目標水準4,990円付近を目指す流れに対して円安が反発材料に。金と同様、下落圧力は徐々に後退中も追随し切れない弱さも露呈。
週間ベースではわずかに+1円(+0.02%)の小反発。
※参考:金プラチナ国内価格9/19とチャート

2014年9月19日(金)時点の相場
国内金4,584 円 9/19(金) ▲22(0.48%)
国内プラチナ5,040 円 9/19(金) ▲3(0.06%)
NY金1,226.9 ドル 9/18(木) ▼9.0(0.73%)
NYプラチナ1,349.5 ドル 9/18(木) ▼12.7(0.93%)
ドル円108.69 円 9/18(木) ▲0.32(0.29%)

9/18(木)のその他主要マーケット指標

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スコットランドは英国とともに、プラチナは金とともに 9/19(金)

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